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カイ

スタート

カイ

幹部だったんですか…!?

ひとらんらん

一応ね。

カイ

そうとは知らず…ごめんなさい!!

ひとらんらん

別にいいよ。

ひとらんらん

…君がゾムの言ってた新しいお気に入り?

カイ

新しいお気に入り…?

ひとらんらん

えっ違うの?

カイ

お気に入りってどういうことですか…?

ひとらんらん

えっと、お気に入りっていうのは…

オスマン

ひとら〜ん!!

ひとらんらん

マンちゃん。どうしたの?

オスマン

いや、見えたから寄っただけ。

オスマン

…あいつ誰?

ひとらんらん

多分ゾムのお気に入り。

オスマン

!!

オスマン

(へー、あれが噂の…)

オスマン

俺の名前はオスマン。よろしくめぅ。

カイ

よ、よろしくお願いします…

カイ

(なんか…この人はちょっと怖いかも…)

オスマン

あ、そうだ。

オスマン

そこの君。

カイ

なんでしょうか…?

オスマン

さっきうちの首領(ボス)が君に会いたいって言ってたから、首領の所に行った方がいいめぅよ。

カイ

え…?

カイ

(首領が私になんの用…?)

オスマン

あ、道が分からないのならさっきの花畑に戻るといいめぅ。多分まだあいつらあそこにいると思うから、案内してもらうといいめぅよ。

カイ

分かりました…

オスマン

気をつけるめぅ〜

オスマン

ひとらんらん

ついて行かなくてよかったの?

オスマン

俺は別に…

オスマン

…あ。

ひとらんらん

どうしたの?

オスマン

いや…名前聞くの忘れてた…

ひとらんらん

さっきの会議でゾム達が言ってたんじゃないの?

オスマン

「お気に入り」の話なんて聞くだけ無駄だと思ってたから。

オスマン

どうせすぐ捨てるのに…

ひとらんらん

…そうかな。

ひとらんらん

少なくともあの子は溺愛されると思うけど?

オスマン

…それはなにか根拠があって言ってんの?

ひとらんらん

いいや、ただの勘だよ。

オスマン

…へぇ…

オスマン

すごい自信だな。

ひとらんらん

そう?

オスマン

…ま、いいや。

グルッペン

【オスマン、いるか?】

オスマン

【どうした?】

グルッペン

【お前の力がいる。至急会議室に来るように。】

オスマン

【わかった。】

オスマン

悪いけど、俺行くわ。

ひとらんらん

うん、行ってらっしゃい。

グルッペン

カイ

(この人が、ここの首領…!!)

カイ

(すごい威圧感ある…)

グルッペン

お前…確か名前は「カイ」と言ったか…

カイ

そうですけど…

カイ

(なんでこの人が私の名前を知ってるの…?)

グルッペン

俺の名前はグルッペン。一応ここの首領をやっている者だ。

グルッペン

早速だがいくつか聞きたいことがある。

グルッペン

お前は神山家の人間か?

カイ

は、はい…

グルッペン

何故ここに来た?

カイ

何故っていうか…気づいたら買われてここに来たと言うか…

グルッペン

買ったのはゾムか?

カイ

はい…

グルッペン

最後に一つだけ。

グルッペン

お前は神山家のスパイか?

カイ

(スパイ?変な質問…)

カイ

違います。

グルッペン

…質問は以上だ。

グルッペン

…オスマン

オスマン

ちゃんと見てたよ。
…名前は…確かカイめぅ?

カイ

はい。

オスマン

…カイの言っていることは本当で間違いないめぅ。

グルッペン

そうか…

グルッペン

なら本当にお前は意図せずにこの組織に来たのか?

カイ

はい…

グルッペン

…わかった。もう行っていいゾ。

カイ

え…

カイ

わ、わかりました…

グルッペン

さて…オスマン、お前の目にはどう写った?

オスマン

…オドオドしていて言葉もハッキリ喋らない。

オスマン

常にこちらの様子を伺っている。

オスマン

さらに遊郭に売り飛ばされたとなると…

オスマン

虐待をされていたとみて間違いないね。

グルッペン

やはりそうか…

オスマン

どうする?あれだと人質にならないよ?

グルッペン

問題ない。

オスマン

オスマン

本当にやるのか?

