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Re:んネ

12 - Re:んネ «第9話 後編»

♥

1,412

2020年03月25日

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何かが壊れる音がする

穏やかなあの日が黒になる

このままでよかった

変わらずにいたかった

だけれど

それは

気づかぬ内に

ミシミシと静かに軋んで

砕けて

呆気なく

崩れてゆく​​───

【Re:んネ 第9話 後編】

【ふたり】

流血表現が幾つかございます

苦手な方はご注意ください

パ キ ッ

ズ ル ッ……

ズ ル ズ ル ッ

いっ…

シズマ

おいっ…!

シズマ

ハルナッ…!

ハルナ

うっ…

ハルナ

うぐっ…

ハルナ

ゲホゲホッッ!

シズマ

無事か?!

ハルナ

は…い……

シズマ

よかった…

シズマ

シズマ

ちっ…クソッッ!!

ド ン ッッ !!!!!

ド ン ッ ッッ !!!!!!!!!!

シズマ

…っ!?

シズマ

コイツ…
なんで弾を…?

キンとした強い耳鳴りの隙間から

シズマさんの声と

数回の激しい銃声が聞こえた

シズマ

立てるか?!

意識が少しずつ 確かになっていくと

腹を向け 煙を上げた車から

引きずり出されていることに 気がつく

周囲には硝子の破片と

砕けた車のパーツが散乱していて

どれだけの速度で横転したかを 物語っていた

ハルナ

どう…なっ…て…

ハルナ

いっ……!

必死になって 立ち上がろうにも

5センチ程のガラスが刺さった

嘘のように血だらけの左脚には

全く力が入らない

へたりながら後ろを見ると

10mほど離れたところから

リンが 薄気味悪い笑みを浮かべて

身体をユラユラと 小さく動かしながら

ゆっくりと近付いてきていた

シズマ

ほらっ!

シズマ

おぶってやる!!

ハルナ

シズ…さ…

ハルナ

リ…ン…が……

シズマ

分かってる!

シズマ

とにかく、
今は逃げるぞっ!

誰もいない 狭い道路の真ん中を

一直線に突っ走る

シズマ

はぁ…はぁ…!

大きく揺れるシズマさんの 背中の向こう側から

苦しそうな吐息が聞こえてきた

ハルナ

大丈ぶ…ですか…

シズマ

お前の傷よりは幾らか
マシだ…!!

広い間隔の寂しい電灯が

私たちの頭上を通り過ぎると

バキ ン ッと音を立てて消えていく

シズマ

くそっ…

シズマ

このまま進んでも
いつか追いつかれる

シズマ

(どうすれば…)

『←睡蓮ダムまで』

『およそ250メートル』

シズマ

シズマ

一か八か

ドンッ!!!!!!

シズマさんが 分厚い南京錠を撃ち壊して

鉄柵を無理矢理こじ開けた

ハルナ

シズマさん…?

ハルナ

それ…

ハルナ

どこの…
フェンスですか…?

シズマ

睡蓮ダムだ

シズマ

ちょっとこれ持って
前を照らしてくれ

スマホのライトを付けて 私に持たせると

そのままタッタッタッ…と ダムの天端を奥まで進んでいく

シズマ

シズマ

ここまで来ればいいだろ

シズマ

地面に座れるか?

ハルナ

は、はい…

シズマ

すまない

シズマ

手当てする暇がないな

ハルナ

大丈夫です…笑

ハルナ

っ…

ハルナ

よい…しょ…

シズマ

…色々

シズマ

考えたんだが

シズマ

ここで迎え撃つのが
一番確率が高い

ハルナ

え…

ハルナ

何の…?

シズマ

…生存確率

ハルナ

…!

シズマ

あのまま逃げても

シズマ

黒頭町までは
辿り着けない

シズマ

こっちが弱って
殺られるだけだろうな

ハルナ

ハルナ

大丈夫なんですか…?

シズマ

そんなこと聞くな笑

シズマ

何しろ弾が当たらない

シズマ

初めてのタイプでな

ハルナ

……っ

シズマ

任せろって

シズマ

死にやしない

ハルナ

ほんと…?

