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扉の先は石畳と石レンガの薄暗い通路だった。

ユウゴ

こういう道を通ると、入学試験を思い出すね

ユトリ

そうですね

アルクやユトリ、シシロウと出会ったのが入学試験の時だった。

ユウゴ

あれって夢だったんだよね?

ユトリ

でも、はっきり覚えていますし、今に続いている。

ユトリ

不思議な感じがしますね

ショウリ

それも魔法ってことだろ?

メイカ

魔法便利すぎ

4人で話しながら、薄暗い通路を歩いていく。

ガイド妖精の扉で別の場所にワープするのも、すっかり当たり前のように受け入れているけど、これだってすごい技術だ。

ぼくも魔法を本格的に学んだら、こんな魔法が使えるようになるのだろうか。

通路を出た先に、広めの部屋があった。

そこにホマレとガイド妖精が待っていた。

ユウゴ

ホマレ、なんでここに?

ホマレ

私もリバ戦に参加いたしますので、ここで待っていましたの

ユウゴ

そうなの?

ホマレは負け知らずなイメージがあったけど。

ホマレ

先ほどアミ戦で料理対決をしたのですが、火加減を誤ってしまいコンロごと焼失させてしまいましたの

ユウゴ

どういう間違え!?

ガイド妖精

これで5人がそろったな

ほく達が到着したのを確認し、ガイド妖精が音声を発した。

ガイド妖精

リバイブ・サバイバルは、君達5人て1チームとなって参加する、特別なアミキティア・サバイバルだ

ガイド妖精が、リバ戦のルールの詳細を説明し始めた。

【リバイブ・サバイバル(退学リーチ生徒救済処置)】 ・参加した時点で、ペナルティは0にリセットされる。 ・5人1チームとなって迷宮を進む。 ・5つのブロックがあり、競技の前に難易度の2択選択がある。 ・難易度2択で、投票者が少数だった難易度で、投票した者だけで競技を行う。 (1:4の場合1人、2:3の場合2人) ・クリアできればポイント獲得。未クリアでもペナルティ無し。 ・クリア時のポイントは、  第1ブロックは1、  第2ブロックは2、  第3ブロックは3、  第4ブロックは4、  第5ブロックは5。 ・2択の結果が0:5だった場合、そこで終了する。

ガイド妖精

……以上だ。

ガイド妖精

私は常に同行するので、不明点があれば道中にいつでも質問してくれ

ユウゴ

ポイントって普段のポイントにそのまま足されるの?

ガイド妖精

そうだ

ユウゴ

それじゃ、ぼくは今6ポイントなんだけど、もし第4ブロックでクリアすれば4ポイント足されて、10ポイントになるってこと?

ガイド妖精

そうなるな

ホマレ

それは、とてもお得ですわね。

ホマレ

私は4ポイントですから、第1と第5ブロックをクリアすれば、10ポイントになって、ブロンズクラスに昇格ですわ

ユトリ

そんな簡単に行くでしょうか?

はやるホマレに、ユトリが心配そうな声を上げる。

ホマレ

あら、私の計算のどこかに間違いがありまして?

ユトリ

いえ、計算はあっていますけど、クリアできればと言うのが難しいと思うんです

そこはユトリの言う通りだと思う。

普段のアミ戦は、通常クリアしても1ポイントしか貰えない。

5ポイントも貰えるということは、競技自体が5倍難しいということに他ならない。

ショウリ

そのための難易度2択じゃないかな?

ショウリ

うまく選択できれば、簡単な難易度で大量得点もあり得るかもしれない

メイカ

そーだよ。ショウリの言う通りだよ

ショウリの言葉にメイカも賛同するけど、どこまで理解しているのか。

ユウゴ

そのためには、ポイントを稼ぎたい人が難易度2択で少ない方を選ばないといけないってことだよね?

簡単な方がクリアしやすいけど、みんながそう思えば、少数派は難しい方になる。

かと言ってポイント欲しさに難しい方を選んでも、クリアできなければ意味がないどころか、他の人のチャンスも潰してしまう。

リバイブ・サバイバル。

救済処置の名前とは裏腹に、普段のアミ戦以上に、知略や運に左右されそうだ。

ユウゴ

みんなの今のポイントを確認しておこうか?

ユウゴ

難易度2択の投票の指針になるかもしれないし

ガイド妖精

一応言っておくが、難易度2択を相談して決めるのは失格だぞ

ユウゴ

そんなことはしないよ

したかったけど。

ユウゴ

ぼくは6ポイント

ショウリ

ぼくは4ポイントだよ

ショウリは元々、あまりアミ戦はしていないから、退学リーチになるまでは4連勝していた。

メイカ

あたしは9ポイント!

メイカはアミ戦が強いとは聞いていたけど、自力でブロンズクラスにリーチまでいっていたのか。

ホマレ

私は4ポイントですわ

ホマレもショウリと同じく4ポイント。

メイカがちょっと不満そうに、ホマレの横顔をにらみつけている。

ユトリ

私は、2ポイント、です

最後にユトリが申し訳無さそうに言う。

メイカ

1番弱いのはユトリかぁ。

メイカ

あたし達の足を引っ張らないでよー

ユトリ

は、はい……

ユトリ

いえ、はい……

ユトリがいつも以上に小さい声で、メイカに答える。

ほとんどアミ戦をしていないから、ポイントが少ないだけなんだけど。

ショウリ

メイカ。
これからチームで頑張るんだから、そんな言い方をするんじゃないの

メイカ

ふーん

そっぽを向くメイカ。

いつもは素直にショウリの言うことを聞くのに、ユトリが関わった時だけは、こんな反応になる。

この2人は初めてのアミ戦以来、ちょっとギクシャクが続いている。

ホマレ

無理に友好的にすることはありませんが、競技が始まれば協力せざるを得ないということは、心得ておいてくださいまし

メイカ

ふーん

たしなめるホマレに対しても、さらにそっぽを向くメイカ。

機嫌が治るまでは、しばらくかかりそうだ。

退学リーチが無くなっただけでもありがたいけど、できるならポイントも稼ぎたい。

しかし、チームは今のところまとまっていない。

ガイド妖精の案内にしたがって出発し、リバイブ・サバイバルがはじまった。

アミキティア魔法学校の闇

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