グルッペン

どちらにしろ早めにあいつらは潰しておきたかったからな。

グルッペン

むしろ好都合だ。

グルッペン

早速、手紙を書いてくれ。

オスマン

外交官の出番って訳か…

グルッペン

ああ、頼んだ。

オスマン

ハイル・グルッペン

オスマン

それじゃ、俺は戻るね。

グルッペン

ああ。

グルッペン

グルッペン

フー…

グルッペン

クククッ…

グルッペン

面白くなってきた…!!

カイ

(行っていいと言われたものの…)

カイ

(ここどこ!?)

カイ

(ほんとこの家?広いなぁ…)

おい

カイ

え?

誰?あんた

カイ

え、えっと…

なに?名前くらいすぐ答えられないの?

カイ

ごめんなさい…

まぁいいわ。それよりも、あんたここで何してたわけ?

カイ

さ、さぁ…

チッさっさと話してくれない!?

カイ

あーもうイライラする!!第一、ここはお前のような男が来ていい場所じゃないんだよ!!
さっさと消えな!!ヒュッ

カイ

(やばい、殴られる…!!)
ご、ごめんなさ…!!

シャオロン

お前…何やってんの?

ピタッ

カイ

シャ、シャオロンさん…

あっ♡シャオロン♡

今日は早かったわね…

シャオロン

パシッ

痛っ…なにするのよ!

シャオロン

は?それは俺のセリフやけど?

え…?

シャオロン

何こいつに手ぇ出そうとしとんの?

え…

違うわ!!そいつが先に手を出してきたのよ!!

シャオロン

んなことカイがするわけないやろ。

シャオロン

お前さぁ…俺の「お気に入り」の分際で、気安くこいつに手ぇ出してんじゃねぇよ。

シャオロン

次こいつになんかしたら殺すからな。

え…

シャオロン

行くぞ。

カイ

は、はい…

カイ

あ、あのっ…!!

シャオロン

ん?どうした?

カイ

えっ、と…さっきの人って…

カイ

シャオロンさんの…大事な人、じゃ…ないんですか…?

シャオロン

あいつ?別に好きでも嫌いでもないわ。

シャオロン

ただ顔がいいからってだけでお気に入りに入れとったんやけど…

シャオロン

もう替え時やな…

カイ

…あの…

シャオロン

んー?

カイ

お気に入り?って…なん、ですか…?

シャオロン

…マ?

シャオロン

えーっと…お気に入りっていうのはな…

シャオロン

その人を気に入ってるみたいな…?

カイ

気に入ってる…

カイ

じゃあ僕は誰のお気に入りなんだろ…

シャオロン

えっ

カイ

えっ?

シャオロン

いや…
(普通察するんやけどな…)

シャオロン

それよりも、なんでお前あんなとこにおったん?

カイ

気づいたらあそこに…

シャオロン

あそこはあんま近づかん方がええよ。

カイ

なんでですか…?

シャオロン

あー…ここの幹部のお気に入りがおるからさ、あそこ…

カイ

なら僕もあそこに行くんですか?

シャオロン

いや、カイは違うと思うで。

カイ

どうしてですか…?

シャオロン

まー、そこは…

シャオロン

本人に聞いた方がええんちゃう?

カイ

本人?

ゾム

おった!!

カイ

ビクッゾムさん…

カイ

あっ…あの…

ゾム

ギュッ

カイ

…へ?

ゾム

良かった…おった…

シャオロン

そりゃおるやろ。

ゾム

は?なんでシャオロンが一緒におるんや?

シャオロン

べっつに〜?

ゾム

…まぁええわ。

カイ

カイ

ゾムさん…

ゾム

ん?どうしたんや?

カイ

怒らないんですか…?勝手に出歩いたのに…

カイ

あの時だって…

ゾム

そりゃあ、おらんくなったらびっくりするけど…

ゾム

それぐらいで怒ったりはせんよ。

カイ

そう、ですか…

カイ

(あれ、なんで…)

カイ

(私、こんなに泣いてんの…?)

ゾム

え!?

ゾム

なんで泣いとるん!?

シャオロン

ゾムがカイ泣かした〜w

ゾム

泣かしてへんわ!!

カイ

あのっ、これは、違くて…

シャオロン

違うって、何が?

カイ

ただ…怒られなかったの初めてで…

カイ

それでちょっと涙が…

ゾム

…シャオロン、グルッペンに日時早急に決めるように伝えてくれん?

シャオロン

ええで〜

シャオロン

ちな理由は?

ゾム

こんな可愛いカイを泣かすやつは全員殺す

カイ

え…

カイ

(なんか…私やばいことした…?)

マフィアに買われました(*^^*)

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