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rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 瑞様体調不良 二次創作
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第61話『見覚えの道』
朝。
携帯に届いた一通のメッセージを見て、らんは思わず眉を寄せた。
送ってきたのはみことだった。
詳しい様子までは書かれていなかったが、誕生日を目前にしての体調不良と聞けば、胸がざわつかないはずがない。
らん
気が付けば声に出していた。
落ち着かない気持ちのまま部屋をうろつき、結局じっとしていられなくなった。
らん
足が自然と動いていた。
昼前。
こさめの家に向かうために外へ出たら、妙な感覚があった。
らん
知らないはずの道なのに、角を曲がるたび「ここだ」と確信が生まれる。
地図を確認するよりも早く、足が迷いなく進んでいく。
胸の奥が、強く脈打っていた。
らん
らん
そんなあり得ないはずの思考に、自分で自分を否定しようとする。
だが足取りは確かで、止めようがなかった。
目的地に着いた瞬間、胸がざわついた。
玄関先のドアを見ただけで、心臓が大きく跳ねる。
らん
チャイムを押す前に、ドアが開いた。
中から顔を出したのは、すちだった。
すち
らん
すち
すち
すちはタオルを首にかけていて、片手には買ってきたらしいスポーツドリンクを提げていた。
その姿が妙に板についていて、らんは思わず「らしいな」と苦笑する。
すち
すち
促されるまま中に入ると、すぐにこさめの部屋へ案内された。
布団に横たわるこさめは、額にタオルを乗せ、荒い呼吸をしていた。
顔色は青白く、熱で額は赤く染まっている。
らん
らんは思わず声をかけた。
薄く開いた目がこちらを向き、弱々しい笑みが浮かぶ。
こさめ
こさめ
らん
こさめ
声は掠れていたが、確かに届いていた。
その一言に胸が締め付けられる。
すち
すち
すちが低い声で言う。
らんは頷き、布団の端にそっと腰を下ろした。
しばらく、三人の間に静けさが流れる。
こさめの寝顔を見つめていると、不意に頭の奥でざわつきが走った。
──視界が歪む。
らん
ノイズと共に、光景が切り替わる。
──同じ部屋。
布団に横たわるこさめを囲んで、笑い合う声があった。
なつ
なつが呆れ混じりに笑う。
いるま
いるまが冷静に言い、
らん
らん自身がコップを差し出していた。
そして隣で、すちが額にタオルを当てている。
すち
──既視感。
あまりにも鮮明で、現実と区別がつかない。
らん
頭を抱えた瞬間、すちがこちらを見た。
すち
らん
すち
短いやり取り。
けれどその声が、確かにらんを現実に引き戻してくれた。
夕方。
こさめの熱はまだ下がらなかったが、呼吸は少し落ち着いてきた。
すちは台所で新しいタオルを冷やし、らんはそっと布団の端を直す。
すち
らん
すち
不意にすちが呟いた。
その声はぶっきらぼうでありながら、どこか温かかった。
らんは小さく笑った。
らん
胸の奥で、確かな既視感が脈打っている。
ここにいることが自然で、当たり前で。
それが「思い出せていないこと」の証であることが、切なくもあった。
夜。
コンビニで飲み物を買おうと、夜の街を歩く。
その帰り道、らんは振り返って小さく呟いた。
らん
こさめの笑顔。
仲間と共に看病していた日。
消えたはずの記憶が、少しずつ戻ってきている。
らん
強くそう心に刻みながら、らんは再び夜の街を歩き出した。
第61話・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡500
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コメント
1件
こさちゃんの誕生日どうなってるのかな