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私はお母さんが

嫌いだった

いつも喧嘩ばっかりで

弟の事優先してばっかりで

弟の事を大切にしていた

私の事なんか

大切にしてくれ なかった

そしてある日

お母さんに

「お母さんなんか大っ嫌い!!あんたなんて、死ねばいいのに!!」

言ってしまった

それが本当に なるなんて

思ってもいなかった…

それは突然の出来事だった

優希

…え?

中学校と小学校から 連絡があり、 私と弟は、急いで病院に来た

優希

"お母さん"が亡くなった…?

お父さん

…あぁ

お父さん

仕事からの帰り、車に引かれたんだ…

お父さんはそう言うと、涙を流した

私はお母さんの近くに行き、 お母さんに触れた

お母さんの体は、冷たくなっていた

…パパ、嘘だよね?

弟は小学四年生だ

まだ、大切な人が死ぬ経験をしていない

お父さん

ねぇ、嘘って言ってよ!!

お父さん

嘘じゃないんだ…

…っ

嫌だ!!お母さん!!

お父さん

翔…

翔は涙を流しながら、 冷たくなったお母さんに 抱きついた

お父さんも翔も泣いているのに

私は泣いていない

泣けない

お母さんが嫌いだったからだ

けど、泣けなかった事を後から

私は後悔した

私は、自分の部屋でボーッと していた

優希

優希

いつも…、こんなに静かだったっけ…?

優希

お母さんが居ないからか…

優希

私って、もっとうるさくなかった…?

優希

…お母さんが…居ないからか…

「お母さんが居ないから」

この言葉しか、思いつかない

お父さんも翔も変わってしまった

もう、以前のようには戻らない

優希

優希

そういえば、お母さんの部屋って私の部屋の隣だな…

優希

久しぶりに入ってみようかな…

キイィィ…

私は、お母さんの部屋のドアを開けた

最後にお母さんの部屋に入ったのは、1年ぐらい前の事だっただろうか

1年前と、部屋の景色は変わっていなかった

お母さんは綺麗好きだったはずだが

珍しく、机の上が散らかっていた

優希

(何だろう…)

散らかっていた机の上にあったのは、三枚の手紙だった

優希

手紙……

その中の一枚は

「優希へ」

書いてあった

優希

私…?

私は、その手紙を手に取り、読み始めた

優希へ

優希の事を大切にしてやれなくてごめんね。 お母さんはその事で毎日後悔してた…。

それと、いつも喧嘩ばっかりしてごめんね。 私は、正直あの時の喧嘩が楽しいなと思ったこともあるな。 大人になったらもう、こんなこと出来ないからね…。 優希は、そんなこと思ってもいないよね。

名前も男の子っぽくして ごめんね。 優希は、知らないと思うけど、 名前の由来は 「いつでも優しさと希望を持って生きる」 と言う意味なんだよ。 優希は、いつでも優しさと希望を持っているのを、お母さんは知ってるから、自信持ってね。

翔の事を気にかけすぎて、 優希に構ってあげられなくて ごめんね。 翔の事も大切だけど、 先に生まれてきてくれた 優希の事が一番に 大切だからね。 勘違いさせてしまったら ごめんね。 このことは、翔に秘密ね。

お母さんは、優希に謝ることが沢山あるな。 この手紙も「ごめんね」ばっかりだね。

優希に 「お母さんなんか嫌い!!あんたなんて、死ねばいいのに!!」って言われた時、 「優希に辛い思いばっかりさせてたな…。」と思ったよ。 それからは、話さなくなってしまったけど、いつも謝りたいと思ってた…ごめんね。 私は、母親失格だね。

優希がお母さんの事嫌いでも、 お母さんは、いつでも優希の事が大好きだからね。 次、生まれてくる時も、 私は、優希のお母さんに なりたいな。

お母さんより

読み終えた途端

私の目から、ボロボロと涙が出てきた

優希

うっ……ぐっ……

優希

お母さん……、私の方こそ、ごめんなさい……!グスッ

"大嫌い"と思っていた だけで

本当は "大好き" だったんだ

優希

私も…お母さんとの喧嘩……、楽しかったなんて…思ってしまったことあるよ……!!グスッ

優希

名前なんてもう、そんなの気にしてないよ…!グスッ
いい名前付けてくれてありがとう…!グスッ

優希

勘違いして、ごめんなさい…!!グスッ
私だって、お母さんの事大切だよ…!!グスッ

優希

私も謝ること沢山だよ…!!グスッ いつも迷惑かけてごめんなさい…!!グスッ

優希

あの時は、「嫌い」「死ねばいいのに」なんて言って、ごめんなさい…!!グスッグスッ
もう、許されることじゃないけど……グスッグスッ

優希

私だって……いつも謝りたいと
思ってたよ………グスッ

優希

お母さんは…母親失格じゃないよ!!グスッ 私は、サイテーだった…、私は娘失格だよ……!グスッ

優希

私、お母さんの事嫌いじゃないよ……!グスッ あの時は、嫌いだなんて言ってごめんなさい……後悔してるグスッ

優希

私もお母さんの事大好きだよ!!グスッ次生まれて来る時も、私はお母さんの娘になりたい!!グスッ…

優希

うわああああぁぁぁぁぁぁぁ…!!

