化学。
私が嫌いな教科。
彼と手が触れるだけ。
ただ、それだけ。
頬が、熱かった。
瞬間湯沸かし器、みたいに
顔が火照った感じ。
…どうして、好きなんだろう。
彼に、手が届く存在でもないのに。
…でも、好きだった。
心臓が有り得ないくらいに飛び跳ねる。
化学は、嫌い。
でも。
この時間が楽しみになったのは、
彼が隣に居てくれるから。
決して両想い、なんて思ってない。
そうやって期待してる自分が居るだけで。
そんな事を考えていたら、
いつの間にか。
彼が、私の顔を覗き込んでいた。
…顔が、近い。
顔が溶けるくらい、近い。
動揺している私の口から咄嗟に飛び出た言葉は、
情けない、二言。
普段、男友達とふざけている彼が
こんなに真面目な顔をして私の顔を覗き込んでいる。
思考回路が渋滞していた。
顔が熱いのは、続く沈黙のせい。
でも、きっとそれだけじゃない。
やっと、彼が口を開く。
そう言って、私の大好きな笑みを
見せてくれた。
感じた。
…やっぱり諦めきれない。
自分に挑んでみたい。
そう思いながら、
授業が終わり、教室に戻って
彼に作ってきた本命チョコを、
そっと手に取った。
なんだろーね、
コメント
12件
遅くなってごめんね…わあ…いいなぁ…!!バレンタインデーの本命チョコ…青春だねーーー!!!最高!w これは…いけるんじゃない!?ファイト!!どうか『私』ちゃんの恋が叶いますように…。 今回も素敵だったよ!
私化学好きよ…(( それ絶対脈アリですね主人公いってらっしゃい( ᷇ᵕ ᷆ )
やっぱり皆化学嫌いだよなぁ〜←そこじゃないだろ