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どうも、くらげです

今回のCPは桃青です

死ネタが含まれますので
苦手な方はご注意下さい

かなり暗い話ですので、
見る人を選ぶかもです

感動系を目指して
書いてみました…!

こちらの作品はirxs様のnmmn作品です BL要素が含まれますので苦手な方はご注意下さい また、コメント欄では 検索避け(例:🤪くん、青くん)の方 よろしくお願いします ※ご本人様には一切関係ありません

それではどうぞ

あれは、 絶対に忘れることのない 桜咲く季節のこと

高校三年生の卒業式前日

俺は恋人のないこと 二人で帰っとった

明日で卒業か〜…

まぁまぁ!

別に会えなくなるわけ
じゃないんだしさ!

まぁそやけどさぁ

確かに卒業したからって 会えなくなるわけやない

それでも今までのように 毎日は会えへん

お互い進路も決まっとるから これから忙しくなる

寂しい、なんて言っても 困らせるだけや

やからこの想いは そっと胸に仕舞う

…まーろっ♪

なんや…?

俺もまろと会う機会が
減って寂しいよ?

でも、離れてても
心は繋がってる

そうでしょ?♪

花が咲いたような笑みを 浮かべながら、 そう言い放つないこ

俺の考えとったことは 見透かされとるみたいや

何処にいてもお互いを 愛し合っとることには変わりない

ないこに言われてハッとした

俺は大切なことを 見落としとったみたいや

せやな!

これからも
ずっと一緒やで、ないこ!

もちろん!

二人でほんのり 頬を赤らめながら笑い合う

何十年先やって二人で こんな風に過ごせたらええな

そう心から思った

 

やけどそんな想いは 一瞬にして崩れ落ちた──

まろっ─!!

へ、─

キキーッ

ドンッ💥

後輩

キャーッ!!

通行人

人が轢かれたぞ!

通行人

早く救急車をッ!!

何が起きたんか、わからんかった

車道を走っとったはずの車が 気がつけば目の前に来とった

ないこの叫ぶ声に驚く間もなく、 体が宙に浮いていた

次の瞬間には全身に 強い痛みが走った

周りの焦る声が どこか遠く聞こえる

そうや、ないこはッ⁉︎

俺を庇ってくれとったはず…

え…ッ

目の前のないこは 全身が真っ赤に 染まっとった──

ないこッ…⁉︎

まろ…ッ

怪我は、ないッ、、、?

俺は大丈夫やけど…ッ

それよりもないこがッ…!!

よかっ、たぁ…

まろのこと守れて、、、

今周りの人が
救急車呼んで
くれとるからッ!!

事故の様子を見とった人たちが 警察や救急車を呼んでくれとる

直に到着するやろう

ねぇ、まろ…ッ?

なんや、ッ?

俺、もう無理かも…w

そんなこと
言わんといてやッ!!

自分の体のことは
俺が一番よくわかってるよ…

多分俺は助からないッ…

そんな…ッ

俺の頭には 絶望の文字しか浮かばへん

目の前で命が尽きようとしとる 彼氏の姿をただ 見ることしかできへん

そんな自分に嫌気が差す

いややッ、
置いていかんといてッ…!ポロポロ

泣かないでよ、w

俺もずっとまろと
一緒に居たかった…

俺の分まで生きろよなッ

世界で一番、
愛してる、、、ニコッ

ないこッ!?

なぁ、返事してやッ…

俺も世界で一番
愛しとるよ…ッポロポロ

涙で滲んだ視界に見えたんは、 優しい笑みを浮かべて眠る ないこの姿やった──

 

 

 

ピッピッピッ

ん、

んんぅ…

規則的に響く機械音

起きたばかりで揺れる 視界の中映ったのは、

見慣れへん 真っ白な天井やった

ガバッ

は…

ここは、どこや…?

って、そうや!ないこ!!

確かないこと帰っとって 車が突っ込んできて…

ガラガラガラ

医者

あ、お目覚めに
なられたんですね!

医者

お体の調子はいかがですか?

まぁ、なんとか…

医者

それはよかったです

あ、あの!

医者

はい、どうされましたか?

ないこ…

俺と一緒におった彼は
どうなったんですか⁉︎

医者

その件、なのですが…

医者

残念ながら、
息を引き取られました…

そ、そんなッ…

ないこが、死んだ、、、?

あの明るくて、大食いで、 体力バカで俺のこと 大好きなアイツが…?

にわかには信じられんかった

でも、医者の真剣な顔を 見とったらその事実を 受け入れるしかなかった

医者

救急車が到着した頃には
もうすでに息を
引き取っていられました…

医者

お力になれず申し訳
ございませんでした…

あ、頭を上げてくださいッ!

