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私はただの奴隷

__様の忠実ナる 下僕

あの方の命令となれば 誰でも暗殺する

だって あの方は私の命の恩人だから

だから…

あの方が叩いてきても

蹴ってきても

寒い地下室に閉じ込めても

私は 何も思わない

だって私は あの方の操敵«マリオネット»だから

操敵は あの方の命令だけを聞く 良い子

だから 私は良い子でいないといけない

でも_あの時 私は

純玲 スミレ

純玲 スミレ

(寝てたのかな……)

純玲 スミレ

……(あの方が私を調節してくれてる)

純玲 スミレ

(だからこれは苦なんかじゃない)

純玲 スミレ

だって 私は«操敵»だから

純玲 スミレ

あの方の命令だけを
聞ける良い子

純玲 スミレ

もっと…頑張らなきゃ……

純玲 スミレ

(_でも)

〔あの方は何時になったら 私を認めてくれるんだろう〕

〔ずっと…頑張っても認めてくれない〕

〔なんで…なんだろう〕

〈ガチャッ〉

純玲 スミレ

… お祖母様……!

…純玲…早くお逃げ…

純玲 スミレ

…ぇ…?

御免ねぇ……あの子が

ずっと
苦しかったんだよねぇ…

純玲 スミレ

お祖母様……
どういう…事で御座いますか…?

…あの子がねぇ……

貴方を処刑するって言い出したんだよ

純玲 スミレ

…ぇ……ぇ…?

だから…早くお逃げ

遠い…遠ぉい…遥か彼方の林まで走っておゆき!

純玲 スミレ

お祖母様……未だに理解が出来ません…

純玲 スミレ

どういう…事ですか…

居たぞーー!

彼奴だ!

彼奴を殺せば
褒美を沢山貰える!

純玲 スミレ

…!

早く行くんだ!

純玲 スミレ

ッ……!

純玲 スミレ

ダッ )

あ!逃げたぞーーー!
追いかけろ!

…ッ……御免ねぇ…

御免ねぇ……

純玲 スミレ

はぁッ……!
はぁッ…!はぁッ…!

〔あのお方は何故?〕

〔何故 私を処分しようとするの?〕

純玲 スミレ

よく…分からない…ッ

純玲 スミレ

はぁっ…はぁっ……!

息が上がる

身体が悲鳴を上げ始めた

逃がすなーー!

どうして

ねぇ…

私が…処分されなきゃイケナイの?

純玲 スミレ

はぁっ はぁっ!

純玲 スミレ

はぁっ……はぁっ

もう走れない

動けない

…もう……どうでもいいや

私は壊れたんだ

だから処分されるんだ

はぁっ……はぁっ…やっと…捕まえたぞ!

さっきの人達が私を取り囲み

剣を取り出す

へっ!
悪いな!俺達の飯代になってくれッ!

そう言いながら 剣を上げ 振りかざした

純玲 スミレ

…(嗚呼…やっと楽になれる)

純玲 スミレ

……(でも)

純玲 スミレ

(こんな死に方は…嫌だな)

神様

どうか

来世では 幸せな人生を送らせて下さい

«ザシュッ»

純玲 スミレ

純玲 スミレ

(此処……は…何処…)

純玲 スミレ

私…さっき…死んだ筈じゃ…

水彩 スイサイ

お目覚めですか?

純玲 スミレ

…?

純玲 スミレ

だ…れ?

艷めく長い白髪

海のように蒼く 深い瞳

そんな不思議な人は微笑んでから 手を自分の胸に当てた

水彩 スイサイ

自己紹介が遅れてしまいましたね

水彩 スイサイ

私は 水彩と申します

髪を揺らし 眼鏡を掛け直す

その仕草は まさに人形の様だった

純玲 スミレ

…此処……は?

水彩 スイサイ

……此処ですか…

貴族の方が何時も睡眠を取っているようなベッドに

少し古びた椅子

薄めのカーテンは シャンデリアの灯を受けて 少し透けている

水彩 スイサイ

此処は 昔 私が使用していた寝室ですね

水彩 スイサイ

現在は 睡眠を取らなくても生きていける様になったので あまり使用はしませんが

水彩 スイサイ

貴方の様な客人を招待する為の部屋として活用しています

純玲 スミレ

客人…?

その言葉に疑問を感じた

純玲 スミレ

私は客じゃなくて…
ただの操敵

水彩 スイサイ

«彼女»は一瞬 顔から笑みを消したが すぐにまた目を細め 笑顔を造った

水彩 スイサイ

貴方は立派な客人ですよ

純玲 スミレ

…?

水彩 スイサイ

…此処は

水彩 スイサイ

表側はただの本屋

水彩 スイサイ

裏側は 普通じゃない本屋なんです

純玲 スミレ

普通じゃない本屋…?

水彩 スイサイ

はい

水彩 スイサイ

普通じゃないので

純玲 スミレ

…そうなの?

水彩 スイサイ

はい

水彩 スイサイ

そして

彼女が瞳を揺らしながら発言する

水彩 スイサイ

貴方は本の世界の住人です

正直 耳を疑った

純玲 スミレ

私が…本の世界の住人…?

純玲 スミレ

……どういう意味…?

水彩 スイサイ

此処で売っている本は全て«生きている»んです

«生きている…»

水彩 スイサイ

まぁ…私が動かしているといっても過言ではありませんが……

水彩 スイサイ

貴方…生きているでしょう?

純玲 スミレ

…うん

純玲 スミレ

生きてる

純玲 スミレ

心臓の鼓動も

純玲 スミレ

脈も

純玲 スミレ

身体も声も動いてるし
話せる

水彩 スイサイ

それが〔生〕です

水彩 スイサイ

貴方は人間ではなく

水彩 スイサイ

人形«ド-ル»
という種族な だけで

水彩 スイサイ

ちゃんと生きているんです

水彩 スイサイ

そして 本の世界から生まれてきた主人公

水彩 スイサイ

それが
貴方という者なのです

純玲 スミレ

…難しくてよく分からない

水彩 スイサイ

無理矢理 今理解しようとしなくても結構です

水彩 スイサイ

いずれ 分かる事ですので

(〘いずれ〙…その言葉が妙に引っかかった)

水彩 スイサイ

そして
貴方は本の中から出て〘自由〙という願いを叶えた

水彩 スイサイ

本来なら願いは一つまでなのですが…

純玲 スミレ

…?

水彩 スイサイ

…貴方は特別に残り 2つ叶えて差し上げます

水彩 スイサイ

ただし条件付きですが…

純玲 スミレ

条件付き?

水彩 スイサイ

はい

水彩 スイサイ

少々
頼みたい依頼がありまして

その時の 彼女の顔は先程よりも無理して笑っているような気がした

𝕟𝕖𝕩𝕥➯➱➩

第三話 命に嫌われている

〔メインストーリー〕白昼夢に泳がされて

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コメント

8

ユーザー

すみれちゃん、相変わらず可愛い🥰💗 落ち着いてて、静かだけど、譲れないものもある…って感じ✨️ 水ちゃんは謎だらけだなぁ…

ユーザー

純玲ちゃん……そんな過去があったのね… 続き楽しみ〜!!!!

ユーザー

メガネ水彩、良いな カンザキさんやないか_(˙꒳​˙_待機)

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