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前世の恋人

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前世の恋人

11 - 譲れない勝利

♥

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2023年07月16日

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芽衣

「最終種目 HFS
勝利条件はどちらかの頭部の損傷」

芽衣

「それでは、DUEL START」

………

(負けたら、許さない…)

先ずは距離を取りながら光線銃を撃ち合う

ピューン、ピューン、ピューン

(絶対に負けられない…)

(ヴァルザック…父さんとの思い出があるこの機体で負けられない…)

ピューン、ザッザッザッ

夏樹くんはちょっとずつ距離を詰めてくる

夏樹

怜、お前とのこの半年間…

夏樹

ずっと研究していたよ

夏樹

結構面白かったよお前との日々は

………

バシュッ

肩に光線銃が掠めて少し機体がよろける

しま…っ!!!

夏樹

もらった!!

カキーン

ソードを引き抜いて振りかざした夏樹くんに対して瞬時にこちらもソードを抜いて受け止めた

夏樹

ちっ…

夏樹

そう簡単には行かないか

………

夏樹くん…

この半年間…本当にずっと…

僕の事を監視していただけ…なの…?

夏樹

………

夏樹

ああ、そうだ

夏樹

会社の意向でな

夏樹

謎の転校生、謎の力

夏樹

そりゃあ警戒するだろ?

そんな…

…じゃ…じゃあ…今まで…

ずっと一緒に居たのも…

夏樹

お前の秘密を探る為

……っ…

今まで過ごした日々が頭の中を過ぎって操縦レバーを握る手に力が入る

そんな……そんな…

夏樹

……無駄な会話だ…

夏樹

大人しく…婚約者を…

夏樹

澪を俺に渡せ

夏樹

澪の隣に立つのは俺だ

夏樹

俺が相応しいんだ!!!

……嫌だ

グッと弾かて後ろに吹き飛ばされる

夏樹

(くそ…HFSの操縦は俺の方が下か…)

言わせない、言わせません

夏樹

……あ?

夏樹くんがずっと

僕の事を敵だと思って過ごしていたなんて

言わせません

夏樹

…何言って…

夏樹くんは、優しい人です

僕に話しかけてくれて

僕に沢山教えてくれました

学園の事、技術も、人との接し方

夏樹

…それは…

夏樹

…お前の警戒心を…解くため…

例えそれも理由だとしても

「全部」嘘だったなんて言わせません!

夏樹

っ……

夏樹くん、僕と本当の友達…

親友になってください…!!

夏樹

………

ああ、もう、本当…こいつは…

お人好しなんだから

だけど、俺にも…負けらない理由がある

夏樹

っ…怜…!!

夏樹くん…

絶対…!!勝ちます!!

ザシュッ

ビーーーッ

決闘が終わった合図が鳴り響いた

………

芽衣

……

勝者の名前が映し出された

「藤堂 怜」

芽衣

「決闘終了 3本中2本先取したのは、藤堂 怜 」

芽衣

「よって、勝利は 藤堂 怜」

芽衣

……凄い決闘だったね、澪

……ええ

…本当、バカみたい

コクピットを開けて紐を掴んで下に降りた

夏樹

………

同じく降りてきた夏樹くん目が合って、傍に行くと夏樹くんは俯いた

夏樹

………

夏樹

…負けたよ

夏樹

…悪かった、今まで、嘘、ついてて

……夏樹くん

俯いてる夏樹くんの前に手を差し出した

僕の勝ち

本当の友達になってくれる?

夏樹

!………

夏樹

…く……はははっ…!!

夏樹

…もうー…本当…

夏樹

お前には敵わないな

ギュッと手を握ってくれて、僕達は本当に友達…親友になれた気がした

えへへ…

夏樹

あーあ、負けちったー

夏樹

澪の事貰おうと思ったのに

なっ…

み…澪さんは、僕、の婚約者…です!!

夏樹

はいはい

夏樹

わーってるよバカ

夏樹

……頼んだぞ、澪の事

………?はいっ!

任せてください

ちゃんと守り抜きます!!

コツ、コツ、コツ、コツ

夏樹

(本当、バカみたいに優しいやつ)

夏樹

(それに、楽しかったな、アイツとの決闘)

夏樹

…ふ…

柊生

笑ってるなんて、余裕だな

夏樹

!父さ…

ドスッ

夏樹

ぐ…っ…!!

頬を裏拳で殴られ壁に打ち付けられた

夏樹

…ぃ…っ…

柊生

やはりこんな所に居ても時間の無駄だ

柊生は殴った拳をハンカチで拭ってその場に捨てた

柊生

帰るぞ、宇宙に

柊生

跡継ぎの準備をさせる

柊生

……俺はヤツを殺す計画を進める

夏樹

…は…い…父さん…

夏樹

(ごめん、怜…約束…守れそうにない…)

………

まだ興奮が冷めやらないのが分かる

自分の両手を見つめて広げたり握ったりを繰り返す

ウィーン

!澪さん!!

お疲れ様

あ…あの…勝ち…まし…た

知ってるわ、見てたもの

で…ですよね…

…えへへ…

………あ…あの…

なによ

……その…えっと…

モジモジと指をいじる怜に次第にイライラし始める

えっ…と…

……

ハッキリしなさい!!!

何が言いたいのよ!

ひぃっ!!

え…えっと…

……

ご褒美……欲しい……です

なっ…

………

す…すすすみません

調子乗って…

…はぁ……

………バカね

恥ずかしそうに求める彼に近づいてギュッと抱きしめた

!あ…あわ…

欲しかったんでしょ、ご褒美

は…はい…っ…

………怜

……はい

レイ・アルフォンド

!!

彼の…いや、彼女の前世の名前を呟いた

前世に僕…いや私が名乗っていた名前

レイ・アルフォンド

………やっぱり

覚えていたん…ですね

ミオ・フローレンス様

……はぁー…良かった

間違えてたらどうしようかと思ったわ

えへへ…

すみません、私から言えばよかったのに

でも、今世は男になったので…中々言い出せず…

…男でも女でも、アンタはアンタでしょ

私を抱きしめる力が強くなるのを感じて、私もギュッと抱きしめた

…ずっと…こうしたかったです…

…ん…

……私も

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