春千夜
三途が目を見開き、息を呑む。
その視線の先には生気のないよく似た子供が二人、
佇んでいた。
山田ァァァァァァァァァァ‼︎
バンっ
おかえり山田ァァァァァァァ‼︎
バンバンッ
春千夜
春千夜
春千夜
待ってたぞ山田ァァァァァァァ‼︎
バンッバンバン
ドガァ
おい山田!しっかりしろ!
春千夜が放った銃弾が裏切り者の足を掠め
真後ろの長椅子を壊す。
春千夜
春千夜
バンッ バンバンバンバン
山田ッ⁈お前には夢があるんだろう⁈
鉛玉が裏切り者の皮膚を裂き、足元に真っ赤な花が咲く。
モエたんの同人を作る夢はどうしたァァァ‼︎
春千夜
春千夜
春千夜
ドンッ
山田ッ⁈
山田ァァァァァァァァァァ‼︎
どさり、と胸に風穴を開けた裏切り者がくず折れる。
山田ァァ…死ぬなよ、山田ァァ…
春千夜
山田ァァァァァァァァァァ(号泣)
少し痙攣すると、やがてヒューヒューという呼吸音も聞こえなくなった。
春千夜
その様子をさして興味もなさそうに見つめた三途は
僅かに震える手で徐に煙草を取り出すと酸素の代わりを務めさせるような勢いで吸った。
春千夜
三途がいるのはとある山奥の教会だった。
村の人間も恐れ近づかないような場所にある閑静な教会
そんな教会は今、床は人間の毛皮で敷き詰められ
壁は隙間なく血で現代アートが描かれていた。
ふと三途が手に握っていた銃を最後に死んだ裏切り者のポケットにねじ込んだ。
春千夜
春千夜
そして自身のホルダーに仕舞われていたスレンダーな銃を取り出すと
美しいステンドグラスの嵌め込まれた奥の扉へと発砲した
ダンッ ズダダダダダ
聖母の描かれていたステンドグラスは無残に飛び散り
上品なブラックウッドの扉は砕け崩れた。
壊れた扉に向かって春千夜は淡々と歩みを進めていく。
入って直ぐの執務室にある安楽椅子を退けると歪に縁が隣のタイルに乗り上げた一枚のタイルが見える、
そこに手をかけ持ち上げると狭く急な階段が現れた。
春千夜
春千夜
春千夜
しばらく進んでいくと突然あたりが開け薄暗い地下室が広がっていた。
床には一面にプランターが並び
棚のようになった壁にもぎっしりとハーブのような形をした植物のプランターが所狭しと並べられていた。
春千夜
春千夜
春千夜
流石は薬中、迷うことなく得体の知れない植物たちを選別していく
春千夜
春千夜
春千夜
階段の踊り場へより分けたものの中から一つ小さなものを選び出し手に持つ
春千夜
そして、踊り場から地下室に向かって
燃えるマッチ棒を投げ込んだ。
黄金の庭園を背に三途は階段を上がっていった。
後には燃え盛る薬草がぱちぱちと音を立てていた。
その炎の中、チラリと不思議な文字が描かれた札のような何かが揺れたように見えたのは、
気のせいだったか。
春千夜
春千夜
深々とした霊気に包まれた森の中
三途は絶賛迷子中であった。
春千夜
春千夜
春千夜
東西南北、何処を見渡しても緑の巣窟。
春千夜
春千夜
頭を抱え蹲るが状況は何一つとて変わらない。
そんなこと三途自身とっくに理解しているのだろう
いじいじと足元の雑草を弄り始めた。
春千夜
春千夜
春千夜
春千夜
春千夜
春千夜
現実逃避もいいところである。
三途の節のある白く大きな手が器用にシロツメクサを摘み
可愛らしい花輪が瞬く間に紡がれていく。
春千夜
春千夜
その時。全力で現実を逃避する三途の後方の茂みがガサリと揺れた。
春千夜
春千夜
春千夜
揺れた茂みから小さな体躯が二つ、躍り出る。
それが人の形であると気づいた瞬間からの三途の行動は素早く、流石は反社No.2を名乗るだけのことはあった。
春千夜
春千夜
そう低い声で言うと、一瞬相手が止まった…
ダンッ
かのように思えたが、小さな影が止まることはなかった。
春千夜
三途の背に冷や汗が伝う。
春千夜
春千夜
弾丸を浴びた片方の影は少しよろめいたが倒れる気配はない。
倒れるどころか寧ろ
春千夜
春千夜
春千夜
ゆったりと会話をしながら、霧をかき分け着々と此方へ近づいてくる。
春千夜
春千夜
金糸のような髪が、霧の合間に揺れる。
春千夜
次第にその美しい輪郭が視界に浮かび上がる。
濃霧の向こうから現れたのは、
コメント
4件
春千夜の現実逃避可愛い…
春千夜可愛い!!!!シロツメクサのはなの冠作るとか凄!!私作れんのよな~謎に羨ましい!!続き楽しみです頑張って下さい!!