大森元貴side
涼ちゃんが俺たちの前から姿を消して、もう一ヶ月が経った
空き教室に、今日こそはって期待して入って、がっかりする毎日。
なんで、涼ちゃんは消えてしまったの?
俺たちに黙って、何を隠してたんだろう
なんで?
どうしてなの?
やっと、涼ちゃんへの自分の思いを知れたのに
もう会えないなんて、そんなの嫌
でも、今日も空き教室に涼ちゃんの姿はない
頼りない背中も 綺麗な横顔も 磨かれたフルートも
どこにもない
空き教室でいつも涼ちゃんが座っていた席を指でなぞる
指には微かな埃がついた
それは、涼ちゃんがこの席を使っていないから
なんで、涼ちゃんは俺たちから離れていってしまったんだろう
でも、もう無理なのかもしれない
この空き教室でしか繋がりを持たなかった俺たちは、涼ちゃんとの繋がりまでも失った
涼ちゃんが空き教室に来ないとは、そういうことだ。
もう、俺たちは涼ちゃんに会えない。
wki.
若井の声が廊下から聞こえてきた
でも、振り向かなかった
振り向いたら。若井の方を見えしまったら。
きっと泣き顔で悲惨な顔を若井に見られるから。
wki.
omr.
wki.
omr.
wki.
そこで若井との会話は途切れた
静かに小鳥の囀りだけが聞こえてくる
wki.
若井の囁くような声が後ろから聞こえてくる
窓の外を見て空を眺める
若井は俺が返事をしてないくせに一人で俺に喋りかけた
wki.
若井は唐突に言った
会えなくていいの?って、また会いたいに決まっている
だから、涼ちゃんに会えるかもって毎日空き教室に行ってるの
だって、まだ涼ちゃんのことが好きだから。
なのに、
なんで若井はわかってくれないの? 若井はもう涼ちゃんに会いたくないの?
omr.
omr.
最後はみっともなく声が掠れていた
涼ちゃんにまた会いたいはずなのに、会えない。
同じ地球のどこかにいるはずなのに、涼ちゃんに会えない
この空き教室だけが、涼ちゃんとの唯一のつながりだったのに
wki.
omr.
wki.
wki.
最後の言葉に若井が俺の気持ちに気づいていることに気づいた
若井には涼ちゃんへの気持ち、言ってなかったのに
若井には。やっぱり敵わない
俺は振り向いた
もう、涙は止まっている
若井はいたずらっ子のように笑った
そして俺に「いこう」と囁く
若井が手を伸ばして微笑んでいる
その手を俺はしっかり握った
omr.
こんにちは✨
1000いいねありがとうございます😭 感想も嬉しいです✨
この作品もいいねと感想よろしくお願いします🤲
それではまた!
コメント
4件
涼ちゃんを見つけ出して欲しい(*꒦ິ³꒦ີ)感動すぎてやばい(T ^ T)ほんとに最高です(இдஇ`。)
久しぶりの更新きたぁぁぁ! ついに、、、物語が進みだした、、、 見つけ出してきちんと思い伝えられたらいいな お互いに必要とし合ってる関係とっても尊いです✨
ほんと涼ちゃん見つけ出してほしい