佐野晶哉
あ、そういえば誠也くん知り合いって言ってましたもんね
そういえば、なんで小島って俺のこと知っとるん?
記憶消したはず、よな…?
末澤誠也
…帰ろっかな
小島健
待って
なんで、止めるんよ。
“忘れたい”って
思ったのに、
“好き”って気持ちが強まるやん。
末澤誠也
なに
小島健
いや、えっと、元気にしてましたか?
末澤誠也
まぁ
小島健
良かった
…なんやねん。死んだとでも思っとったんか。
って、正門だったらツッコめたんかな。
それから何故か沈黙が数秒間続いた。
佐野晶哉
あのぉ…ここで話すのもアレなんで中で話したらどうです?
末澤誠也
せやな
と、最初は話す気はなかったが、いつの間にか小島に会えた喜びの方が強かった。
別れたときに連絡先も切っていて、一年間全く話していなかったから。
それから小島に席を案内された。
佐野晶哉
何食べます?
末澤誠也
んー、じゃあここのオススメで
佐野晶哉
分かりました~
すると、晶哉は行ってしまった。
つまり、小島とほぼ二人だけ。
そして、小島に一つだけ聞きたいことがあった。
末澤誠也
小島はさ、
末澤誠也
俺のこと忘れてた?
小島の記憶は消したはず。
なのに、なんで?
小島健
ごめん
末澤誠也
じゃあ、どうして思い出したん?
攻めた言葉だってことは分かっていたけれど、
気になって仕方がなかった。
小島健
最近不意にフラッシュバックみたいな感じで
小島健
誠也くんのことを思い出した
小島健
なんか、忘れるなって訴えっけているようだった
末澤誠也
…そっか
こんなことって、あるんやな。







