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なんかなぁ…🤔 んー。桜に譲って蘇枋と一緒に行く事になるーみたいな感じでも面白そうだけど…んぁぁ… あ、それと2回目の保健室のシーンで蘇芳ってなってたよそこ以外はナッシング👍
そろそろ何かしらの進展がありそうですね。皆様の判断、2人の行く末、ご武運願います。 いつも通り、こちらの固定コメントの返信に選択肢を書いておきますので、どちらか片方にいいねを押して選択してください🙇🏻♀️
蘇枋
保健室の白い壁に貼り付けてあった時計を確認する素振りをして、 桜と楡井に声をかけた。 2人もこちらをちらりと見やった後、壁にかけてある時計をみて、もうこんな時間かと納得した様な顔をする。
楡井
桜からの返事はなかったが、 彼が潜り込んでいるであろうベットに視線を送り、じゃあまたね。という言葉をこぼした。
一人廊下を歩く中で考えてしまう。 本当に桜と元の距離感に戻れるだろうかと。自分にちかずく度に、彼は顔色が悪くなるし、無意識に避けている。 きっと彼の防衛本能が働いているのだろう。
歩いてすぐ下駄箱に着くはずの距離は、とても長く感じた。 時間が経っていることもあり、 生徒たちの声は少しも聞こえず、 蘇枋がいる場所は静寂に包まれている。
梅宮
後ろから聞き覚えがある大きな声が廊下に響いた。 人気に気づかないほど考え込んでいたのかと、自身の不甲斐なさを感じながら、 背後にいるであろう人物に貼り付けた笑みをうかべた。
蘇枋
梅宮
彼の様子から見るに、本当のことを言っているのだろう。にかっと笑った顔は自分とは違い嘘1つなさそうな純粋で心底楽しそうな笑みだった。
蘇枋
自分の事から話をそらす様に、 梅宮へ問いかけを返した。 嫌な顔1つしないで梅宮はなんて事ない様に自分の話をした。
梅宮
確かに彼は総代だ。 野菜のことはさて置き、 今日の見回り当番である多聞集の報告を待っているというのはどこもおかしなことでは無い。 一人納得したような素振りをした後、梅宮に対してにっこりと胡散臭い笑みでもう一度笑って見せた。
梅宮
見回りを終えた生徒は、その場で解散することが多い。 1度学校へ戻るのは、 梅宮へ報告する時か、 なにか忘れ物をした時くらいだ。
蘇枋
にっこり人差し指を立て、タッセルピアスを揺らし蘇枋らにっこり笑った。 誰もが嘘とわかるような言葉に、 梅宮は深堀せずにただ、そうか!と笑って見せた。 蘇芳色の頭をわしゃわしゃと遠慮なく掻き乱されて、蘇枋の整っていた髪はくしゃりと崩れてしまった。
梅宮は一瞬驚いた顔をして見せた。 いつもは頭をぐしゃぐしゃに掻き乱されてしまう前に避ける蘇枋だったが、今回は大人しく撫でられているからだ。 梅宮はこの機会を逃すまいともう一度頭をかき乱そうとした所で蘇枋に避けられてしまった。 あっと小さく梅宮が声をこぼした。
ぐちゃぐちゃになった髪を蘇枋はすぐに手直しし、元の綺麗な髪型へと戻った。 手品を見せつける様すぐに治った髪に、 関心すらしてしまいそうだ。 蘇枋が大人しく撫でられたのは、 梅宮が根掘り葉掘り細かいことを聞いてこなかったから。 だからすこしだけ大人しくしてやったのだ。
梅宮
ありがとうございます。 人好きのする笑顔をうかべ、蘇枋は下駄箱に入ってる靴を取った。 そこからは梅宮と別れて帰路に着いた。
蘇枋が帰ってしまった後、 2人保健室で残された2人は、 これからどうするかを話していた。
楡井
桜
桜の返事はどこか歯切れが悪い。 なにか気になることでもあるのだろうか。
楡井
