コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
誰もいない
1人の部屋
今度こそ
あわせる顔がない
もう関係は修復不可能かもしれない
俺なんか
結局何にもなれなかった
ドアに寄りかかり、窓から空を見つめる
そのままどのくらいたっただろうか
唐突に部屋の中で着信音が響き渡った
プルルルルルッ…
スマホを手に取る
そこに表示された名前は
母のものだった
プルルルルッ…
いくら待っても着信音は鳴り止まない
切れてもまた電話がかかってくる
プルルルルルッ…
意を決して俺はスマホを手に取った
母
聞き間違える筈もない
あの頃と変わらない母の声
母
母
父さんは病院に行くと伝えて無かった筈だ
…伝えていないだけでバレるのは時間の問題だと思っていたけど
母
母
母
母
目の前にいるもの
なんで
なんでここを知ってるんだ?
てか、目の前って、…ッ
窓辺に寄り、少しカーテンを開いた
その先には
あの日と変わらぬ笑顔の母がいた
母
母
母
母
吐き気がした
あの日々を思い出して
しかもあの頃よりヒートアップしている気がする
母
電話を切った
これ以上は無理だ
帰ってくれ
ただそれだけを願って電話を切った
それなのに
母
母
母
母が叫びながらドアを叩いている
怖い
怖い、っ
だれか、
…何、してんるんですか、?