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――夜明け前、立つ者がいない場所で

夜明け前の森は音が少なかった

虫の声、風のざわめきもどこか遠い

まるで世界そのものが息を潜めているみたいだった

焚き火は完全に落とされ、残った灰が微かに白い

その冷えた円の外側で俺は立っていた

弓を持つ指先に、わずかな緊張が走っている

みこと

(……静かすぎる)

視線を巡らせる

木々、影、地面

みこと

すちくん、

声を落として言う

すち

……ん?

すちは少し離れた場所で座っていた

回復具を並べ、魔力の流れを整えている

みこと

嫌な感じがする……

すち

……うん

すちも同じ違和感を抱いていた

すち

森が…淀んでる

その言葉の直後

空気が、沈んだ

一瞬で分かる

これは"何か来る"前の静けさだ

弓を引き絞る

木々の間

闇の奥で、影が揺れた

単体___じゃない

みこと

(結構、数が多い…)

数を数える余裕もない

すち

前線が……いない、

ぽつりと、すちが言う

それは事実だった

LANも、いるまも、こさめも、暇72も

まだ眠っている

そして、不運なことに

4人が眠る場所は離れていた

起こすべきか

でも、間に合う?

考える前に地面が鳴った

低く、重い音

獣の足音とは違う

鎧を引きずるような鈍さ

影が姿を現す

大きい

硬い

魔力の反応が異様に濃い

みこと

(……ッ)

___強敵

本能がそう言ってる

怖くて足がすくんだ

すち

……ッ

すちの顔も強ばっていた

怖い___

でも、やらないといけない

みこと

ッッ

矢を放つ

風を切る音

___命中

だが、影は止まらない

みこと

チッ

もう1本

もう1本

削れるが倒れない

距離が詰まる

みこと

すっちー、下がってッッ!

すちは魔力を集中させる

結界___

影が、踏み込む

一歩、二歩

その圧で、空気が震える

みこと

(間に合わないッッ)

そう思った瞬間

下がれ!

鋭い声が夜を裂いた

金属音が鳴り響く

剣が影を受け止めた

火花

衝撃

みこと

……っ!?

すち

ひまちゃッ!?

暇72が前に立っていた

寝起きのままの髪

それでも、目は完全に覚めている

暇72

気配が……変だった

暇72

みこと、距離とれ!

みこと

わ、わかった!

咄嗟に走り出した

暇72の動きに合わせて射線をつくる

みこと

っ……!

矢が飛ぶ

見事、敵の瞳に命中した

影が体勢を崩す

みこと

すっちー、今!

すち

任せて……!

すちの魔力が広がる

暇72の剣に強化魔法

明らかに剣が軽くなっている

暇72が斬る

そこに矢を飛ばす

暇72のもう一撃

影が地面に崩れ落ちる

静寂

みこと

た、助かった……?

安堵で弓を下ろす

すち

ひまちゃん、大丈夫、?

暇72

、、大丈夫

その時、暇72の足が揺れた

みこと

わわっ

咄嗟に支える

すち

……大丈夫じゃないじゃん、、

みこと

無茶しすぎ……でも、ありがとう

その時、足音が近づいた

いるま

何があった!?

LAN

……起きたら、なつが居なくてびっくりしたよ

こさめ

すごい音したよ……?

三人が状況を見て息を呑む

倒れた影

立ち尽くす三人

LANが静かに言った

LAN

ありがとう、なつ

いるまは何も言わず暇72の肩を叩く

こさめ

前に立つの、似合ってきたね

こさめが少し笑った

暇72は何も言わない

ただ、夜明けの空を眺めていた

薄い光が森を染めていく

前線はただの役割じゃなくなっていた

この六人の中で

自然に選ばれた場所になっていた

滅びに名前がつく前に

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