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Re:んネ

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Re:んネ

11 - Re:んネ «第9話 前編»

♥

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2020年03月18日

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«帰路 車内»

来た時に見た景色が

私たちの後ろに帰っていく

シズマ

ハルナ

これから…

ハルナ

どうしましょっか…?

シズマ

そーだな…

シズマ

日を改めて

シズマ

もう一度

シズマ

あの牧場に向かって
みるしかないだろうな

シズマ

情報もそこそこ集まった

シズマ

後は

シズマ

カタをつけるしかない

ハルナ

それって…

ハルナ

リンに会うって
ことですか?

シズマ

あぁ

シズマ

会えるかは
分からないけどな

シズマ

話し合いが通用する
相手とも思えないが

シズマ

もし〝そう〟なったら

シズマ

シズマ

やるしかない

ハルナ

シズマ

どうした?

ハルナ

私…

ハルナ

分からないんです…

ハルナ

どうしたらいいのか

ハルナ

リンって…

ハルナ

本当に…

シズマ

シズマ

辛いよな

ハルナ

え?

シズマ

道の先を見つめてただ運転する シズマさんは

それ以上

何も言わなかった

日も暮れてきた

道のりの半分ほどのところで

ぐぅ…と腹がなる

ハルナ

お腹空きましたね…

シズマ

そういやそーだな

シズマ

夕飯には少し早いが

シズマ

どこかで
飯でも食べてくか

ハルナ

奢り?!

シズマ

仕方ねーなぁ笑

ハルナ

やった!!!

シズマ

何が食べたい?

ハルナ

ステーキ!!!!

シズマ

テンプレみたいな
受け答えしやがって…

シズマ

イタリアンな

ハルナ

結局シズマさんが
決めるんかい( ・᷄ὢ・᷅ )

シズマ

イタリアン好きだろ?

ハルナ

めちゃんこ好き

シズマ

久しぶりに…

シズマ

ちゃんとした
パスタを食べるな…

大盛りボロネーゼを フォークでクルクルと巻きながら

シズマさんがそう零した

ハルナ

思えば
シズマさんって普段

ハルナ

ちゃんとしたご飯
食べてるんですか?

シズマ

まぁ…

シズマ

コンビニ飯が多いなぁ

ハルナ

奥さんは?

シズマ

ハルナ

ハルナ

ご結婚は…

シズマ

シズマ

内緒

ハルナ

めっちゃ怪しい…!!

シズマ

お子ちゃまには
まだ早いんだよ笑

ハルナ

誰がお子ちゃまですか!?

ハルナ

失礼しちゃう

ハルナ

もう十分大人で…

シズマ

食後にパフェ食うか?

ハルナ

食べる!!!

シズマ

ほら…

シズマ

お子ちゃまだろ?笑

ハルナ

んなっ…?!

シズマ

いい大人は物に
釣られないんだぜ

シズマ

知ってたか?笑

ハルナ

じゃ…じゃあ…

ハルナ

パフェ…

ハルナ

い、いらな…

シズマ

シズマ

…本当に?

ハルナ

ハルナ

……

ハルナ

…る

シズマ

なんだって?

ハルナ

食べる!!!

シズマ

笑笑

ハルナ

美味しかったなぁ

シズマ

いい店だったな

ハルナ

ちょっと食べ過ぎたかも…

ハルナ

眠い…

小刻みに揺れる車の振動が

ゆりかごのようで 心地がいい

シズマ

欲に忠実なやつだな

ハルナ

それが私です笑

シズマ

ったくよ笑

シズマ

…まぁ

シズマ

そろそろ山道に入るし

シズマ

別に寝てていいぞ?

シズマ

死ぬほど退屈だしな

ハルナ

いや

ハルナ

まだ大丈夫です笑

シズマ

そうか笑

ハルナ

それにちょっと…

ハルナ

聞きたいこともあって

シズマ

聞きたいこと?

ハルナ

こんな時じゃないと

ハルナ

多分聞けないから笑

シズマ

なんだよ?

ハルナ

その…

ハルナ

ハルナ

ユウト君の時も

ハルナ

今回の件も

ハルナ

どうして

ハルナ

助けてくれたんです?

