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悩み解決部

第1話 - 第1話｢姫川愛｣

2024年11月06日

#学校

#部活

#悩み

#ミステリー

たまそらね

ここは都内にある華岡高校。普通の高校に見えるが、1つ部員1人の噂程度の部活がある。

それは『悩み解決部』

第1話｢姫原愛｣

姫原愛

私は姫原愛。華岡高校の2年生。

姫原愛

私には幼なじみで、大好きなたった一人の親友がいる。それは斗亜。

姫原愛

でも、斗亜と仲違いしてしまった。理由は本当にちょっとしたこと。

姫原愛

斗亜の彼氏と私が2人で帰っているところを見られたの。

姫原愛

その日以来、会話を交わしていない。早く誤解を解きたいのに、言葉が出ない。

姫原愛

そんな日が続いていた。

姫原愛

そんな時、耳に『悩み解決部』の噂が入ってきた。

姫原愛

噂程度の部活。怪しいけれど、悩みは何でも解決してくれるんだって。

姫原愛

私は精神的にも滅入っていたから、思い切ってそこに行ってみることにした。

コンコン、

姫原愛

西校舎の4階。確かここで間違いないはず。

姫原愛

｢失礼しま､､､｣

らむね

｢あっれれ〜？お客さんなんて珍し〜！いらっしゃいませ〜｣

姫原愛

そこにいたのはピンク色の髪、低い背、童顔と子供らしい見た目の人だった。

姫原愛

ホントに高校生なのか心配になるレベルだ。

姫原愛

｢えっと、、悩み解決部に用があって｣

らむね

｢あっ、それボクだよ！｣

姫原愛

｢えっ、、あっ、そうなんですね､､､｣

らむね

｢えへへ、驚いてるのー？｣

らむね

｢まあまあ、そこに座って〜｣

姫原愛

｢どうも、、｣

姫原愛

彼？彼女？はメモ帳を取ってきてから椅子に座った。

らむね

｢ボクはらむね！よろしくね｣

らむね

｢でさ、何があったの？このらむね様に話してみてよ〜！｣

姫原愛

悪戯そうに尋ねてきた。独特な雰囲気を纏っていて、ちょっと怖い､､､

姫原愛

｢実は､､､｣

姫原愛

私が話してる時、らむね？さんは真剣に話を聞いていた。同一人物か一瞬疑ったが、話終わると元に戻っていた。

らむね

｢なるほど〜。確かにもやもやしちゃうよね｣

らむね

｢それでさ、キミはボクにどうして欲しい？｣

姫原愛

その問いに答えるには少し時間がかかった。でも、私が出した答えは

姫原愛

｢…斗亜の彼氏を奪いたい｣

姫原愛

これだった。

らむね

｢あっはは！いいね！人間味溢れてるって感じ〜｣

姫原愛

らむねさんの言葉の真意は分からないけれど、いいのかな、なんて迷わなかった。

姫原愛

だって、斗亜があんなイケメンと付き合っちゃったんだもん。私だって斗亜の彼氏みたいなイケメンがいい。

姫原愛

なら、いっその事奪えばいい。

らむね

｢じゃあじゃあ、ボクに後はおまかせして貰えるのかな？｣

姫原愛

｢お願いします､､､！｣

らむね

｢うんうん、いいんだよ。それより言えて偉いね！！｣

姫原愛

目に涙が溜まる。そもそも斗亜に彼氏が出来た時から、私たちは親友じゃ無かったのかもしれない。

翌日

斗亜

普段と変わらず教室に入る。

斗亜

ただの日常。そこに彼氏の瑛人が加わってからは人生が明るくなった気がする。

瑛人

｢おはよう、斗亜｣

斗亜

｢ふふ、おはよう｣

瑛人

｢今日も可愛いね｣

斗亜

きっとこの学年で一番のラブラブカップルは私たち。

斗亜

でも、それを気に入らないみたい。例えば、愛とか。

姫原愛

昨日、らむねさんに任せたけど本当に大丈夫なのかな

姫原愛

斗亜と瑛人くんのやり取りを見てると苛立ってくる。ラブラブなことを見せつけてきてる。そんな気しかしない。

姫原愛

私の方が瑛人くんのこと好きなのに。

放課後

斗亜

｢今日は部活がないから早く帰るね。｣

斗亜

瑛人にそう告げて学校を出てきた。

斗亜

グラウンドから野球部の声が聞こえる。

斗亜

ふと前を見ると可愛らしい人がベンチに座っていた。

らむね

｢ふんふふ〜ん🎶｣

斗亜

よく見るとウチの高校の制服を着てる。高校生にはとても見えないけど､､､？

斗亜

するとその子と目が合った。その子は嬉しそうな顔をしてこちらに歩いてきた。

らむね

｢おねーさん、もしかして斗亜？｣

斗亜

｢う、うん｣

斗亜

どうして私の名前を､､､？知り合いにこんな子、いたかな？

らむね

｢おねーさん、付き合ってるんでしょ？｣

斗亜

｢な、なんで知って､､､｣

斗亜

怖い。目に光が入っていない。この子はほんとに生きている子なの？

らむね

｢えっへへ、ボクにはぜーんぶお見通しなのさ！｣

斗亜

