花いちおとめの紙芝居 2
サッちゃん
⚠️ 後半にほんのちょっとだけ ホラーなイラストが入ります
♪サッちゃんはね
サチコっていうんだ ほんとはね
だけど ちっちゃいから
じふんのこと サッちゃんって よぶんだよ
おかしいな
サッちゃん
♪サッちゃんはね
バナナがだいすき ほんとだよ
だけど ちっちゃいから
バナナをはんぶんしか たべられないの
かわいそうね
サッちゃん
♪サッちゃんはね
とおくへいっちゃうって ほんとかな
だけど ちっちゃいから
ぼくのことわすれてしまうだろ
さみしいな
サッちゃん
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
たける
たける
たける
たける
たける
たける
たける
たける
じろう
じろう
じろう
じろう
じろう
じろう
たける
たける
たける
たける
たける
じろう
じろう
さちこ
さちこ
さちこ
たける
じろう
さちこ
たける
さちこ
さちこ
たける
たける
じろう
さちこ
たける
たける
さちこ
さちこ
さちこ
じろう
さちこ
じろう
たける
じろう
たける
じろう
じろう
たける
たける
じろう
たける
じろう
たける
たける
たける
たける
じろう
じろう
たける
じろう
冬の北海道
冷たい吹雪が肌を刺す
さちこ
さちこ
さちこ
ふと
後ろに気配を感じた
さちこ
さちこ
さちこ
さちこ
少し足を速める
踏切が見えてきた
電車が来ることを知らせるベルが鳴り響き
遮断機が降り始める
さちこ
少し頭を下げ遮断機を抜ける
遠くに電車のライトが見え始めた
その時
さちこ
さちこ
さちこ
雪で埋もれて溝が見えなかった
肩にかけていた鞄を 踏切の外に放り投げると
溝にはまった方の脚を両手でつかみ
必死に抜こうとする
さちこ
さちこ
さちこ
遮断機は既に降りてしまい
電車の音が頭の中で鳴り響く
さちこ
さちこ
電車が迫る
あと数メートルの所で
ギギギギギギギギッ
急ブレーキをかけ始めるが
もう既にその車体は
彼女の目の前だった
さちこ
ドンッ
ギギギギギギギギッ
ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
さちこの鮮血が飛び散り
純白の雪を汚す
さちこ
さちこ
恐る恐る自分の背中の方に目をやる…
さちこ
身体はちょうど胴のあたりから 真っ二つに切断され
脚が無かった
さちこ
さちこ
さちこ
何故自分がまだ生きているのかわからない
でもそんなことより
脚を
脚を探さなきゃ
腕を使い線路を這う
さちこ
さちこ
なんとか線路を出ると
目の前に脚が2つ
さちこ
さちこ
たける
たける
じろう
だがそれはさちこの脚ではなく
彼女を追ってきた たけるとじろうのものだった
だがさちこは混乱していた
さちこ
さちこ
さちこ
じろう
たける
さちこ
「脚を返して」
さちこ
そこでさちこは息絶えた
たける
じろう
車掌が真っ青な顔で駆け寄ってくる
怖いもの見たさなのか
乗客も集まってきた
いつもは静かなはずの田舎の踏切に
人だかりができていた
たける
たける
じろう
2人は逃げるようにその場から逃げた
人だかりの隙間から除く
目を見開いたさちこの死体は
2人を捉えていた
ようにも見えた
あの事件から1年が経った
はじめこそさちこの死を悲しんだり 怯えていた生徒たちも
平和な日常に戻ろうとしていた
落ち着きを取り戻し
忘れていったかのようにも見える
彼らを覗いては
じろう
じろう
じろう
たける
じろう
たける
たける
たける
じろう
たける
じろう
たける
じろう
たける
たける
たける
たける
じろう
たける
じろう
たける
たける
じろう
じろう
じろう
たける
たける
たける
たける
たける
じろう
バシッ
たける
たける
たける
じろう
たける
じろう
じろう
たける
たける
じろう
たける
たける
たける
じろう
じろう
じろう
じろう
たける
其の夜
2人は部活帰りだった
酷く冷たい
あの日を思い出させるような夜だった
たける
たける
じろう
たける
目の前のいつも通る道には
「工事中」の文字
たける
じろう
たける
たける
たけるの声が暗くなる
家に続く狭い道に目をやる
この道の先には
さちこが死んだ踏切がある
じろう
たける
じろう
たける
たける
じろう
じろうの酷く脅えた顔をみて たけるも大きなため息をつく
たける
たける
少し笑って方向転換する
じろうもあたりを見回し付いてきた
街頭が無くなる
たけるが懐中電灯をつけ
その光の照らすほう一点を見つめながら
歩みを進めていた
しばらくすると
あの踏切が見えてきた
唯一線路をともす光が
遮断機を不気味に浮かび上がらせる
たけるが大きく深呼吸をする
じろうと顔を見合わせると
一歩歩みを進めた
その時
♪サッちゃんはね
なかまがほしいの ほんとにね
だからきみも つれていってあげる
やさしいでしょ?
サッちゃん
たける
たける
じろう
2人の足が止まる
と言うよりは
金縛りに合ったように動けなくなった
どこからとも無く聞こえる歌は だんだんと近くなる
♪サッちゃんもね
くやしかったんだきみのこと
なんできみは生きているの? きみがほしいよ
ほしいな
サッちゃん
たける
たける
声がする方
踏切に目をこらすと
こちらを見つめる影がある
たける
じろう
そこには
上半身だけの姿で
不気味に笑うさちこがいた
♪サッちゃんはね
今日が死んだ日だから
誕生日がほしいな♪ でも決めたんだ
♪オマエガホシイ
サッちゃん
たける
たける
じろう
さちこは震える2人の手を
踏切の方へと引いていった
♪サッちゃんはね
このうたきくとおちつくの
あなたもいっしょに うたわない?
あの世で
サッちゃん♪
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
花いちおとめ
コメント
31件
え、普通に十番目まで調べて歌ってた(声に出して)
みじんこさんの絵いつも可愛いから油断してたら めっちゃ怖かったです😭
とても怖いお話でした!! 注意書きあって良かったです💦 いつもの怖くも可愛らしいイラストだと思っていたので、踏切から近づいてくるサッちゃんが凄く怖かったです!! 次回作も楽しみです(* ´ ▽ ` *)