シズマ

シズマ

…そりゃ

シズマ

それが俺の仕事だからだ

ハルナ

ハルナ

それだけ?

ハルナ

この仕事って

ハルナ

本当に

ハルナ

命をかけられる
ものなんですか?

ハルナ

しかも

ハルナ

今回に関しては

ハルナ

私個人のお願い
じゃないですか?

ハルナ

それなのに…

ハルナ

死ぬかもしれないって…

シズマ

シズマ

なんだ

シズマ

そんなこと
気にしてたのかよ

ハルナ

当たり前です

シズマ

…ふっ笑

シズマ

お前は

ハルナ

シズマ

時間の使い方だけは

シズマ

上手いみたいだな?笑

シズマ

まぁ…

シズマ

なんとなくは
分かるだろうが

シズマ

俺は幼い頃から

シズマ

霊を感じとれてな

ハルナ

まぁまぁ…

ハルナ

シズマさんですもんね

ハルナ

なんとなくは

シズマ

視ることだけは

シズマ

出来なかったが

ハルナ

ハルナ

はっ?!

シズマ

俺に霊視は出来ない

ハルナ

嘘でしょ!!?

シズマ

ほんとだ笑

シズマ

元々備わっていたのは

シズマ

霊感と霊聴だけだ

シズマ

霊聴って言葉は
恐らくないだろうが

ハルナ

まぁなんとなくは
分かります…

ハルナ

霊の声、
ですよね…

ハルナ

でも…

ハルナ

えぇ…?笑

ハルナ

衝撃なんですけれど…

ハルナ

だってユウト君は…

シズマ

まぁ聞け…笑

シズマ

それで

シズマ

この中途半端な
霊媒体質のせいで

シズマ

幼い頃は
かなり苦労してな

ハルナ

どうして?

シズマ

ハルナはこの間

シズマ

墓場で霊達に
たかられただろ?

ハルナ

わちゃわちゃしてましたね

シズマ

それを目を隠された
状態でされたら?

シズマ

助けを求める声が
ずっと聞こえても

シズマ

姿を視ることが
出来なかったら

ハルナ

ハルナ

無理…ですよ…笑

ハルナ

どうしてあげることも
出来ないし

ハルナ

何より…

ハルナ

怖いです…笑

シズマ

怖かったなぁ

シズマ

でもそれが
日常茶飯事だ

シズマ

メンタルも
やられてくる笑

ハルナ

ですよね…笑

シズマ

そしたらある日

シズマ

うちの爺さんが

シズマ

このボロい
眼鏡をくれてな

ハルナ

シズマさんの
お爺ちゃんが?

シズマ

あぁ

ハルナ

どうして?

シズマ

なんか知らんが

シズマ

かけたら視えたんだよ

ハルナ

何が?

シズマ

霊が

ハルナ

ハルナ

嘘だぁ笑

シズマ

だったらユウトも

シズマ

見えてないだろ?

ハルナ

確かに…

ハルナ

え、でも…

ハルナ

なんでそんなもの
お爺ちゃんが…

シズマ

知らん

ハルナ

はぁ?!

ハルナ

そこ大事ですよ?!笑

シズマ

第二次世界大戦が
うんちゃらかんちゃら

シズマ

言ってた気がするが…

シズマ

年寄りの話は長いからな

シズマ

途中から畳の目を
なぞって遊んでた笑

ハルナ

聞いとけよー!!笑

ハルナ

馬鹿ぁ!!!笑

シズマ

それはガキん時の
俺に言え笑

シズマ

今聞こうにも

シズマ

とっくの昔に
死んじまったし

ハルナ

めっちゃ
モヤモヤする…

シズマ

まぁそれで…

シズマ

視えたときに
気が付いたんだ

シズマ

未練を残してる奴らが

シズマ

こんなにもいるのかって

ハルナ

…あぁ確かに

ハルナ

私も驚きました

ハルナ

通学路にも
立ってるって…笑

シズマ

だろ?

シズマ

どこにでもいる

シズマ

知らぬ間に
奴らと肩をかすめてる

シズマ

……

シズマ

死にきれないんだ

シズマ

アイツら

ハルナ

ハルナ

それでその人達
助けたいからって…

ハルナ

成仏屋を始めて

ハルナ

命まで
賭けてるんですか?