シズマ

あぁ

シズマ

伊達にこの仕事

シズマ

やってないからな?笑

ハルナ

ハルナ

…はいっ笑

シズマ

(弾が足りるかが
問題だな…)

シズマ

(こいつの装弾数が6発)

シズマ

(さっき3発使ったから)

シズマ

(予備の弾を含めて
残り9発…)

シズマ

(…後は)

「ねぇ」

シズマ

ちぃッ…!!

リン

酷いね?

リン

いきなり銃を
向けるなんて笑

シズマ

冗談はよせよ

シズマ

殺意むき出しなのは
そっちだろうが

ハルナ

……

ハルナ

…リン

ポケットの中の鈴の御守りが

何故かカタカタと 自ら震えているように感じる

それに加えて じんわりとしながらも

すごく熱を持っているような

リン

あっはは!!笑

リン

だって、
鬱陶しいんだもん笑

リン

あたしのこと
嗅ぎ回ってさ?

リン

詮索して

リン

なんか、
分かった気になって

リン

挙句の果てには

リン

ふふっ…

リン

くくくッ…

リン

説得…?

リン

ダメなら殺す?笑

リン

馬鹿みたいっ笑

リン

…偽善者がっ

シズマ

リン

リン

…もう

リン

飽きちゃった

シズマ

…なんだと?

リン

アンタらの
日常ごっこを見るのが

リン

飽きたって言ってるの

リン

そろそろ良いでしょ?

リン

幸せな気分
だったでしょ?

リン

もう十分…

リン

あたしは

リン

それをただ壊したくて

リン

この日だけを

リン

ずっと

リン

ずっと…

リン

ずーっと…

リン

待ってたんだから

シズマ

さっきから
意味の分からねーこと

シズマ

ベラベラと
喋りやがって…

シズマ

一体何が​───

リン

まだ分からないの?

リン

あんたらを
引き合わせたのは

リン

この

リン

あたしってこと

シズマ

はっ…?

リン

これ

リン

知ってるでしょ?

ハルナ

あっ…

ハルナ

なんで…
私の日記帳の…

ハルナ

返してっ…!!

リン

あれぇ…?

リン

まだこんな物に
すがってるの…?

グシャクシャ…

ハルナ

あああぁ…

さっきまでは 日記帳の一部だった物が

紙吹雪となって夜空に消えていく

リン

事務所の
住所を書いた、

リン

あの〝ゴミ〟を

リン

誰がゆーとくんに
渡したと思う?

シズマ

…てめぇってことだろ

リン

あはっ笑

リン

ずっと気がかり
だったんだよねぇ笑

リン

家族全員

リン

道連れに殺してやる
つもりだったのに

リン

1人だけ
生き残っちゃってさぁ

リン

あたしってば
詰めが甘くて笑

ハルナ

…っ!!

リン

でもちょーど良かった

リン

あんな簡単に殺るよりも
こっちの方が

リン

よっぽどゾクゾク
するしねぇ?笑

ハルナ

ぎッッ…!

ハルナ

こいつッ…!!

シズマ

ハルナ、挑発に乗るな

ハルナ

…っ

シズマ

…おいクソガキ

シズマ

ダメもとで聞くが

シズマ

黙って成仏
する気はないか?

リン

当たり前でしょ笑

リン

まだまだ
殺し足りないもの笑

シズマ

…だろうな

リン

だからあんた達2人も

リン

今すぐに

リン

殺してあげるね…?

リン

ふふっ…

リン

最期はどんな顔
するのかなぁ…

リン

泣き喚くのかな…?

リン

それとも……

リン

そんな暇なく
死ぬのかな…?

リン

あははっ笑

リン

ほんっと楽しみ笑

シズマ

シズマ

余程、

シズマ

祓われたいようだな

リン

ふん笑

リン

やれるもんなら

リン

やってみなよ成仏屋

シズマ

ハルナ

シズマ

少し下がってろ

ハルナ

は…はいっ…

シズマ

…もし出来るなら

シズマ

隙を見て逃げてくれ

ハルナ

…!