桜の肩はぎくりと飛び跳ねた。図星の様だ。綺麗な双眸が楡井から視線をずらした。何か言いたいことでもあるのか。 桜の視線は蘇枋が帰ったその時からずっと泳いでいる。
楡井
楡井
先程まで張りつめていた糸が切れる様に、桜はリラックスした様子を見せた。 楡井の桜を思う心が伝わってきたのだ。
桜
自分でも何が何だか分かってはいない。だから拙い言葉で、桜は思ったことを精一杯楡井にこぼした。
楡井
桜
桜
桜
何かがおかしい。 おかしいとは思うけれど、 何がどうしてこうなっているのか、桜には少しの心当たりもない。 それが本当に不可解な点なのだ。
楡井
桜
桜
でも、いざ聞こうとすると口が動かなくなる。何かを思い出さないようにと。何かを押し込みたいようにと。 桜の記憶は、蘇枋の事だけ全く覚えていない。だからか、よくよく考えると記憶にちぐはぐの部分があるのだ。誰かがそこにいたような気がするのに、桜の頭の中には何も入っていない。
楡井
俺は何があっても桜さんの味方ですから!!廊下にまで聞こえていそうな声で叫ぶに例に、桜は思わず笑ってしまう。
桜
楡井はこの時、一瞬だけ驚いた顔をして固まった。 この笑顔だって、初めて見れたのは、 蘇枋が納豆の事を苦手だという下りのおかげだから。 彼の端々には蘇枋がいたはずなのに。 今は何欠けらも無い。 そこを少し寂しく思ってしまったのだ。
桜
先程までの勢いが無くなり、しんとしてしまった所為か、桜を心配させてしまった様だ。 なんでもありません!とまた元気をだし桜を真っ直ぐみる。面食らった様に、おぉ、と返事をした桜に鼻息をふふんと鳴らしながら、明日に向け作戦会議をするのだ。
家に帰り、自分の考えを追い払う様に蘇枋はベッドへ飛び込んだ。 ポケットの中にあるはずのスマホが、 ピロンという音を立てて、メッセージの知らせを伝えてくる。
この際無視してしまおうか。 そう思ったけれど、 このまま眠る気にもなれず、 重い体を起こし、ポケットに腕を突っ込んだ。
表示されたメッセージは、 いつの日か、遊園地を知らない彼の為に応募しておいたチケットの通知。 何気なく抽選の紙に遊園地チケットを選んで書いた。あの時の物が当選したのだと、今更ながらに思い出した。 当たれば、偶然当選したんだけど、良かったら一緒に行かない?そう言って誘えばいいって、 当たらなかったら当たらなかったで、いつから自分の記憶から消えていたであろう存在。
今当たっても、こんな状況で、 彼を誘えるほど自分には彼からの好感も信頼も何一つない。 なんなら避けられてしまう始末だ。 こんなもの、今あったところでどうしようも出来ない。
こんなもの、さっさと捨ててしまうか、彼と他の誰かとで行ってもらおうか。 蘇枋はもう一度どさりとベッドの上へ倒れ込んだ。木製のベッドはギジリという音を立てる。 暖かな布団に揺られ、 蘇枋は力なく目を閉じた。 少しだけ仮眠を取ろう。 次に目を開けた時に、 シャワーでも浴びて、 明日ある学校へ向けて準備でもしよう。
意識を完全に手放した時、 蘇枋は好きな人の夢を見た。 その夢は、きっと手に入らない。 ただの幻想。 この夢の中に、まやかしの中にずっといたい。 そう願って手を伸ばしたところで、 何かがずっと邪魔をするのだ。
きっと自分に嘘をついた、 人を沢山傷つけて生きてきた自分への罰なのだろう。
遊園地のチケットをどうしますか? 「捨ててしまう。」 「桜へ譲る。」
お願いだから愛して。好きでいさせて。 お願いだから忘れて。嫌いになって。 ワスレタイモノとワスレタクナイモノ こんな恋心、最初からなければシアワセだったのだろうか