シズマ

……

シズマ

アパートでお前に

シズマ

『霊に呑まれるぞ』
なんて言ったが

シズマ

恐らく一番
呑まれてるのは

シズマ

俺だ

ハルナ

シズマ

笑えるだろ?

シズマ

だから

シズマ

呑まれるのは

シズマ

死人なんかに

シズマ

命をかける
馬鹿なんてのは

シズマ

俺一人でいい

ハルナ

ハルナ

そんなの

ハルナ

本当に

ハルナ

馬鹿ですよ

シズマ

ハルナ

ハルナ

でも

ハルナ

ユウト君のあの手を

ハルナ

引いたあの時から

ハルナ

私も…

ハルナ

たぶん

ハルナ

その馬鹿みたい笑

シズマ

シズマ

馬鹿野郎

ハルナ

ふふっ笑

ハルナ

誰が馬鹿だこのやろ笑

«1時間後»

電灯が 一定間隔を刻んで過ぎていく

夕陽が落ち込むそんな時間に

比較的整備された山道に入り、

数十分、車を走らせた

左隣りを見ると

ハルナが静かな寝息で 小さく収まって寝ている

シズマ

ふっ

シズマ

さすがに
疲れたのか笑

シズマ

まぁ…

シズマ

かなり緊張も
してたしな…

シズマ

シズマ

ん…

シズマ

なんだ…

視界のやや右奥に

行きの時にも通った、 川をまたぐ白い大きな鉄橋が見える

のだが、

シズマ

警察…

シズマ

検問か?

橋の入口を塞ぐように パトカーと簡易的な柵がまわされ

2人の警官が誘導灯を持って

別の道へと車を送っていた

シズマ

検問でもないな

シズマ

…おいハルナ

シズマ

起きろ

ハルナ

…ん

ハルナ

どーしたんですか…

シズマ

少し停めるぞ

シズマ

どうも

車の窓を下げながら 警官に尋ねる

警官

あぁすみませんね!

警官

この橋、
今通れないんですよ

シズマ

何かあったんですか?

警官

あー…

警官

その…

シズマ

言えない事でも?

警官

いや…

警官

そうではない
んですけれど…

警官

警官

信じられないと
思うんですけどね?

警官

橋の中の、
見えますか?

シズマ

ん?

シズマ

シズマ

…はっ?

シズマ

なんだありゃ…

鉄橋に立つ 全ての電灯が

根元から

お辞儀をするように ぐにゃりと道の内側に折れ

橋を丸々塞いでいた

シズマ

何がどうなったら
こんな風に…

警官

ビックリするでしょ笑

警官

なんせ原因が
分からないもんだから

警官

説明もひと苦労で…笑

シズマ

いつから
なんですか?

シズマ

昼前はあんな事には…

警官

通報があったのは
2、30分前ですかね

警官

私も今朝
通ったんですよ笑

シズマ

シズマ

(何だこの
引っ掛かる感覚…)

シズマ

(気持ち悪いな)

シズマ

これでは
口頭だけじゃ

シズマ

信じる人も少ない
でしょうに…笑

警官

そうなんですよ笑

警官

何度馬鹿に
されたことか…

シズマ

はははっ…笑

警官

まぁとにかく

警官

しばらくここは
閉鎖になりまして

シズマ

そーですか

シズマ

…参ったな

シズマ

黒頭町へ行きたい
のですが

警官

黒頭…

警官

あぁ!それなら

警官

少し遠回りですが、

警官

この道を少し
引き返してもらって

警官

睡蓮ダムという所
に向かう脇道を

警官

しばらく
進んでもらえれば!

シズマ

そこからは?

警官

ほぼ道なりです笑

警官

ひたすら
山下るだけなので

警官

後は標識見てれば
行けると思います

ガタガタと

来た道をまた引き返す

車のヘッドライトが濃くなるほどに

夜もまた深くなっていた

シズマ

凄かったなあれ

ハルナ

どうしたら
あーなるんだろ?

