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お父さん
今日が始まった
佐伯莉央
チーン チーン
お母さんの仏壇に手を合わせてから家を出る
ガチャ
佐伯莉央
お父さん
佐伯莉央
お父さん
佐伯莉央
お父さん
高校生になってもお父さんのことが好きって変だと思われるかもしれないけど
私は違う
教室に行くと、今日も私が一番乗りだった
授業の準備をしていると先生が入ってきた
麻生先生
佐伯莉央
麻生先生
佐伯莉央
私が言うと先生が少し笑った
ここで1つ、疑問に思ったことがある
佐伯莉央
麻生先生
佐伯莉央
私がこれまで思ってきたことを先生に聞いてみた
佐伯莉央
麻生先生
先生が固まった
でもしばらくして大爆笑された
佐伯莉央
麻生先生
佐伯莉央
真剣だった
麻生先生
佐伯莉央
麻生先生
先生が私の顔をじっと見つめてきた
佐伯莉央
麻生先生
それが嫌だ
佐伯莉央
瞬間
教室のドアが思いっきり開けられた
坂口狂
昨日の人だった
坂口狂
八代美奈
坂口狂
西森葵
麻生先生
麻生先生
みんなが私を見た
佐伯莉央
麻生先生
心の中でちょっとカッとなった
でも私はその気持ちを押し殺した
佐伯莉央
佐伯莉央
麻生先生
佐伯莉央
麻生先生
先生はめんどくさそうに言った
佐伯莉央
麻生先生
それに反応したのは坂口くんだった
坂口狂
でもそれは八代さんにとめられた
八代美奈
先生は教室から出ていった
私達も、授業の準備をした
人と関わるには、
その人たちのその人達とのやり取りしやすい環境が必要になる
そんなことをしてでも、仲良くなろうとする
自分にとって何が大事なのか考えようともせずに
思いついた言葉を言っていると、質問だらけになってしまう
人と関わると、 聞きたいことが多くなる
それは疑問に思うことがあるから
答えを知りたくなるんだ
昼休み
私はお父さんが作ってくれたお弁当を屋上で食べていた
瞬間
バンッ
屋上のドアが急に開かれた
坂口狂
八代美奈
佐伯莉央
佐伯莉央
八代美奈
坂口狂
佐伯莉央
佐伯莉央
みんなが黙った
その空気に耐えられなくなって、教室に戻ることにした
一人で食べるより、みんなで食べた方が美味しいことなんてわかってる
でも、関わりたくない
麻生先生
佐伯莉央
先生はデリカシーというものありますか?
佐伯莉央
麻生先生
麻生先生
佐伯莉央
佐伯莉央
麻生先生
佐伯莉央
麻生先生
もう、いいよ
佐伯莉央
麻生先生
佐伯莉央
佐伯莉央
自分でも何言ってるんだかわからなくなった
だから、先生に何度も言い返した
麻生先生
佐伯莉央
麻生先生
麻生先生
佐伯莉央
麻生先生
麻生先生
麻生先生
麻生先生
麻生先生
先生の目が真剣だった
でも、信じられなかった
佐伯莉央
麻生先生
ご飯を食べたかっただけなのに、
先生に余計なことを話してしまった
人と関わるから
後悔することがある
それがその人にとって1番だと思っても、立ち直れない過去がある
その過去を知っているのは自分だけ
過去は変えられない
誰にも抗えないもの
私から全てを奪ったものは時間だった
帰り道
私は一人で帰っていた
でも、
西森葵
声をかけられた
振り返ると西森くんがいた
佐伯莉央
西森葵
佐伯莉央
西森葵
なんでそんなことが言えるの?