シズマ

…すぅ

シズマ

はぁ

シズマ

シズマ

……

シズマ

…いくぞ

シズマさんは 両手でしっかり銃を構えると

ゆっくりと

歩み出る

目の前の男は 銃口を真っ直ぐに保ち

あたしに近付いてきた

鋭い目付き

抑えた呼吸

前頭部から滴る鮮やかな血

そんな殺意に満ちた表情で

〝成仏屋〟とは

よく言えたものね

ふふっ…

あたしはその男に

俺に向かって

異常な速さのガラス片が

弾丸のように飛んでくる

シズマさんはそれを ギリギリかわし避けたけど

軽くかすめた右頬から

真っ赤なしずくが舞い散った

それでも

構うことなく 絶え間なく

慎重に進みながら 3発の弾丸をリンに撃ち込んでいく

ドンッッ!!!

ドンッッッ!!!!

ドンッッッッッッ!!!!!

だけど

リン

馬鹿だねー笑

リン

そんなの当たるワケ
ないでしょ?笑

シズマ

ちッ…

シズマ

やっぱ避けられるか…

弾が当たる瞬間にフッ…と消え

また少しズレたところから 姿を現す

そして そう撃ち込むほどに

少しずつ

俺に距離を詰めてくる

ドンッッドンッッッ!!!!

シズマ

んだよ…

シズマ

予測撃ちにも
対応するのか?

シズマ

…嫌になってくるな

シズマ

(この弾に殺傷能力が
あるとしても)

シズマ

(当たらなければ
意味が無い…)

シズマ

シズマ

……!

〝残り4発〟

私が風下にいるせいか

花火の時のような

火薬の匂いが鼻をつく

ハルナ

シズマさん…

ハルナ

シズマさんっ……

リンに向かって 弾が放たれる度に

その閃光で一瞬照らされる シズマさんの背中が

だんだんと

歪んでいくように見えた

それでも、私には、

何も出来ない

何も出来ないから

ハルナ

お願いお願いお願い…

ハルナ

お願いします…

シズマさんの後ろ姿を 必死に目で追いながら

ただ〝何か〟に ひたすら祈ることしか出来​なかった

でも

私のそんな不安を 打ち壊すかのように

「リンッッ!!!!!」

シズマさんが叫んだ

ふと、

その右手を見ると

卵のような形をした ガラス玉が握られている

俺はそのまま

2発続けて撃ち込んで

リン

何回やったって
同じでしょ笑

リン

もうネタ切れ??

リンを誘導する

シズマ

爺さん頼むッ!!!!

ブンッ!!!

シズマさんの右手から

あのガラス玉が飛んで

俺はそれを

撃ち抜いた

シズマさんが放った弾丸で ガラス玉がパキンッと弾けると

中から透明な液体が飛散して

リンの顔から左肩にかけて 勢いよく降りかかった

リン

…?

リン

何これっ

リン

……

リン

…っ!

リン

熱い…

リン

熱い熱い熱いッッ!!!

シズマ

……

シズマ

…悪いな

シズマ

爺さんのところの

シズマ

神酒(ミキ)と粗塩を
混合してある

シズマ

お前にはよく効くだろう

リンの身体から シュウシュウと煙が上がり

両手で顔を押さえ 身をねじりながら悶え苦しむ

シズマ

(とはいっても…)

シズマ

(致命傷にすら
ならないのか…)

シズマ

(どうすればそこまで…)

シズマ

シズマ

…すまない

シズマ

せめて安らかに

シズマ

死んでくれ

カチャ

お゙前もッ

シズマ

なっ​──!?

リン

お前も死ねッッ!!!

ハルナ

ハルナ

シズマさんッ!!

リンが

シズマさんに突っ込んでいく

両手に

一本の長いガラス片を携えて

ドスッ…

シズマ

……

シズマ

…っ?

俺の

脇腹に何かが

刺さっている

シズマ

なん…だよ

薄汚れた白シャツが

そこから赤く

シズマ

…ぐっ

赤く

シズマ

んぐっ…

染まっていく

シズマ

ガホッ…!!

シズマ

ゲホゴホッッ!!!!

吐血したシズマさんは 膝から崩れ落ちると

前屈みになって 真っ赤な傷口を押さえながら

苦しそうな表情で リンを睨んだ

リン

ふ…

リン

ふふっ…

リン

あっははは!!!!

リン

ほら…

リン

ほらほらほら!!!

リン

死ぬ…

リン

死ぬよ…?笑

リンは 後ろにタジタジと後退しながら

うっとりとした表情で 自身の両手を見つめる

ハルナ

う、嘘でしょ…

ハルナ

シズマさんッ…!!

