-その日の夜-
寧々
はぁ〜…
寧々
なんでわたし、あんなこと言ったんだろ…。
寧々
みんな、驚いてたよね…。
わたしは昼間のことを思い出す。
-回想-
寧々
1ヶ月後までに恋人を作らない?
「「「え?」」」
司
寧々…?頭がおかしくなったか?
えむ
寧々ちゃん!?熱でもあるの!?
類
…暑さでやられたのかねぇ
寧々
え、わたしそんな変なこと言った?
3人が一斉に頷く。
寧々
…ごめん
司
いいや、寧々が謝ることは無い!ショーをするために提案してくれたのだろう?その気持ちは嬉しい!
司
が、流石に恋人を作ることは無理なんじゃないか?
類
僕達は長い間「ショーの仲間」としてやってきたからね。
類
たった1ヶ月で恋愛感情が生まれるとは考えにくいねぇ
寧々
やっぱそう、だよね。
えむ
うぅ、このままじゃ代々木公園でショーできなくなっちゃうよぉ…
類
類
既に誰かの間に恋愛感情が芽生えていたら話は早いんだけどね
寧々
…え、?
司
…類、それって。
えむ
?
類
そのままの意味さ。
類
もし、この中の誰かに恋愛感情があるとすれば…
類
1ヶ月後にショーが出来るかもしれない
類
ということさ。
類
とは言ってもこれは可能性にしかならないからあまり参考にしないでくれ。
寧々
(…)
寧々
(恋愛感情が…)
寧々
(そんなことあるのかな。)
寧々
(…確かにあいつに対して時々心臓の鼓動が早くなることはあるけど…)
寧々
(それだけ、だよね…)
司
(ゴホン)まぁ、とりあえずこの話は後にしてそろそろ帰るとするか。
えむ
…うん!そろそろ日も暮れてきちゃうもんね!
類
僕はネネロボの整備をしてくるよ。
寧々
わ、わたしもネネロボのところ行ってくる!
しばらく沈黙が続く。
寧々
(喋ることがない…)
類
…寧々。
類がボソッと呟いた。
寧々
ん、なに?
類
…さっきの話、身に覚えがあるんだ
寧々
…え、?
類
僕は時々ドキッとしてしまうことがあるんだよ…。
類
その子の素敵な笑顔に。
寧々
…!?
寧々
それって、、、
類
…あぁ。
寧々
そういう事ね…。
寧々
でも気づくのかな?
”えむ"
類
さぁ、分からない。
類
ただえむくんは人の感情に敏感だからその内気づくかもしれないね。
類
気づいてくれるのなら…
類
えむくんと恋人役でショーがしたい、
類
なんて想ってしまう僕の心は汚れているのかな…。
類は少し辛そうな顔でそう言った。
その顔をみてわたしは何も言えなくなってしまった。
寧々
…
寧々
類、辛かったんだろうな。
寧々
ずっと1人で抱え込んで。
寧々
でもずっとえむの事想ってて。
寧々
…類ならいい彼氏になれそう。
寧々
…よし。
寧々
類の手伝いをしよう。
寧々
…。
ずっと逃げていたけれど。
実はわたしにも身に覚えがある。
そいつはバカでうるさいけど、
誰よりもショーが大好きで仲間のことを1番に想ってくれる良い奴なんだ。
寧々
(やっぱそうだったんだね。)
わたしは司のことが好きなんだ。
寧々
ごめん、類。
寧々
手伝えそうにないや…。
寧々
わたし、司と…
寧々
恋人役でショーがしたい…。
寧々
絶対結ばれるって決まってるわけじゃないのに…。
昼間、類と話した内容を思い出して自然と涙がでてくる。
寧々
…明日。
寧々
類にきちんと話そう。
寧々
わたしの想いを。
残り29日