佐伯莉央
西森くんの背中に質問した
西森葵
振り返った西森くんの顔は先生の真剣な顔に似ていた
ガチャ
佐伯莉央
お父さん
佐伯莉央
お父さん
佐伯莉央
お父さん
佐伯莉央
お父さん
お父さんは不思議そうに私を見た
佐伯莉央
お父さん
お風呂は暖かくて、気持ちよかった
お風呂から上がるとお父さんが言った
お父さん
お父さん
佐伯莉央
手を合わせて2人で「いただきます」と言う
お父さんが作ったお母さんのカレーは甘くて美味しかった
佐伯莉央
お父さん
私は無我夢中で食べた
お父さんはその様子を見ていた
佐伯莉央
私が言うとお父さんは「はいはい」と言ってついでくれた。
お父さん
佐伯莉央
お父さん
佐伯莉央
お父さん
佐伯莉央
お父さんはいつも黙って私の話を聞いてくれる
佐伯莉央
佐伯莉央
佐伯莉央
泣きそうになった
怖かった 見捨てられることが
だからあの時は、答えられなかった
お父さん
佐伯莉央
お父さん
お父さん
お父さん
お父さん
佐伯莉央
お父さん
お父さんはいつも私を笑顔にしてくれる
佐伯莉央
お父さん
お父さん
お父さん
佐伯莉央
佐伯莉央
話を聞いてくれて嬉しかった
頼れる人がいるから、人間は前を向ける
自分のことを話して、立ち直れる
その時にちゃんと聞いてくれる人が自分にとっての父親だった
信じてみてもいいかもしれない
そう思えたのはお父さんがおかげだった
私は今日も学校に1番早く着いた
佐伯莉央
麻生先生
話そうと思ったから
佐伯莉央
麻生先生
佐伯莉央
麻生先生
佐伯莉央
中学の時
仲が良かった友達に彼氏が出来た
柴崎雫
佐伯莉央
柴崎雫
佐伯莉央
柴崎雫
ずっと仲がよかったから、見捨てられるなんて思ってもみなかった
雫の彼氏
佐伯莉央
雫の彼氏
佐伯莉央
そこを色目使ってるって思われたみたいで
柴崎雫
佐伯莉央
柴崎雫
それから毎日、雫にいじめられた
たまに許したかと期待したけど、そんなものは全部幻だった
佐伯莉央
麻生先生
麻生先生
麻生先生
佐伯莉央
麻生先生
佐伯莉央
麻生先生
佐伯莉央
麻生先生
佐伯莉央
麻生先生
佐伯莉央
変態?私が?
私が?
佐伯莉央
麻生先生
佐伯莉央
人と関わることは悪いことじゃない
自分を変えることが出来るのは 自分じゃなくて、気づいてくれる人がいるから
人と関わるといつも驚かされる
人と関わることが楽しくなってきた
昼休み、屋上へ行った
バンッ
思い切ってドアを開けたけど、西森くん達はいなかった
今日は諦めよう
瞬間
バンッ
いきなりドアが開いてびっくりしたけど、ちょっと嬉しかった
坂口狂
坂口狂
八代美奈
西森葵
坂口狂
八代美奈
西森くん達だった
言おうと決めたことは変えられない
だから、自分なりに頑張ってみようと思えた
佐伯莉央
坂口狂
八代美奈
佐伯莉央
佐伯莉央
ちょっと間があった
どうしよう、引いたかな?
坂口くんが言った
坂口狂
佐伯莉央
坂口狂
八代美奈
西森葵
坂口狂
西森葵
八代美奈
西森葵
佐伯莉央
嬉しかった
みんなといられるってだけでこんなに嬉しいことを知った
私は、1人じゃないんだ
坂口狂
八代美奈
西森葵
佐伯莉央
今日も明日も10年先も
私はきっと君たちといたいって思ってる
こんなに気持ちは知らなかった
教えてくれてありがとう
友達になってくれてありがとう
1人を4人にしてくれてありがとう
たくさんのありがとうは
きっといい思い出に繋がる
新しい私の第1歩なんだ
放課後
私たちはみんなで帰った
もうすぐでコンビニなのに坂口くんはわがままを言う
坂口狂
坂口くんは食いしん坊
八代美奈
坂口狂
八代さんはみんなのお母さん
西森葵
坂口狂
坂口狂
西森葵
坂口狂
西森葵
西森くんはどんな人?
2人がコンビニまでダッシュをしているとき、八代さんが耳元で言った
八代美奈
佐伯莉央
嘘をついてしまった
八代美奈
八代さんがもう片方のバッグから女子の私物を取り出した
佐伯莉央
八代美奈
佐伯莉央
八代さんは優しい
八代さんはセンスがいい
坂口くんは足が速い
2人のことはわかるのに、西森くんは分からないことだらけだよ
ピロリロリローン ピロリロリーン
坂口狂
西森葵
坂口狂
西森葵
坂口狂
八代美奈
佐伯莉央
坂口狂
西森葵
八代美奈
佐伯莉央
八代美奈
みんなが驚いている
どうしてそんなにびっくりするのだろう?
