私はお母さんが
嫌いだった
いつも喧嘩ばっかりで
弟の事優先してばっかりで
弟の事を大切にしていた
私の事なんか
大切にしてくれ なかった
そしてある日
お母さんに
「お母さんなんか大っ嫌い!!あんたなんて、死ねばいいのに!!」
と
言ってしまった
それが本当に なるなんて
思ってもいなかった…
それは突然の出来事だった
優希
中学校と小学校から 連絡があり、 私と弟は、急いで病院に来た
優希
お父さん
お父さん
お父さんはそう言うと、涙を流した
私はお母さんの近くに行き、 お母さんに触れた
お母さんの体は、冷たくなっていた
翔
弟は小学四年生だ
まだ、大切な人が死ぬ経験をしていない
お父さん
翔
お父さん
翔
翔
お父さん
翔は涙を流しながら、 冷たくなったお母さんに 抱きついた
お父さんも翔も泣いているのに
私は泣いていない
泣けない
お母さんが嫌いだったからだ
けど、泣けなかった事を後から
私は後悔した
私は、自分の部屋でボーッと していた
優希
優希
優希
優希
優希
「お母さんが居ないから」
この言葉しか、思いつかない
お父さんも翔も変わってしまった
もう、以前のようには戻らない
優希
優希
優希
キイィィ…
私は、お母さんの部屋のドアを開けた
最後にお母さんの部屋に入ったのは、1年ぐらい前の事だっただろうか
1年前と、部屋の景色は変わっていなかった
お母さんは綺麗好きだったはずだが
珍しく、机の上が散らかっていた
優希
散らかっていた机の上にあったのは、三枚の手紙だった
優希
その中の一枚は
「優希へ」
と
書いてあった
優希
私は、その手紙を手に取り、読み始めた
優希へ
優希の事を大切にしてやれなくてごめんね。 お母さんはその事で毎日後悔してた…。
それと、いつも喧嘩ばっかりしてごめんね。 私は、正直あの時の喧嘩が楽しいなと思ったこともあるな。 大人になったらもう、こんなこと出来ないからね…。 優希は、そんなこと思ってもいないよね。
名前も男の子っぽくして ごめんね。 優希は、知らないと思うけど、 名前の由来は 「いつでも優しさと希望を持って生きる」 と言う意味なんだよ。 優希は、いつでも優しさと希望を持っているのを、お母さんは知ってるから、自信持ってね。
翔の事を気にかけすぎて、 優希に構ってあげられなくて ごめんね。 翔の事も大切だけど、 先に生まれてきてくれた 優希の事が一番に 大切だからね。 勘違いさせてしまったら ごめんね。 このことは、翔に秘密ね。
お母さんは、優希に謝ることが沢山あるな。 この手紙も「ごめんね」ばっかりだね。
優希に 「お母さんなんか嫌い!!あんたなんて、死ねばいいのに!!」って言われた時、 「優希に辛い思いばっかりさせてたな…。」と思ったよ。 それからは、話さなくなってしまったけど、いつも謝りたいと思ってた…ごめんね。 私は、母親失格だね。
優希がお母さんの事嫌いでも、 お母さんは、いつでも優希の事が大好きだからね。 次、生まれてくる時も、 私は、優希のお母さんに なりたいな。
お母さんより
読み終えた途端
私の目から、ボロボロと涙が出てきた
優希
優希
"大嫌い"と思っていた だけで
本当は "大好き" だったんだ
優希
優希
優希
優希
優希
優希
優希
優希
優希
優希
どんなに叫んだって
どんなに泣きわめいたって
もう、お母さんに届くことは無い
優希
抱えきれないほどの
悲しみと辛さ
消えることのない後悔
優希
もう、お母さんには会えないんだ
もう、お母さんの声はきけないんだ
あの時みたいに、喧嘩出来ないんだ
お母さんの料理を食べる事は出来ないんだ
そう思うと
辛くて悲しくて
涙ばかり出てくる
優希
お母さん
優希
もう、お母さんは生きていないから、きっと幻だろう
だとしても…
優希
お母さん
お母さん
優希
優希
お母さん
優希
お母さん
お母さん
お母さん
優希
お母さん
優希
優希
優希
優希
お母さん
優希
お母さん
優希
お母さん
お母さん
優希
私の言葉を最後に、お母さんは消えてしまった
優希
優希
優希
私は、残りの二枚の手紙を持ち、お父さんと弟のいる一階に降りた
優希
お父さん
翔
優希
優希
私は、二人に手紙を渡した
お父さん
翔
手紙を読み終えた二人は、 涙を流した
その手紙に書かれていた内容は
二人に対する愛情で溢れていた
優希
優希
お父さん
翔
私達は、お母さんの分まで幸せになる約束をした
10年後
今日は、お母さんの命日だった
優希
優希
優希
優希
優希
優希
優希
そう言う私の目からは、涙が出ていた
優希
涙を止めてから、私は話始めた
優希
優希
優希
優希
優希
お母さん
優希
お母さん
優希
お母さん
優希
お母さん
お母さん
お母さん
笑顔で、涙を流しながら、 お母さんはそう言った
優希
優希
お母さん
お母さんは、そう言うと、消えていった
優希
優希
悲しんでいる時、向こうから翔がやって来た
翔
優希
お父さん
優希
優希
お父さん
優希
優希
翔
お父さん
皆お母さんに一言 言ってから、手を合わせた
なんとなくだけど
お母さんが笑顔になってる
そんな気がした。
それからも、 皆仲良く幸せに暮らした。
コメント
11件
いい話…感動!
すごくて泣きます
感動😭いい話すぎる!どうやったらこんなお話が書けるんですか?