陽斗と風香が二階の廊下を歩いていると、通路の中央になにかが転がっていた。
葛城 陽斗
陽斗はそのなにかを見つけて走り出した。
北原 風香
葛城 陽斗
陽斗は太田に駆け寄り肩を揺すった。 目立った外傷はないが、頭から血を流している。 太田は「ううん」と唸って目を覚ました。
太田
葛城 陽斗
太田
太田は起き上がり頭を抑えた。 意識もはっきりしているし、ひとまずは無事のようだ。
北原 風香
風香が怪訝な顔で太田を見下ろしていた。
葛城 陽斗
太田
葛城 陽斗
太田
太田はきょとんとしていた。
葛城 陽斗
太田
陽斗は呆れて深いため息をついた。
それでも、太田が無事だったのは心から嬉しかった。
この広い研究所の中で、太田だけが陽斗に気を許してくれた友達だったから。研究員はみんなプライドが高いからか、陽斗のような油まみれの作業員には興味すら抱かない。
まるで視界に入っていないかのように振舞うのだ。
太田の存在は、ここで働く上でとても助かっていた。
葛城 陽斗
太田
太田はぽん、と腹を叩いた。 その脂肪に対する厚い信頼はなんなのだろうと思いながら、陽斗は口を開いた。
葛城 陽斗
陽斗は胸をとん、と叩いて、陽斗と太田は互いに微笑み合った。
葛城 陽斗
北原 風香
陽斗と風香は太田を残して、特別研究室に向かった。
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