八代美奈
坂口狂
坂口狂
西森葵
佐伯莉央
西森葵
西森くんはテキパキと会計を済ませた
どっちがいいか、匂いで決めよう
佐伯莉央
西森葵
私は袋から肉まんとピザまんをだし、匂いを嗅いだ
佐伯莉央
坂口狂
八代美奈
西森葵
佐伯莉央
西森葵
坂口狂
西森葵
お会計をしようとしたけど、横から西森くんが入ってきた
佐伯莉央
西森葵
佐伯莉央
西森葵
佐伯莉央
そう言って肉まんを渡された
西森葵
佐伯莉央
佐伯莉央
西森葵
佐伯莉央
西森くんは優しい…
かもしれない
イートインスペースで食べたあと、私たちはそれぞれの家に帰った
ガチャ
佐伯莉央
今日のことを報告しようと思ったのに、お父さんがいなかった
代わりに机の上に手紙があった
内容は
「莉央へ おかえり お父さん、今日も残業で忙しくなる。ご飯は作れなかった。すまん!オムライスでも作って食べてくれ ちゃんとお風呂はいってから寝るんだぞ 仕事頑張ります! おやすみ」
冷蔵庫の中を見た
卵がなかった…
駅前のスーパーに買いに行くことにした
外は雨が降っていて不気味だった
不良A
不良A
佐伯莉央
後ろから声をかけてきたのはこの前の不良Aだった
佐伯莉央
不良A
不良A
手を引っ張られた
心臓がドクンと強く動いた
バクバクと心臓の音が聞こえてくる
佐伯莉央
佐伯莉央
不良A
瞬間
いきなり手の力が抜けた
不良Aの腕は、救世主によって掴まれていた
救世主
救世主
不良A
救世主
佐伯莉央
不良A
救世主
違うの?
救世主はポケットから何を取りだしたがら言った
救世主
不良A
救世主
救世主は不良Aにスマホの画面を突きつけた
不良Aは、完全に動揺していた
不良A
そう言って、夜の街に消えていった
救世主
佐伯莉央
ガクッ
佐伯莉央
足の力が抜けて崩れ落ちた
同時に傘ですら落としてしまった
救世主
佐伯莉央
救世主が軽く私を抱きしめてくれた
救世主
佐伯莉央
ありがとうの言葉が私の涙を強くした
そのあとは
救世主の家に上がらせてもらうことになった
救世主
佐伯莉央
タオルを渡された
救世主
佐伯莉央
救世主
私がモタモタしていると、救世主が私からタオルを取り上げた
救世主
佐伯莉央
椅子に座らされた
救世主はそのまま何も言わずに私の髪を乾かしてくれた
佐伯莉央
救世主
ちょっと間があって救世主が言った
救世主
佐伯莉央
救世主
佐伯莉央
救世主
佐伯莉央
そしてまた間があった
救世主
佐伯莉央
救世主
佐伯莉央
救世主
佐伯莉央
救世主
佐伯莉央
さっきから、なんだろう?
佐伯莉央
救世主
瞬間
ガチャ
部屋のドアが開いた
西森葵
佐伯莉央
救世主
佐伯莉央
西森響鬼
佐伯莉央
西森葵
佐伯莉央
西森葵
佐伯莉央
西森葵
西森葵
佐伯莉央
佐伯莉央
自分でも知らなかった理由を聞くと
西森響鬼
佐伯莉央
西森葵
佐伯莉央
西森葵
西森葵
佐伯莉央
西森葵
佐伯莉央
バタン
男の人と2人っきりは初めてだった
西森響鬼
響鬼さんは私が座っていたコロコロイスを自分の方へと向け顔を近づけてきた
佐伯莉央
西森響鬼
佐伯莉央
西森響鬼
佐伯莉央
西森響鬼
佐伯莉央
これを信じていいのか、分からなかった
ちょっとした事でも
考えたり、落ち込んだりする
つまんなくても大爆笑するのと一緒
人生には何があるのかわからない
占いでも預言者でも
未来は変えられるんだから
だったら、知ってみたい
今ある自分に何が出来るのか
何が必要なのかを
確かめてみる価値はあると思う
一瞬一瞬が
かけがえのないものになってくるんだ