テラーノベル
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夕暮れのロンドンは、
いつもより少し静かだった
霧の中を歩きながら
イギリスは小さくため息つく
昔から変わらない街並みも、
紅茶の香りも、
すべてが自分の1部のようでいて
────どこか、
ぽっかりと穴が空いている気がしていた
アメリカ
背後から聞きなれた声がした
振り返らなくても分かる
あの騒がしくて、
無遠慮で、
でも妙にまっすぐな声
イギリス
そういいながらも、
イギリスはわずかに口元を緩めた
アメリカ
アメリカ
アメリカはいつもの調子で笑いながら、
隣に並ぶ。
明るくて、
無邪気で──それでいて、
どこか昔とは違う重みを背負った顔
しばらく、二人は無言で歩いた
やがてアメリカはぽつりと口を開く
アメリカ
イギリス
アメリカ
アメリカ
アメリカ
アメリカ
イギリスは思わず足を止めた
イギリス
アメリカ
アメリカは少しだけ真面目な声になる
アメリカ
アメリカ
あの頃は、ただの弟分みたいな存在だった
何も出来なくて、
何も知らなくて、
それでも必死に背中を追いかけていた
アメリカ
アメリカ
イギリスは視線を逸らす
イギリス
イギリス
イギリス
言葉は刺々しいのに、どこか弱い
アメリカは少し笑って、
それから真っ直ぐに言った
アメリカ
アメリカ
風が強く吹いて、霧が揺れる
イギリスの手がわずかに震えた
イギリス
アメリカ
アメリカ
アメリカ
アメリカは少し照れくさそうに頭をかいた
アメリカ
アメリカ
その言葉に、イギリスは何も言えなかった
ずっと昔、
失ったと思っていたものが、
形を変えてここにある気がした
支配でも、
所有でもない
ただ、繋がりとして
イギリス
やっと絞り出した言葉は、
少しだけ震えていた
アメリカはきょとんとする
アメリカ
イギリス
イギリス
イギリス
アメリカ
2人の笑い声が、霧の中に溶けていく
昔とは違う距離で、
それでも確かに隣にいる
それが、今の二人の形だった
コメント
2件
アルアサ最高! 尊い
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