テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
1件
初コメ失礼します✋🏻✋🏻 陰ながらずっと見てました👀 前のアカウントから?かな!!及川さんを落とす物語とか!個人的におみおみ(とまちゃんのやつ)とあつむ(プルースト)とふたくち(許嫁)とくにみちゃん(元彼だったけど記憶無くしたやつ)とすな(200%)の作品が好きで何回も見返してます!でもきんにくまんさんの作品はどれも好きです✨今回の作品もこれからどのようになるか楽しみでウキウキしてます🎶応援してます🌟
夜は正しい。
私はそう思うことで自分を保っていた
夜に比べて昼の町は曖昧
笑顔の裏に感情が隠れて
誰もが正しい振りをする
けれど、夜は違う
光に照らされるものと
影に沈むものがはっきりと見える
警察官という仕事は
夜によく似合っている
パトカーを降り
路地に足を踏み入れる
湿ったアスファルト
ネオンの看板が必要以上に眩しい
路地裏には
壁にもたれ掛かる少年がいた
細身の体
乱れた制服
煙の匂いが風に乗って流れてくる
〇〇
○○が声をかけると
少年はゆっくりと顔を上げた
目が合う
思ったよりも冷えた目をしている
小さく吐き捨てる様に言った
〇〇
と制服に言って目をやる
〇〇
〇〇
淡々と告げると
少年は肩を竦めた
○○は一瞬黙り込んだが
説教をするつもりはない
感情を挟まず必要なことだけを確認する
〇〇
二口
二口
二口
口調は荒いが言葉は嘘をついていない
その事実が
何故か印象に残った
〇〇
二口
二口
〇〇
二口
反抗的な態度
けれどその奥にあるものを探ろうとはしない
まぁ...それは私の仕事じゃないし
手帳に書き込みながら○○はそう思った
この少年は“助けを求める顔”をしていない
だから
踏み込まない
その距離感が彼を逆撫でしたらしい
二口
唐突に声をかけられる
二口
二口
二口
低い声だった
怒りというか
諦めに近い
○○のペン先が僅かにとまった
それでも顔はあげない
〇〇
それ以上でもそれ以下でもない
少年は短く笑った
二口
二口
楽という言葉が胸に引っかかる
○○はその違和感をすぐに仕舞い込む
補導手続きは問題なく終わる
保護者への連絡
形式的な注意
夜は静かに進んでいく
別れ際少年がると足を止めた
二口
〇〇
二口
〇〇
二口
規則では名乗る必要はない
それでも○○は1拍置いてから答えた
〇〇
苗字だけ
それで十分だと思った
二口
少年は1度だけその名前を口にして
口角を上げた
二口
それが褒め言葉かどうか
分からないまま少年は背中を向けた
その背中は妙にまっすぐだった
帰り道
パトカーを走らせながら
○○は考えないようにしていた
さっきの会話
少年の目
毎日変わらない夜
変わらない仕事
正しいことをているという確信
それなのに胸の奥に
なにか小さなヒビが入ったような感覚が抜けない
夜は正しい
でも正しさの中に回収しきれない感情がある
○○は前を向いた
この夜がただの一件で終わると
まだ信じていた