国見
(こっちか…?)
国見
(いや、もっとシンプルなのが良いか…?)
まだ時間は充分あるのに体が動いて今から当日着ていく服に悩んでいる。
我ながら意外と青春してるな、なんて。
国見
(腕時計でも付けるか…それかアクセサリーとか…?けど持ってねぇし…)
国見
(姉ちゃんに借りるのは嫌だし…)
国見
…茜雫って、どんなの好きなんだろ。
仲はそれなりに良かったけど、 案外お互いの趣味だとか、苦手なこととか、あまり知らない。
国見
……
もどかしい。
もっと知って、もっと距離を縮めて、
早く、俺のところに─────
〇〇
葉瀬さん、終わったよ。
ごめんね待たせて。
ごめんね待たせて。
円香
ううん、全然良いよ笑
円香
外出よう。
〇〇
うん…?
円香
まだ明るいね〜
〇〇
真夏だもんね、暑い…
〇〇
…それで、葉瀬さん。
〇〇
話って……
円香
……えっとね、
円香
…私、もう失恋しててさ。
〇〇
えっ…
〇〇
国見に…?
円香
うん笑
〇〇
告ったの?
円香
いや、告白はしてないよ。
〇〇
じゃあ…
円香
好きな人がいるんだって。
〇〇
…
円香
私じゃない、他の誰か。
何故か鼓動が大きく脈打った。
国見に、好きな人。
そう聞いた瞬間、視界が揺らいだ。
心に何かが溜まる感覚。
円香
茜雫さん、初恋まだだとか言ってたよね?
〇〇
あ、うん…
円香
…気づいてないだけで、既に好きかもね。
〇〇
え、何が…?
円香
ううん、なんでもない。
円香
私はもう、吹っ切れたんだ。
円香
国見くんの恋を応援するって決めたの!
〇〇
そっか…
円香
だから茜雫さん
円香
頑張ってね。
〇〇
…私?
円香
うん、茜雫さん。
円香
茜雫さんの恋も、応援する!
〇〇
あ、ありがとう…?
円香
笑笑
いつか分かるよ。
いつか分かるよ。
円香
…ね、茜雫さん。
〇〇
?
円香
下の名前で…呼んでもいい?
そう言って可愛らしく笑う葉瀬さん。
その綺麗な笑顔や口調は
失恋をしたひとりの女の子が
前を向いて新しいものを求め進んでいる。 そんな強さが見えた。
〇〇
…もちろん。笑
[次の日、国見side]
国見
はぁー…
悩んでも悩んでも決まらず。 これだと当日も迷っているだろう。
今持ってるやつでこんなに長々と悩むくらいなら 思い切って新しいのを買おうと思い、オフだった今日1人で出かけに来た。
国見
(とはいえ…何を買おう…)
国見
(俺に似合うのってなんなんだ…?)
今までそんなオシャレに興味なんて無かったし。
…初恋を自覚して、 それからちょっと身なりとか気にかけるようになったくらいで…
国見
(初心者に分かるもんかよ…)
国見
…ん?
視界に入ったのは、見覚えのある男子。
なかなかオシャレだ。 シンプルだけど、それでもいい感じに着こなしている。
国見
(話したことないし…ちょっと、かなり嫌だけど…)
国見
(でも……)
あいつのためだ。
よし、コイツに頼ろう。
国見
ねぇ
月島
?
げ、青城の…
げ、青城の…
国見
…ちょっと付き合ってくんない?
月島
…はぁ?
next→♡800
あややり
無気力コラボ……(?)