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——佐藤樹、放課後、生徒会室まで来なさい。
その放送が流れた瞬間、クラスがざわついた。
モブA
佐藤
放課後。
いつもは教師さえ入りにくいとされる、生徒会室。
佐藤
ドアを開けた瞬間、目の前にいたのは、メガネで顔立ちが整っていて書類に目を落とす生徒会長・黒瀬遥斗(くろせ はると)だった。
黒瀬
佐藤
黒瀬
遥斗は顔を上げ、真っ直ぐに樹に見据えた。
佐藤
黒瀬
樹の胸が、一瞬だけ跳ねた。
遥斗は立ち上がり、ゆっくりと距離を詰めてくる。高身長で、目つきが鋭い。まるで、逃げ場のない檻に入ったみたいだった。
黒瀬
佐藤
黒瀬
その低く、強い声に、樹の背筋がゾクッとした。
佐藤
遥斗が机に手をつき、樹に顔を近づける。
黒瀬
—音もなく、樹の世界が少しだけ傾いた。