身体が自然と

シズマさんに向かって 駆け出していた

シズマ

く…るな…

シズマ

はや…く…
逃げろ…

「あぁ」

「そうだった」

リン

次は

リン

あんた

ハルナ

……

ハルナ

…もう

ハルナ

もうやめてよ…

ハルナ

こんなこと…

ハルナ

……っ

ハルナ

全然意味ないっ…

リン

ふんっ笑

リン

何をいまさら笑

ハルナ

ねぇ…

ハルナ

何があったら

ハルナ

そんなにっ…

ハルナ

迷わずに…

ハルナ

人を殺せるの…?

リン

……

リン

どうだっていいでしょ

リン

そんなこと

ハルナ

いいわけ…

ハルナ

いいわけ
ないでしょ?!

ハルナ

ふざけないでよ!!

ハルナ

お父さんは

ハルナ

お母さんはっ

ハルナ

ユウト君はっ!!

ハルナ

なんで死ななきゃ
いけなかったの!?

ハルナ

なんでシズマさんを
刺したんだよ!!

ハルナ

教えてよっ!!!

リン

…ほんと

リン

ムカつく奴ね?

リン

リン

そんなに知りたいなら

リン

教えてあげる

目の前から

リンが消えた

ハルナ

…えっ

そして背後に気配を感じた瞬間

私の頭の後ろから リンの両手が伸びてきて

こめかみを手のひらで 強く押さえ付けられた

ハルナ

あがっ…!?

何かが

何かが何かが何かが何かが何かが

頭の中に流れ込んでくる

ハルナ

なに…これ

ハルナ

ハルナ

嫌嫌嫌嫌嫌っ!!!!!

シズマ

ハルナっ…?!

シズマ

リン…やめろ…

シズマ

やめろっ!!!

シズマ

ゲホゲホッッ!!!!!

シズマ

ぜぇッ…ぜぇ…

口元の血を拭って

拳銃を握るが

手に上手く力が入らない

銃口がブレてる

目が霞む

ハルナに当たるだろ

そもそも 弾は入ってたか

あと何発か

コイツを

倒せるか

…あぁ

無駄な思考が

多過ぎる

ハルナ

はぁっ…

リンの両手が離れると

ハルナが前に向かって たじろぐ

ハルナ

こん…なの…

ハルナ

勝てる…わけない…

ハルナ

こんな…

ハルナ

こんなのって…

シズマ

ハルナ…?

ハルナは

今にも泣き出しそうな表情で

俺に、静かに、顔を向けた

ハルナ

シズマさん…

ハルナ

私…

ハルナ

むり…

ハルナ

むりです……

リン

…ほらね

リン

知ったところで
何にもならないでしょ?

リン

結局あんたらの自己満足

リン

誰も救えやしないんだよ

ハルナ

………っ

リン

だからみんな、

リン

あの子も

リン

アンタも

リン

成仏屋も

リン

リン

…あたしも

リン

バッドエンドで
お終いお終い

リン

あはっ…

リン

あっははは!!笑

リン

……

リン

死ね

ハルナ

いやっ…

ハルナ

いやっ……!

あたしが1歩前に進むたび

ハルナも1歩ずつ後退していく

ハルナ

あ…

ハルナ

あぁ…

ここは

ダムの天端

このお話の ラストシーンには

丁度いいじゃない

ハルナ

来るなっ…

ハルナ

来るなっ……!

ハルナ

…あ

背中が

金属で出来た 落下防止用の手すりに当たる

リン

あぁごめんね?

リン

邪魔だよね、それ

リンはスっと右手を出すと

果物を握り潰すかのように

ゆっくりその手のひらを 閉じていく

と、同時に

手すりと手すり子が 1本ずつねじ切れて

壊れていった

ガキン ッッ

リン

これでいいよね

リン

ほらっ

リン

飛びなよ?

ハルナ

い、嫌っ…

リン

ははっ笑

リン

じゃあ

リン

あたしが
やってあげる

とんっ

ハルナ

あっ…

バランスの崩れた身体が

浮遊感に

襲われる

コンクリートから

足が離れていく

ハルナ

シズっ​──​─

私は

そのまま底に

落ちて

〝走れ〟

シズマ

ハルナあぁぁ!!!!!!!!!!

シズマ

んぐっっ!!!!!

ハルナ

……っ!!

