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椿

はぁい、静かにしてね♡

ウチが恐怖のあまり 叫ぼうとすると燐堂さんは ウチの口をグッと塞いだ。

ヒッ...

椿

あら、そんな怯えなくても大丈夫よ。大人しくしていれば危害は加えないから

椿

あらごめんなさいね、思わず反射で口を押さえちゃって...

そういうと彼女はスッと ウチの口から手を離した。

夜笑

...ウチらに何の用ですか?

椿

何の用ねぇ...聞いていたでしょう?私達の話

夜笑

な、何のことですか?

椿

じゃあどうしてアナタ達は2階にいるのかしら?1階でお客様が来たら接客をするんじゃなくて?

夜笑

そ、それは...

椿

椿

なーんてね♡

夜笑

へっ...?

椿

ごめんなさい、アナタ達の反応が可愛いからつい問いただしちゃったわ♡

椿

で?聞いてたの?

は、はい...姉さんが気になるって...

夜笑

ちょっと舞⁉︎ウチのせいにする訳⁉︎

椿

はいはい落ち着いて、喧嘩なんて醜いわ。姉妹ならもっと仲良くしないとダメよ?

椿

ね?

夜笑

は、はい...

はい...

椿

そうね...じゃあ聞かなかったことにしてくれるかしら?

夜笑

は⁉︎そんな聞かなかったことって...

“計画”とか...“私達が人質”とか...何ですか?

椿

それもアナタ達には教えられないの、ごめんなさいね...

椿

でもアナタ達に一つだけ教えられることがあるわ

椿

椿

“アナタ達のせいで小春ちゃんは死ぬ”

私達のせいで...

夜笑

小春っちが...死ぬ...⁉︎

夜笑

それって一体どういうこと⁉︎

椿

そこまでは教えられないわ

夜笑

じゃあ直接小春っちに

椿

ダメよ‼︎

ウチが小春っちのいる部屋へ 行こうとすると彼女は 扉が開かないように 勢いよく手を押し付けた。

その音と声に舞は 余計に怯えてしまった。

椿

私と小春ちゃんが出会ったのは運命なの...

夜笑

...は?

椿

でもアナタ達が小春ちゃんと出会ったのも運命...

椿

運命が運命を引き寄せて、また別の運命が運命を引き寄せる...

椿

そうやって最後の最後にできた運命こそが最も美しいと私は感じるの♡

夜笑

何を言ってるの...?

椿

あら、分からない?

椿

例えば勉強ができない男子生徒がいたとするでしょう

椿

勉強ができないのは生まれ持った脳に欠陥があるからしょうがないの

椿

そんな生徒が将来、どこも就職ができなくて社会不適合者になるのもしょうがないこと...

椿

それでそんな社会不適合者が自暴自棄になって人を殺すのもしょうがないこと...

椿

それで裁判で死刑になるのもしょうがないこと...

椿

この世はね、しょうがないことで溢れているの

椿

人間はしょうがないことを“運命”と呼ぶことで感傷に浸っているの

椿

まあ簡単に言えば都合のいい人間ってことね

椿

もちろん私だってそうよ。何でもかんでも運命って言っておけばいいって思っている人間だもの

椿

だけどある時、道路で鳩が車に轢かれて死んでいるのを見た時に思ったの

椿

椿

美しいなぁ...って

夜笑

....

椿

だって鳩は街中でよく見かけるけど、それが当たり前過ぎて誰も注目しないじゃない?

椿

でも車に轢かれたことで鳩は写真も撮られる、SNSにも投稿される...

椿

みんなに注目されて、まるで舞台の主役みたいじゃない?

椿

だからね、小春ちゃんにもそんな主役がふさわしいと思うの

夜笑

それってつまり...殺すっていうこと?

椿

そんな殺人鬼みたいなこと言わないの。私はあくまでアナタ達が原因で、小春ちゃんが死ぬって言っているんだから

椿

でも、もし小春ちゃんが死の運命から抜け出すことができたら...その時はケーキでも食べましょうね♡

夜笑

狂ってる...絶対に小春っちは殺させない‼︎

椿

ふふっ♡その顔、私大好きかも♡

椿

それじゃあ戻るわね、また会いましょう♡

そう言うと彼女は静かに この部屋を出て行った。

夜笑

行くよ舞‼︎早くこのこと小春っちに知らせないと‼︎

これって...写真...?

夜笑

舞‼︎そんな部屋のものなんて見てないで早く行くよ‼︎

あ...ごめん、今行く...

(あれは...家族写真...?)

(ってことは、あの部屋は...)

ウチは部屋に居座る 舞の手を引くと急いで 小春っちの部屋に向かった。

絵鳩 小春の終末論

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