監禁げーむ

3日目

今日の朝のこと

昨日買ってきたセキュリティアイテムを設置しよう！

と、俺は少しワクワクしながら取り付けの準備をしていた

取り付けの最中にふと、昨日のことを思い出す

気になって探し始めるが、思い当たる所にはなく…

取り付けていたものを投げ出し、探す

だんだんと焦り始める

どこだった…？俺、昨日どこに置いた？

最後に見たのはどこだった？

そして現在……

俺はこの監禁ゲーム3日目にして

家中を掃除していた

部屋を汚くしたわけではないのに…

面倒くさいけど見つからなければ本当に困る

なぜなら…

そう、昨日マーダーにつけた手錠の鍵を無くしたからだ

マーダーを監禁している部屋

無くしたとすれば、そこが1番可能性が高い

可能性の高いところを最後にした理由

無くしたとバレれば、あいつに馬鹿にされるからだ

階段を下り、鍵のかかった扉を開ける

そう言いながらさっと部屋を見渡す

見えるところに鍵は無さそうだ…

早速言い当てられてギクリとする

我ながら、咄嗟に良い言い訳ができた

この言い訳なら部屋を堂々と探せる！

ど正論をかまされた

俺の目をじっと見つめてくるマーダー

言い訳はもう通じそうにない…

開き直るしか方法は思いつかない

呆れたような、疲れたような顔でそう言うマーダー

明らかにバレる嘘でももういい

手錠に繋がった鎖を外し、マーダーを部屋から出す

殺風景な部屋には俺1人となった

マーダーから部屋を出ていってくれるなんて…！

ホラーに鎖を外され、部屋の外へと出される

想像していたよりすんなりと出られたことに不安になる

あの部屋は広くない

ホラーが調べ終わるのも早いはずだ

監禁部屋の扉の前には階段

足音を鳴らさないように静かに上る

少し考えてから家の中を調べ始める

しかし、すぐに戻れるように出てすぐのリビングを探す

棚の中に、まだ使われていない、巻かれた針金の束があった

近くにあったニッパーを使い、針金を数本切り取る

ライターを手に取り袖の中に隠す

そう思って後ろを振り返ると、机の上に置いてあるものに目が留まる

そんなことを考えていると大きな物音が聞こえた

音を立てないよう階段を降り、監禁部屋の扉の前に何事もなかったかのように立つ

絶対に隠そうとする頑固さに思わず笑ってしまう

部屋に入れられ、鎖をつけ直される

ホラーは俺の手首にかかっている手錠をじっと見つめ、落ち込んだ様子でため息をつく

朝食の存在を思い出した途端にすごい速さで部屋から出ていった

あまりの食への執着の強さに、一周回って少し感心してしまう

ポケットの中の小さな鍵を取り出す

昨日、殴るふりをしてホラーの気を逸らし、取った手錠の鍵だ

ドタバタと足音が近づく

とりあえず鍵をポケットにしまい直した

パンの入った袋と皿、そしてジャムを床に置く