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灰猫
40
43
#類司
ねる
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一方、プールサイドでは一歌が、志歩と穂波を追って激流へと身を投じようとしていた。 一歌の喉からは、もはや言葉にならない獣のような悲鳴が漏れている
一歌
プールの縁が、彼女の重みに耐えかねて崩れ始める。一歌の体が、吸い込まれるような水流へと傾く
一歌
一歌は濁流の中に落ちてしまう
一歌
一歌
一歌
一歌達レオニはいつも一緒だった。一緒にしし座流星群を見て、ずっと一緒にいようね、と約束した。だけど…
咲希
咲希が遠くに行ってしまった
志歩
志歩が独りになろうとした
穂波
穂波を守れなかった
一歌
そうずっと考えていたら…4人以外何も見えなくなってしまった
冷たい水流が視界を遮り、一歌の体は鉛のように沈んでいく。泡立つ水泡の向こうに、かつてバラバラになった頃の親友たちの背中が見える
一歌
近くに大きな口が迫る。それと同時に一歌は意識を手離しかけた
パシッ
腕を焼かれるような熱い衝撃が走る
一歌
えむ
えむが激流に身を乗り出し、一歌の腕を鷲掴みにする
一歌
えむ
えむの小柄な体のどこにそんな力があるのか、類の支えを受けながら、泥濘から一歌を引きずり上げる
一方で、志歩と穂波を追った彰人と冬弥も、極限の連携を見せる。 彰人が冬弥の肩を足場に跳躍し、吸水口の間際で二つのぬいぐるみをキャッチする
彰人
乱暴な言葉とは裏腹に、二つのぬいぐるみを壊れ物を扱うように抱きしめる彰人
引き上げられた一歌は、コンクリートの上で激しく水を吐き出す。そこには、怒りと安堵が混ざり合った、異様な空気が流れていた
彰人
一歌
冬弥は、志歩と穂波のぬいぐるみを一歌の前に静かに置く。 冬弥の瞳は、まだ冷たい。しかしその奥には安堵と優しさが残っていた
冬弥
愛莉が一歌の肩にバスタオルをかけ、強く抱きしめる
愛莉
冷たい水流とは反対に温かな空気がプールサイドに流れた
ネネ
ネネ
コメント
1件
第19話、読み終わりました。一歌の絶望が本当に苦しくて…「私の音楽も、思い出も、この命も全部あげる」の台詞で胸が締め付けられました。そこからのえむさんの「一人でも欠けちゃダメ」は、まさに希望の光ですね。彰人と冬弥の連携も格好良かったですが、冬弥の「死ぬまで謝り続けてもらう」という言葉に、許しじゃなくて繋ぎ止める覚悟を感じてじーんと来ました。愛莉が抱きしめるラスト、温かくて涙が出そうです。