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検査入院が終わってから数日経ち僕は外を見てボーっと考える時間が増えた。もしかしたらあの女の子が関係しているのかもしれない。
先生
草木
草木
草木
僕は急いで黒板に視線を戻す。どうせ僕は今勉強したって役に立たないし…とまた外に視線を戻してしまう。ノートをとると絵を描きたくなってくるし。
僕には友達なんて同じクラスの矢作 伯(やはぎ はく)と別のクラスの西都 瀧(さいと たき)ぐらいしか居ないし注意してくるのは大体先生ぐらいだ。
時期的にも桜の花が散っていく頃。窓の外には桜がひらひらと風に乗って散っている。風景の絵が得意だったらな…とよく思う。
先生
草木
僕はもう外を見るのは諦めて想像の人物をノートに描くことにした。授業を受けてるように見えてくれと願いながら。僕の学習ノートはもはやスケッチブックのようだった。
僕は絵を描いている時ずっとあの女の子が脳裏に浮かぶようになっていた。肌は白くて眼鏡をかけてて僕と同い年くらい。少し窶れているようにも見えた。
窶れて=やつれて
先生
キンコーンカンコーンと授業終わりを知らせる鐘がなる。ようやく授業が終わった。
教室はどんどん騒がしくなり速攻で部活に向かう人もいる。中間テストのことや次いつ遊べるかなどみんな話している。
???
友達であり同じ部活の滝が問いかけてくる。
草木
西都 瀧
草木
と僕は学校指定の鞄を肩にかけて教室を後にしようとした。そうすると瀧がまた最後に語りかけてきた。
西都 瀧
草木
西都 瀧
草木
西都 瀧
草木
まだなにか言いたそうにしているが僕は教室を後にした。中二の検査入院が長くなった一学期の途中から部活に行ってない事をそういえば…と思い出した。
僕の悩みを相談したとしても瀧にはどうすることも出来ないし、悩みが消えるはずない。
僕はどうせここまで生きれたとしても結果的には手術をしなければ半年という短い期間で死ぬし、手術したとしても変わらず早くて半年、長くて一年で死ぬ。簡単に言えばすでに余命宣告されている。だから青春を送るよりも一人で過ごした方が絶対に後々楽だ。
青春を送りたくない僕でもクラスで気になることが一つある。それは僕の後ろの席。その席はずっと空席。誰が座るのかとか考えてはいるが余命宣告されているとそんなことどうでもよくなってくる。クラスでは誰が座るんだろう?とか転校生が来るんじゃない?とか噂も出来ている。
まぁいいや、とバス停まで歩いて向かう。バス停で次描く人物の構図を練る。バスが来る時間に近づくとだんだん同じ高校や仕事上がりの人が少しずつ集まってくる。
バスが到着し乗り込み優先席に近い席に座る。後ろの方は大体高校生が固まっている。僕は一応何かあった時のために空いていれば優先席の近くに座る。家族からも嫌なほど言われてきている。家の近くの停留所まで構図を考える続きをする。四つ目の停留所で降り、数十分歩くと見慣れた我が家が見えてくる。
僕は手術しないと長く生きれないけどもう充分生きたという勝手な解釈もあって次の手術はもう受けないと決めている。確か僕の病気の名前は悪性心臓腫瘍。
手術は危険性もあり、技術が追いついていない日本では到底手術は無理。産まれながら持っていた病気だから症状には慣れっこだけど辛い時もある。
余命宣告されたのはつい最近のこと。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 今回もお楽しみいただけましたか?連続の投稿になってしまい申し訳ございません。やっぱ書いてて楽しいですね! まぁ、次回も見ていただけますように。