どんなに叫んだって

どんなに泣きわめいたって

もう、お母さんに届くことは無い

優希

あの時、病室で泣けなくて
ごめんなさい…!グスッグスッ

抱えきれないほどの

悲しみと辛さ

消えることのない後悔

優希

うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!……

もう、お母さんには会えないんだ

もう、お母さんの声はきけないんだ

あの時みたいに、喧嘩出来ないんだ

お母さんの料理を食べる事は出来ないんだ

そう思うと

辛くて悲しくて

涙ばかり出てくる

優希

うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!……

お母さん

もう、そんなに泣くんじゃないの。目が腫れちゃうわよ。

優希

……お母さん?!

もう、お母さんは生きていないから、きっと幻だろう

だとしても…

優希

お母さん!!

お母さん

優希!!

お母さん

ごめんね。お母さん、ずっと優希に謝りたかった。

優希

私こそ、お母さんに謝りたかった!!

優希

ごめん……ごめんなさい…グスッ

お母さん

そんなに謝らなくてもいいわよ。

優希

だって、私……お母さんにひどいこと言った…!!

お母さん

それはお母さんも同じ。

お母さん

お互い様でしょ。

お母さん

だから、これでおしまい。ね?

優希

…うん グスッ

お母さん

そろそろ、お母さんは行かなきゃ行けないみたい…

優希

まって…行かないでよ!!

優希

私、お母さんとまた、あんな風に喧嘩したいよ!!

優希

まだまだ、沢山したいことあるのに……

優希

お母さんと一緒にいたいよ……グスッ

お母さん

ごめんね……優希。

優希

お母さん…

お母さん

お父さんと翔をよろしくね。

優希

…うん

お母さん

お母さんは、いつでも上から優希のことを見ているからね!

お母さん

優希、大好きだよ…!!

優希

私も…お母さんが大好きだよ!!

私の言葉を最後に、お母さんは消えてしまった

優希

うっ…うう"……グスッ

優希

お母さん………グスッ

優希

私、絶対お母さんの分まで幸せになるから…!!

私は、残りの二枚の手紙を持ち、お父さんと弟のいる一階に降りた

優希

お父さん!!翔!!

お父さん

なんだ……、お父さんは、今落ち込んで……

…お姉ちゃんか…何…?

優希

この手紙を見て!!

優希

お母さんの部屋の机にあったの!!

私は、二人に手紙を渡した

お父さん

これは……!!

お母さん……!!

手紙を読み終えた二人は、 涙を流した

その手紙に書かれていた内容は

二人に対する愛情で溢れていた

優希

私達が泣いてたらお母さん、悲しむよ!!

優希

だから、私達がお母さんの分まで幸せになろう!!

お父さん

あぁ……そうだな!

…うん!僕、お母さんの分まで幸せになる!!

私達は、お母さんの分まで幸せになる約束をした

10年後

今日は、お母さんの命日だった

優希

お母さん、私もう25歳になったよ。

優希

もう、おばさんになるのかな?笑

優希

翔も今年で20歳だよ。

優希

時の流れは早いね。

優希

お父さんは、いつも元気に仕事してるよ。

優希

いつも皆仲良くして、幸せだよ。

優希

10年前の約束、ちゃんと守れてるかな…

そう言う私の目からは、涙が出ていた

優希

やだ……ごめんね。

涙を止めてから、私は話始めた

優希

お母さん、私今度ね、愛する人と結婚するんだ。

優希

こんな私でも愛してくれる人いたよ。

優希

だから私、ちゃんと幸せになるね。

優希

お母さんが沢山の幸せをくれた分、次は私がお母さんを幸せにするから。

優希

この声、お母さんに届いてるといいな…。

お母さん

届いたわよ。

優希

お母さん?!

お母さん

優希、良かったね。愛する人が見つかって。

優希

うん、ありがとう。

お母さん

いつも、三人で仲良くして幸せそうなのを見ると、お母さんも幸せになってるよ。

優希

それなら、嬉しいな。

お母さん

お母さんも。

お母さん

いい?優希

お母さん

結婚して幸せになるのよ。じゃないとお母さん許さないからね!

笑顔で、涙を流しながら、 お母さんはそう言った

優希

うん!

優希

お母さん、この先もずっと大好きだよ!

お母さん

私も、優希の事が大好きよ!

お母さんは、そう言うと、消えていった

優希

…グスッ

優希

毎年消えちゃうけど……、ずっと一緒にいたいなぁ……グスッ

悲しんでいる時、向こうから翔がやって来た

優希!!

優希

翔!!

お父さん

優希!

優希

あれ?お父さん?!

優希

今日、仕事じゃ__

お父さん

今日は、お母さんの命日だからな。仕事は早めに抜けてきた

優希

そっか。

優希

お母さん、皆そろったよ。

お母さん、俺もう大人になったよ。

お父さん

お母さんのおかげで、毎日仕事頑張れるよ。

皆お母さんに一言 言ってから、手を合わせた

なんとなくだけど

お母さんが笑顔になってる

そんな気がした。

それからも、 皆仲良く幸せに暮らした。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

11

ユーザー

いい話…感動!

ユーザー

すごくて泣きます

ユーザー

感動😭いい話すぎる!どうやったらこんなお話が書けるんですか?

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