お医者さんが悪いわけじゃ
ないですから、、、

医者

ありがとうございます…

医者の説明によると ないこが庇ってくれたおかげで 俺は何とか死なずに 済んだらしい

もしそうやなかったら 二人とも即死やったらしい

……ッ

俺は、最低なことを思った

ないこのいない世界で 生きるぐらいなら 一緒に死んでしまいたかった

一人で生きていることが 耐えられへんかった

やけど、ないこの最期の 言葉を思い出した

「俺の分まで生きろよな」

ないこは命を俺に託した

俺が自殺するってことはつまり もう一度ないこが死ぬ…

いや、俺がないこを殺すってことや

こんなん、呪いやん…ッ

俺はないこの一言で、 どんなに辛くても自ら 命を断つことは叶わなくなった

きっとこれが ないこの目的なんやろうな

俺を生かすために…

流石、やなぁッ、、、

ホンマ、どこまでも狡いヤツ…

その日、俺の脳内は 桃色でいっぱいやった

(ないこ…)

心の整理がつき切らないまま 迎えたないこの葬式

穏やかな顔をして眠る ないこを何とも言えへん 感情で見とった

ないこがもうこの世に おらんって再認識して また泣きそうになった

(ッ…)

泣くな、俺…

ここで泣いたらないこに 心配かけてまうやんか…

桃の母親

いふくん…

あ、ないこのお母さん…

どうされたんですか…?

桃の母親

あの子と、仲良くしてくれて
ありがとうね

桃の母親

いつもあなたの話をする
ないこは幸せそうだったわ

そう、やったんですね…

ないこ、俺のこと好きすぎやろ…

あぁ、ホンマに…

(好き、やなぁ…ッ)

俺の頬に一筋の涙が伝った

あれから何年もの月日が経った

俺はすっかり大人になって、 会社員として務めとる

有名企業に入社し、 そこそこのポストに 就かせてもらっとる

カタカタカタカタ

ただひたすらに画面を見ながら 文字を打ち込む

これが社会の歯車か、 なんて悲しいことを考える

体は随分大人になっても 心はずっとあの頃で止まったまま

あれから恋人が できたことはなかった

正確にはもう他の誰かを 心から好きになれると 思えないんや

俺にとってないこを 超える人はおらんのや

一緒に卒業できへんかった アイツが死んでもなお 俺の心を支配する

俺の中のないこの存在は めちゃくちゃ大きいものや

記憶からどんどん 薄れていく思い出たち

毎日のようにメールして、 二人で帰り道で大笑いした あの日常は2度と帰ってこない

そんな非情な現実は 俺に重くのしかかる

はぁ…

後輩

どうしたんですか?

後輩

溜め息なんてついて…

いや、ちょっとな、、、

直接的に言うんも 気が引けて濁して答える

後輩

あ、そういえば先輩

なんや?

後輩

先輩って彼女とか
居ないんですか?

おらんよ

後輩

えぇ、もったいない…

俺は当分作る気ないかな

後輩

先輩そんなんじゃ
婚期逃しますよw

余計なお世話やw

後輩

すみません、笑

後輩と談笑する時間も楽しいが、 やっぱり物足りへん

俺は新しい恋に進もうと 思えへん

仕事の同僚は知らんやろうが、 俺は同性愛者やから

恋人を作るんは 簡単なことやない

まぁ女性と付き合うんが 完全に無理というわけでもない

やけどどんな相手やったとしても 魅力的に思えへんのや

パタッ

今日のノルマ分を終えたため、 パソコンを閉じた

それじゃあお先に
失礼します

後輩

先輩おつかれ様です!

おつかれ〜

後輩に手を振り、 会社を後にした

 