ハルナ

あ…ああぁ…!

シズマさんの右手が

私の左手を

繋いでくれた

シズマ

お前だけはっ!

シズマ

お前だけは
死なせるかっ!!!!

ハルナ

シズマ…さんんっ…

リン

…あれ?

リン

まだそんな
元気あったの??

リン

リン

ねぇ

リン

さすがに
ウザイんだけど

シズマ

踏ん張れポンコツ!!

ハルナ

誰がポンコツだあぁ…

リン

ちっ…

リン

まーいいや…

カランッ

リン

それも

リン

いつまで
持つのかなぁ…?

リンがさっきねじ切った

鉄の破片を手に持って

俺の前腕に 突き立てる素振りをする

リン

…早く

リン

離した方が
いいんじゃない?

グッ…

シズマ

うぐぁっ……!

一瞬、シズマさんの力が抜けて

身体が数センチ 下にずり落ちた

ハルナ

あぐっ…!!

脚がバタバタ泳いでも

支えひとつ かすらない

右からびゅうと 強く風が吹けば

一緒にこの身も流されていく

ハルナ

は、はあぁっ…!

ハルナ

(死ぬ死ぬ死ぬ…!!)

ハルナ

……?!

ハルナ

……はっ!

ハルナ

シズマさん…!?

リン

そろそろ離せよ

リン

ほらぁ!!

ググググッッ…

シズマ

くそっ…ったれ!!

シズマさんの プルプルと震えた右腕から

真っ赤な血が枝分かれて

伝ってくる

ハルナ

腕がっ…!

シズマ

待って…ろ…

シズマ

引き…上げるからな…

シズマ

(どうして…)

シズマ

(手に力が…入らない…)

1本

2本、3本……と、

血が歪な線を引く

いつしか線は束なって

2人の手のひらに 割って入ってきた

ハルナ

うっ……

ハルナ

すべ…る……

血が潤滑油のようになって

だんだんとシズマさんの手から

ズルズルと離されていく

ハルナ

あぁ…

ハルナ

落ち…

ハルナ

っ……

ハルナ

ハルナ

……

〝シズマさん〟

ハルナ

……

ハルナ

シズ…マさん…

ハルナ

ハルナ

離してください…

シズマ

馬鹿な…こと…
言う…なっ…

ハルナ

このままじゃ…

ハルナ

その血の…量じゃ…

ハルナ

死んじゃう…

シズマ

黙れっ…

ハルナ

……

ハルナ

私、十分…

ハルナ

…楽しかった

ハルナ

もう…いいです

シズマ

黙れっ!!

シズマ

必ず引き上げるっ!!

シズマ

だから…頼む

シズマ

諦めんなっ…

スルッ…

シズマ

…ハルナっ!!?!

リン

ばいばいハルナ笑

ハルナ

…あっ

こういう時って

走馬灯とか

あるものだと思ってた

お父さんとかお母さんの顔が 映るのかなって

少し期待してたんだけど

全然映らないしさ

それに最後が

全然似合わない

シズマさんの そんな情けない顔だなんて

ちょっと

ズルいよ​

ばか

バシ ャン ッッ……

シズマ

ハル…ナ……?

シズマ

嘘…だろ…

リン

…あーあ

リン

この高さじゃ即死だね笑

シズマ

……っ

シズマ

………

リン

あれ?

リン

もう終わりなの?

シズマ

リン

気力無くしちゃった?

シズマ

……

リン

ふふふふっ笑

リン

…あっ

リン

銃落としてるよ

カチャ

リン

へぇー

リン

これで私たち霊を

リン

殺してきたんだ?

シズマ

……

リン

あ…あと1発入ってる

リン

……

リン

一応これ実弾だしさ

リン

アンタにも
効くよね…?笑

リン

リン

…あれ?

リン

これ最高じゃない?笑

リン

あたしを

リン

殺すための道具で

リン

あたしに

リン

殺されるってさ笑

シズマ

………

リン

リン

はあーあ…

リン

つまんないの

リン

なんのリアクションも
ないんだね

リン

…まぁいっか

リン

どちらにしても

リン

これでおーしまい

リン

リン

バイバイ

リン

成仏屋さん

ドンッ

何かがが壊れる

音がした

【Re:んネ 第9話 後編】

【終】

【to be continued....】

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