ノリオ
自宅も知られているから、家に帰る訳にもいかない…

ノリオ
どうすれば……

ノリオ
おっ

ノリオ
あそこに交番が……

ノリオ
しょうがない、事情を話して保護してもらおう

ノリオ
あの、すみません

警官
どうしましたか…ん?

警官
あなた、顔が腫れてますよ!

警官
誰かに襲われたんですか!?

ノリオ
そう、そうなんです!聞いてください

ノリオ
実は…

警官
蘇生薬を開発した…ねえ

警官
なかなか信じにくい話ですが…

ノリオ
そう思われるのも無理はありません

ノリオ
ただ、私が研究者というのは事実です

ノリオ
こちらの証明書を見てください

警官
ふむ…これはたしかに

警官
大手の研究者さんというのは間違いないですね

ノリオ
とにかく、暴漢に追われているのは事実なんです!

ノリオ
市民を保護するのが警察の役目なんでしょう?

ノリオ
お願いしますよ…

警官
そうですね…ん?

警官
ちょっと待ってください、誰か来たみたいだ

ノリオ
あっ、あいつらは…!

ハナ
あのう…お巡りさん…

警官
どうかしましたか?

ハナ
実は私、ある知り合いを探しておりまして…

ハナ
約束の時間になっても来ないので、何か事件に巻き込まれたのかと

ノリオ
(何が巻き込まれた、だ…よく言うよ)

ハナ
こちらの写真で、名前は佐伯ノリオさんと言います

ハナ
お見掛けしませんでしたでしょうか?

ノリオ
(頼むぞ…黙っていてくれ…)

警官
ふむ…

警官
いえ、ちょっと分からないですね…

ハナ
そうですか…

ハナ
でも私、心配で、心配で…

ハナ
先生はとても著名な研究者なので、もし何かあったら…!

警官
落ち着いてください

警官
捜索願として、こちらも受け取りますので

警官
何かあったら、ご連絡差し上げます

ハナ
お願いします!どんな手掛かりでも構いませんので…!

警官
では、こちらの書類に記入をお願いします

ハナ
はい…

警官
いきましたよ、ノリオさん

ノリオ
ふう…ありがとうございます!

ノリオ
本当に助かりました…

警官
しかし、彼女が暴漢をけしかけるとは…

警官
大人しそうな人だったのに、人は見かけによりませんね

ノリオ
まったくです

ノリオ
彼女とは数年来の付き合いですが、まるで人が変わったようでした

ノリオ
あの感じなら、この薬を奪って金にするつもりだったのでしょう

警官
やはりその薬は…本物のようですね

ノリオ
だから言ってるじゃないですか

ノリオ
ともあれ、まだ安心できる状況ではないんです

ノリオ
しばらくここで、保護してもらってもいいですか?

警官
はい…と言いたいところですが

警官
それには条件があります

ノリオ
…条件?

警官
ええ…実はここ最近、ある凄腕の警官が殉職してしまったのです

警官
彼の遺体はもちろん、薬の開発を待って保管センターに保存されています

ノリオ
……。

警官
彼を生き返らせたとなれば、ぼくの昇進は間違いないはずだ

ノリオ
はあ、そうですか…

ノリオ
…では、私はこれで…

警官
お待ちなさい、どこに行くつもりですか

ノリオ
いえ、もう結構です、自分でどうにかします

警官
いえ、あなたを返すわけにはいきません

警官
薬をこちらに渡しなさい

ノリオ
な、なんてことをしているんですか!

ノリオ
自分が何をしているか分かっているんですか!

ノリオ
市民の安全を守るのが警察の役目でしょう!

警官
ええ、それはもちろん

警官
しかし、今回は事情が違います

警官
蘇生薬を入手できるとなれば、警察ぐるみであなたを捕えますよ

警官
やろうと思えば、こちらはいつでもあなたを逮捕できるんです

ノリオ
……。

ノリオ
分かった、私もまだ捕まりたくはない…

ノリオ
しかし、間違っているぞ、こんなやり方は

人気のない通りに来たとき、どこからか声が聞こえてきた
暴漢
いたぞ、あそこだ!

ハナ
見つけたわよ、先生!

ハナ
フン、さっきの警官じゃないの

ハナ
口裏を合わせてたっていうわけ?

暴漢
警官ひとりくらい怖くねえよ

暴漢
いくぞ!お前ら!

ノリオ
なんてことだ…最悪の事態だ…

警官
くそっ…なんだ、こいつらは!

警官
止まれ!止まらないと撃つぞ!

暴漢
撃ってみろよ、ほら!

ハナ
う…嘘でしょ…?

暴漢
う、撃ちやがったぞ、この警官!

暴漢
くそっ…まとめてかかるぞ!

それでも引き下がらない暴漢たちに、再び銃を向ける警官
ノリオ
…警官はいま、あいつらに夢中だ

ノリオ
よし、逃げるなら今しかない…!

警官と暴漢たちがもみ合っている隙をついて、ノリオは逃げ出した
暴漢
や、やめろ!撃つな!

警官
公務執行妨害だ!

警官
あの薬はこちらのものだ!

暴漢
うわああーっ!

ノリオ
どんどん事態が大きくなってしまってきた…!

ノリオ
これからどうすればいいんだ…

ノリオ
そうだ、彼ならきっと…!