ただいま〜…

一人暮らしのお世辞にも 綺麗とは言えへん 家に帰って来た

物が散乱し、汚部屋と 言われても仕方ないほどや

溜まった食器に 机に積まれた空き缶

はぁ…

ジャケットを脱ぎ、 ネクタイを緩めた状態で片付ける

多少なりとはマシになった

ないこはこんな俺の様子を見て なんて言うんやろうか

あの落ち着く声で 叱るんやろうな

きっとその後呆れながらも 片付けを手伝って くれるんやろうな…

ポロッ…

会いてぇよ、、、ポロポロ

お前が恋しくて恋しくて 仕方ないんや

もう会えへんってわかっとるのに 好きで好きでたまらないんや…

隣にないこがおらんことが 悲しくて仕方がない

当たり前に一緒におったのに、 失ってから俺の中でないこが どれだけ大切なんかを思い知った

透き通った桃色の髪に 綺麗な同じ色の瞳

優しい低音の声に 俺とほぼ変わらへん身長

寿司と香水とピアスが好きで…

気づいたら面影を探しとる

でも全く同じ人なんて おるわけもない

そんなの、わかっとる

代わりなんて存在せぇへん

ないこはもう、この世に存在しない

そんな非情な現実が 俺の心に深く突き刺さる

あれから10年近くが経過した

周りはもう10年経ったん やから立ち直れ、と言う

何度も割り切ろうとしたが 無理やった

酒のも、、、

冷蔵庫を開け、 いつもの缶チューハイを手に取る

すっかりストックも 減ってしまった

カシュッ

ゴクゴク

喉を通っていく炭酸

鼻から抜けるアルコールの香り

ないこは酒を飲めるようになる 前にこの世を去ってしまった

大人になることが叶わんかった

俺だけがあの頃に囚われたまま

今でもあの頃の夢を見る

二人で馬鹿騒ぎした日々、

デートに行ったこと、

そして、あの交通事故の日

車のブレーキ音

体が宙に浮く感覚

真っ赤に染まったないこの姿

昨日のことのように鮮明に蘇る記憶

ないこ、ッ

ないこぉ…ッ

愛しとるよぉ…!ポロポロ

俺の嗚咽は静かな部屋に反響した──

 

ピッピッピッピッ

あれから何十年の月日が 経ったんやろうか

心電図の音だけが鳴り響く 病室で死期が来るのを 待っているだけの生活や

結局俺はあれから恋を することはなかった

生涯独身の天涯孤独や

歩くこともままならない ほどになってしまった

もう、すぐ…か?

意識が朦朧としてきた

最期の気力を振り絞って ナースコールを押す

はぁ、はぁ、…

息がどんどんし辛くなってくる

医者

いふさん!?

医者

大丈夫ですか!?

担当医の先生が走ってやってきた

先生…
今までありがとう
ございました、、、

医者

いふさんとお話しするのが
いつも楽しみでしたッ

医者

今までお疲れ様でした…ッ

ありがとうッ、
ございました…

あぁ、もう俺も 死んでまうんやな

これでやっとないこの ところに逝ける…

スッ

俺はそっと目を閉じた──

 

 

 

んっ、ここは…?

目を開けると一面空が広がっとった

足元は雲のようや

まろッ…!

な、いこ…ッ?

何で、ないこが目の前に…

そっか、俺天界に来たんやな…

ガバッ

今まで、よく頑張ったね…

お疲れ様…

……ッ

ありが、とう…グスッ

ずっと、まろのこと
ここから見てたよ

俺のことなんて忘れて
次の恋に進んで
欲しかったんだけどなぁ…

そんなことできるわけ
ないやんッ…

俺のこと大好きじゃ〜ん!

当たり前やろッ!ポロポロ

んふ…w

目の前に、ないこがおる

その事実だけで涙が止まらへん

好きという気持ちが 溢れて止まらへん

ねぇ、ないこ…?

ん?どうしたの?

もう、離れ離れに
ならないッ?

うん、もう離さないよ

ずっと一緒だよ

…!

そっか、

そっかぁ…グスッ

これからは、 一緒に居れるんや…

ホンマに嬉しい…

もう、いつまで泣いてるの?

俺が死んでから
泣き虫になっちゃった?

なっちゃったぁ…ッ!ポロッ

ふふっ、ほんとかわいいね

うぅ…///ポロポロ

変わってないね、
すぐ照れるとこ

そーいうとこ
本当に好きだよ?笑

ホンマこいつは狡いヤツや…

俺が欲しい言葉、全部くれる

ないこの言葉が呪いで、 それでいて俺の特効薬や

ギュッ(強く抱きしめる)

どうしたの?

俺の気持ち分のハグ…

そっか…

まろの愛は本当に強いね

俺のことをずっと
好きでいてくれて、

ありがとう…!

おん、!

俺は、幸せもんや

ないこを好きになって、良かった

俺が今まで生きて来れたんは ないこのおかげや

ないこの分まで生きようって、 そう思えたんや

こちらこそ、俺のこと
ずっと待っててくれて
ありがとな!

…!

うんっ!

 ℯ𝓃𝒹.

あとがき

珍しく、あとがきです

まずは、読んでいただき
ありがとうございました!

皆様を少しでも感動させられて
いたら嬉しいです…!

軽く解説なんですが、
タイトルの意味についてですね

亡くなってしまって
卒業できなかった桃さんと

桃さんへの未練から
卒業できない青さんの
ダブルミーニングです

ちなみに桜は咲いている
期間は短いので、

桃さんの死の比喩となっています

 

もしよければ
コメントで感想を
教えてください!

小説投稿の励みになります!

ちなみに僕のお気に入り
ポイントは、

青さんの中で桃さんの言葉が
呪いから生きる理由に
なっているところですね!

あとがきまで読んでくださり
ありがとうございます!

それではおつくらです♪

この作品はいかがでしたか?

83

コメント

4

ユーザー

初コメ失礼します🙇‍♀️ この作品読んでる途中 思わず涙がボロボロ出ました😭 🍣🤪さん天国で幸せに なって欲しいですね(?)

ユーザー

初コメ失礼します! とても、いい作品でした。初めて、テラーのこういう作品で心に響きました! これからもがんばってください!

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