シズマ

災害でも
ああはならないよな

ハルナ

緑の怪力大男でも
いたんですかね…

シズマ

ハルなんちゃらだろ
それ笑

シズマ

お前と一文字違い
じゃねぇか?笑

ハルナ

そーゆー事
言っちゃうんだぁ…

ハルナ

シズマさんもへし折り
ましょうかね…?

シズマ

勝てる気がしないな笑

ハルナ

まったく…笑

ハルナ

あっ

ハルナ

ダムへの分かれ道って
そこじゃないですか?

シズマ

看板が分かりやすいな

『←睡蓮ダムまでおよそ2.5キロ』

分かれ道に入ると

車の右横には 山の斜面がきた

その上には 帰りに通ってきた道がある

シズマ

そう言えば

シズマ

例のテストは
どうだったんだよ?

ハルナ

あー

ハルナ

期末ですか?

シズマ

あぁ

ハルナ

……

シズマ

無言で
察せられるな笑

ハルナ

違うんですよ!!

ハルナ

あの水玉オヤジが
変な問題を…

シズマ

なんだ水玉って

ハルナ

なんか

ハルナ

いつも水玉模様の
ネクタイしてるんです

シズマ

へぇー

シズマ

学校にそれを
着けてくるのも中々…

シズマ

俺なんかは
どう間違っても

シズマ

そのネクタイは
出来ないな笑

ハルナ

意外と似合うかも
しれませんよ?

シズマ

そうかぁ?笑

ハルナ

うんうん笑

シズマ

黒スーツに
水玉ネクタイって

シズマ

なんか
可愛くねーか?

ハルナ

良いじゃないですか笑

シズマ

いやだ笑

ハルナ

普段から
ムスッとしてるから

ハルナ

チャームポイントを
持った方がいーです笑

ハルナ

ほらっ

ペタッ

シズマ

なんだ俺のバッグに

シズマ

何貼ったんだ?

ハルナ

『火を吹く埴輪』
のステッカー

シズマ

なんてもの
付けてんだっ!?笑

ハルナ

へへへ笑

シズマ

…ん?

シズマ

……?

ハルナ

なんかさっきの
レストランで

ハルナ

パフェのおまけで
貰ったんですよ笑

ハルナ

今どきの
小中学生の間で

ハルナ

人気があるとか
ないとかみたいで…

シズマ

………

ハルナ

ハルナ

そんなに
傷つきました?!

シズマ

…違う

シズマ

シズマ

少し静かに頼む

ハルナ

ハルナ

…?

ハルナ

ねぇシズマさん

ハルナ

ちょっと車のスピード

ハルナ

出し過ぎじゃ…?

ハルナ

少しヒヤヒヤ
しちゃいます…笑

シズマ

ハルナ

…シズマさん?

シズマ

なぁ

シズマ

俺が児相で言ったこと

シズマ

覚えてるよな

ハルナ

はい…?

シズマ

シズマ

すまんハルナ

シズマ

俺たちはまんまと

シズマ

はめられたみたいだ

さらに

車のスピードが

上がっていく

不思議と この感覚には

どこか

〝身に覚え〟があった

ハルナ

…え

シズマさんが 何か少し諦めたように

車のバックミラーを睨みつける

ハルナ

……

ハルナ

はっ…!

後部座席をバッと見ると

そこには

「ほら」

「もっと上げよっか」

また更に

速度が上がっていく​───

ハルナ

う、うそ…?!

道の奥には

カーブのかかった ガードレールと

谷底

ハルナ

あぁ…

ハルナ

いや……

シズマ

ちっ…!

シズマ

ご丁寧にブレーキまで
ぶっ壊しやがってっ!

シズマ

ハルナッッッ!!!!!!!

シズマ

歯ァ食いしばって
頭を守れッッ!!!!!!!!

そのまま

シズマさんが

ハンドルを

思いっきり

左に切る

バランスを崩した車が

宙を舞いながら

横転していく

リンの高い笑い声

強い衝撃

スローモーションの様に

何度も何度も回転していく

車の中で

気持ちの悪い浮遊感が

私たちの身体を襲う

それが

私の

最後の

感覚だった

【to be continued】

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コメント

29

ユーザー

最悪だァリン〜ノω・、) ウゥ・・・

ユーザー

いやあああああああああ

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