彼が俺を溺愛する

颯side

数日後､約束の映画を 観に行く日になったが､､､

今さっき携帯に 驚きのメッセージが入った｡

急いで､ いとこさん女？男？ とメッセージを送る。

とにかく遅刻はマズイと 思い､俺は早めに 家を出た｡

待ち合わせ場所の 噴水公園は休日という事も あってか家族連れや カップルが目立つ｡

そんな中､俺は 必死に和音のいとこを 探す｡

ひときわ目立つ男が 女子に囲まれていた｡

当の本人はというと 満更でもないといった感じで 対応している｡

そそくさと 逆ナン現場から逃げようとする｡

先程のモテモテな男に 話しかけられる｡

不機嫌で悪態をつく金髪の 男がそこには居たのだ。

俺の自己紹介にはあまり 興味がないようだ｡

彼はクスッと笑った｡

店内に入ると､ そう聞かれた｡

ぎこちなく会話を した。

まるで面白いものでも 見たかのようにクックと 笑う幸次郎｡

ムキになって反論すると､

淡々と注文をしている。

俺の視線に気がつくと､ べっと舌を出した｡

店員からオレンジジュースを 受け取り、席を見つけ座る｡

しばらくすると､幸次郎の キャラメルマキアートも届いた。

子供を諭すような口調 の幸次郎｡

不敵な笑みを 浮かべた｡

幸次郎はスマホの画面を 見る｡

ゲーセンに着くや否や、 有名なカーレースのゲームを 指さす。

ハンドルを切りながら 適当な答えを探す。

幸次郎は意外と 鋭く人を見ているようだ｡

結局､3回競走したが 幸次郎の圧勝だった｡

映画を観終わった帰り際､ 幸次郎は俺の頭を わしゃわしゃと撫でて 帰って行った｡