ヨウコ先生
今日の授業は肩にリスを乗せて詩を朗読します。
川野エミコ
人の家に来て何言ってるんですか
ヨウコ先生
あなたは私の本当の姿を見てしまったの。だからこうするしかないのよ。
川野エミコ
警察呼びますよ
ヨウコ先生
できるものならやってみなさい
エミコはヨウコ先生を押しのけて玄関から出て行った。
ヨウコ先生
エミリー待ちなさい!
川野エミコ
誰ですかエミリーって
ヨウコ先生
ヨウちゃん先生の可愛い教え子よ
川野エミコ
その名前で呼ばれたことないです
ヨウコ先生
ヨウちゃん先生とエミリー二人だけの秘密よ。
川野エミコ
恐いので交番行きますね
ヨウコ先生
待って!
エミコは待たなかった
ヨウコ先生
エミリー!今日の献立はカレーね!
川野エミコ
違います!シチューです。
ヨウコ先生
夏休みになってから毎日会うわね
川野エミコ
不思議と私の行く先々にいますね
川野エミコ
そういえば先生のリス元気ですよ
ヨウコ先生
あなたのところにいるの?
ヨウコ先生
あのリスは特別な人にしか懐かないのに...…
川野エミコ
先週家に来たときからいます。持ち帰ってください。
ヨウコ先生の胸元からリスが飛び出して右肩に乗り誇らしげな表情でエミコを見つめた
ヨウコ先生
リスが1匹しかいないと思った?
川野エミコ
ええ?
ヨウコ先生
あなたは既にリス詩人会の一員よ。世界平和のために活躍なさい。
川野エミコ
ええええ?
川野エミコ
明日も学校行かなきゃ
ヨウコ先生
元気出すのよエミリー!ヨウちゃん先生も頑張るわ!
川野エミコ
なんでこんな時間に我が家にいるんですか
ヨウコ先生
私が新しいお母さんだからよ
川野エミコ
ええ?
ヨウコ先生
この人が新しいお父さんよ
石崎誠
始めましてエミリー、よろしく
川野エミコ
誰ですか。
ヨウコ先生
石崎誠さん。リス詩人会の幹部よ
川野エミコ
悪夢でも見てるのかなあ
ヨウコ先生
夢でも幻でもないわ。現実よ。
川野エミコ
眠いので明日にしてください
ヨウコ先生
そうね。今日はこれくらいにしておく。
川野エミコ
おやすみなさい
ヨウコ先生
じゃあまた明日ね
ヨウコ先生と石崎誠は窓から外へと出て行った。どうやって入ったかは分からないままだった