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商人の家

救急箱を開けた瞬間、黒いもやに包まれて何がなんだかわからずとっさ木兎は目を瞑った。そして落下する感覚を経て、どすんと突き破り、なにかの上に落ちた。

木兎

いってぇ‥‥

商人

屋根を壊しやがって

目を開けると、そこにはむっとしているおじさんが立っている。誰かの家の中に落ちてしまったようだ。服装は自分の周りでは見たことがない。

商人

それに売り物の中に入るな!

木兎のお尻がちょうどよく桶にはまってしまっていた。木兎は慌てて出ようとしても出られない。おじさんは腕組をして睨みつけている。

木兎

はまっちゃった

木兎

おじさんが手を貸してくれたら出られるかもしれない!

商人

ちっ、しょうがねぇな

商人が木兎を一生懸命引っ張るもなかなか抜ける雰囲気がない。

商人

もう、このまま、売るっていうのもありか‥‥?

木兎

俺、売られるのっ!?

商人

桶は下僕付きですぅ〜とでも言っとけば売れねぇことはねぇ

商人がたぬきの皮算用ですでに鼻歌を歌い始めたので、木兎はそんなことさせるかと両手で桶の端を掴むと力いっぱい桶から体を出そうとすると、少しずつだが体が桶から出てきた。

商人

お、すげぇな、お前

木兎

もう、少しで、抜けそ‥‥!

そのとき、木兎の真上からパラパラ‥と木のくずが落ちてきたと思った瞬間、なにかが木兎に重なるように落ちてきた。そして、桶は破壊された。

商人

あああ~!!!

商人は今日一番の目玉商品を壊されたことを信じたくないように床にのたうち回った。

赤葦

いたっ、くない‥‥?

商人

おまえら、なんなんだ、グルか!俺の商売の邪魔しに来たのか!!

木兎

あかあしぃ〜!

赤葦

木兎さん、落ち着いてください、木兎さんの上から降りられません!

木兎が赤葦にすがりついてなかなか離れない。そして商人は涙目になりながら鼻をぐずぐずさせ、そろばんを弾いた。

商人

お前ら、とにかく屋根の修理代と桶にかかったお金、払えよ!

赤葦は木兎を引き剥がそうとしながら、答える。

赤葦

あの、お支払いしたいんですが、俺たち、お金をもっていないんです

木兎

俺、お小遣いならあるっ

木兎が赤葦を抱きかかえたまま、ポケットに手を突っ込むとジャラと小銭の音が聞こえた。木兎を引き剥がすのを諦めた赤葦がさっと木兎の手を掴んで振り返り、首を振る。

赤葦

ちょっと黙っててください

商人

あるのか?

赤葦

遠いところから来たので、ここで俺たちのお金が使えるかわかりません

赤葦が自分のジャージのポケットから千円札を出して見せ、商人は一度千円札を手に掴んで見たものの、首を横に振って、赤葦へ返した。

商人

この紙切れは、こっちでは使わないなぁー

赤葦

やっぱり、そうでしたか‥‥

商人

まぁ、お金がないなら働いてもらうしかないな!ほら、お前らが落ちてきたときに、売る予定だった護符が全部部屋の中に散らばったんだ、さっさと拾ってくれ!

木兎は赤葦を膝の上から下ろすと、スッと立ち上がった。

木兎

じゃあ、俺が集めるから、赤葦は数を数えて!

赤葦が言い返す前に木兎は黙々と護符を拾い集め、赤葦に渡してきた。赤葦も黙って木兎の指示に従い、木兎から渡された護符の枚数を数える。

赤葦

にしてもこの護符の絵、怖いですね

いかつい毛むくじゃらの鬼がこちらを向いて怒っているように見える。

商人

あー、その絵は俺の力作だ。知らねぇのか?夷陵老祖だよ

赤葦

いりょうろうそ?

商人

泣く子も黙る残忍な悪鬼邪神だ。悪霊には悪霊をってみんな買っていくんだ、これが結構売れ行きが良いんだなぁー

商人はその時の売れ行きを思い出したのかほくほくとした表情をした。

木兎

目があったら眠れなくなりそうだから、こんな怖いの飾りたくない!

木兎は最後の一枚を拾い終え、その絵に向かって、あっかんべーをしてから赤葦に渡した。

商人

さあさあ、お前らは今からこれを売ってきて欲しい。俺は屋根を直さなきゃならねぇんだ。

商人は木兎たちをじっと眺め、片眉を上げると、棚をごそごそしだし、木兎と赤葦に向けて服を放った。

商人

これに着替えてからにしろ。そんな変な服じゃ人が寄り付かねぇからな

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コメント

3

ユーザー
ユーザー

めちゃくちゃ好きです…

ユーザー

続き楽しみにしてます

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