無邪気さとは裏腹にどこか恐怖を感じる。さあっと血の気が引くのがわかった。

斗亜

｢なにか、用？｣

らむね

｢おねーさん、何か悩みはなーい？｣

斗亜

｢悩み、、、？｣

斗亜

想定外の質問だ。悩み、悩み､､､。私は1つ見つけた。

斗亜

｢愛…姫原愛が大っ嫌い｣

らむね

｢わーぁ、なるほどなるほど！じゃあさ｣

らむね

｢愛にどうなって欲しい？｣

斗亜

またあの恐怖が戻ってきた。でも怖がれない。それどころか愛に対しての嫌悪、憎悪、そんなものが湧いてくる。

斗亜

｢死んで欲しい！！！｣

斗亜

｢あいつ、ずっとウザかったのよ！ただ家が近くて幼馴染ってだけで付き纏ってくるし！挙句の果てには瑛人と帰って､､､｣

斗亜

｢あいつなんかもうどうなっても知らない！！｣

斗亜

気持ちを爆発させて、この子にぶつけてしまった。どうしよう。

斗亜

｢あっ、、、ごめんなさい…｣

らむね

｢んーん、全然いいよぉ？ねぇ、愛のことさ、この悩み解決部の部長であるボクに、任せてくれない？｣

斗亜

｢悩み解決部､､､？｣

斗亜

そういえば、そんな噂流行ってたなぁ。でもほんとにあったなんて。これはYESしかない。

斗亜

｢もちろん、愛がいなくなるのなら。｣

らむね

｢…ｸｸｯ｣

斗亜

この子の小さく低い笑い声は私に届くことは無かった。

瑛人

｢すっかり暗いな｣

瑛人

この季節は暗くなるのが早い。いつも通っている道とはいえ、少し怖く感じる。

瑛人

足早に道を歩いていた、その時だった。

瑛人

腹部に猛烈な痛みを感じた。

瑛人

｢あっ、、、、！！｣

瑛人

刺された、、、？しかも倒れたあとも刺してくる。

瑛人

｢うぁっ、、あぁっ、、！｣

瑛人

刺される度に激痛が走る。まずい、死ぬのかな

瑛人

｢斗亜、、、、、、、｣

瑛人

それが最後の一言だった。

らむね

｢ふー、、、、第1任務かんりょー｣

姫原愛

はぁ、今日も斗亜と瑛人くんイチャイチャしてたな

姫原愛

｢ずるいよ、、、｣

姫原愛

とぼとぼと道を歩いてた、その時。

らむね

｢あーい！｣

姫原愛

｢らむねさん！｣

姫原愛

どうしてここにいるのか、という疑問は浮かばなかった。

らむね

｢あのね、斗亜にもね、聞いてみたんだ！｣

姫原愛

｢えっ、、？｣

らむね

｢あはは、そんな怯えないで！｣

らむね

｢でね、斗亜の願いは愛がいなくなること！｣

姫原愛

｢っ！！｣

姫原愛

どういうこと、、？なんで斗亜に？しかも私が､､､､

らむね

｢でもね、愛の願いは瑛人と付き合いたい。ならさ｣

らむね

｢天国で付き合いなよ!!｣

姫原愛

｢はぁ？！｣

姫原愛

何を言ってるの？思わずカッとなった。

姫原愛

｢何言ってるの？！｣

らむね

｢だってさー、どちらか一方だけの願いを叶えるなんて可哀想じゃない？｣

らむね

｢でね、斗亜は瑛人と居ることよりもキミの死を望んだんだ。だから、ね？｣

姫原愛

｢待ってよ、、、私を殺すってこと？｣

らむね

｢そゆことー！でも、瑛人も死んじゃったから一緒だよ！｣

姫原愛

｢えっ、、、瑛人くんが、、、？｣

らむね

｢さあさ、御託はいいから、ね｣

姫原愛

嫌だ、おかしい。この人は何を言ってるの？どうして瑛人くんが？どうして私が？おかしい。こんなの望んでない。

らむね

｢じゃあ、天国でお幸せに〜！｣

姫原愛

｢そんな事したら犯罪！！｣

らむね

｢犯罪〜？さあ？よく分かんないけどボクには通用しないよ？｣

姫原愛

は？もう何もかも分からない

姫原愛

｢いやっいやだ、お願い、誰か！！｣

グサッ

姫原愛

｢きゃああっ、、｣

姫原愛

痛い。ああ、ほんとに死んじゃうのかな。瑛人くんと一緒って言ったって、こんな形じゃ嫌だよ！

姫原愛

｢斗亜、、、、、｣

姫原愛

もう何も見えなくなってしまった。

らむね

｢よーし、任務かんりょー。｣

らむね

｢全く、最後は大嫌いな親友の名前を呼ぶなんて……。よく分かんないなぁ、ほんと｣

担任

｢昨夜、姫原愛さん、相口瑛人さんが亡くなりました｣

斗亜

｢ううっ、、、、｣

斗亜

瑛人、、、、どうして？

斗亜

愛はともかく、なんで瑛人も？昨日の出来事が思い出せない

担任

｢犯人は未だ分かっていないそうです。何か分かることがある人がいるなら、、、｣

斗亜

昨日、誰と何を話したんだっけ。それすらも思い出せない

斗亜

どうしてこんなにも昨日のことを思い出せないの？

『悩み解決部』、本日も活動中

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たまそらね

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