桃赤 青赤
レントリリー
ぼんやり覚えているのは
たくさんの人達が黒い服を着て
母さんが、お花がいっぱい詰まった箱で眠っていた
母さんを見ると、涙を流す人
いつも笑顔なパパも
泣いていた
どうしてみんなそんなに泣いてるんだろう
幼稚園生の僕は何も分からなかった
青
青父
青
青
青父
青
青
青父
青
僕が泣くと、父さんも涙を零した
青父
青父
青父
青
僕にすがりついて、謝りながら泣く父親
青父
暑い暑い真夏の日
母さんが、交通事故で亡くなった
父さんはそれから男手ひとつで僕を育ててくれた
小学校に上がると仕事が忙しくて、家では常に1人だったけど
たまの休みの日にやる父さんとのゲームが何よりのご褒美だった
そして、僕が小学5年生になったある日の冬
青父
青
珍しく早く帰ってきた父さんに僕はゲームのコントローラーを置く
青父
青
真剣な顔で黙りこくるので、怖くなって笑った
青父
青
青父
青
母さんがいないことで向けられる哀れみの目なんてもう慣れた
青父
青
青
青
青父
青
青
青父
赤くなってテンパる父さん
青
青父
青
驚く父さんに僕は大きく頷いた
青父
青
青父
青
青父
青
甘えたの僕は、弟なんてさほど興味なかった
赤母
青
数ヶ月後、僕達は一緒に暮らすことに
赤母
赤母
赤
青父
母親にくっついて離れようとしない小さな男の子
真っ白な肌に、大きな瞳が印象的な子
それが、赤だった
何故か、惹かれるように興味が湧いた
青父
青
青父
青
青
赤
僕が手を差し出すと
恥ずかしそうに小さな手で、何倍も大きい僕の手を一生懸命握った
その姿が愛らしくて
愛おしくて
僕がしっかりお手本にならなきゃ
そう誓った
それから僕と赤は近所でも有名な仲良し兄弟になった
小さな足で僕の後を必死に着いてくる弟が
可愛くてしょうがない
赤
青
僕が少しでも離れると
赤は抱きついてきて僕の胸に頭をグリグリした
ほんとに可愛い、僕の弟。
赤には僕だけで、僕には赤だけ
いつの事だったか
父さんと母さんが心中して死んだのは
父さんと母さんは、お互いの愛を信じられていなかったのか
行方不明になった
僕達を置いて
そして数日後
僕達の両親は、海で見つかった
両親の死体を見た時
赤は壊れた
この子を赤を守ってあげられるのは
僕しかいない
赤には
もう血の繋がった家族はいないのだから
僕が
兄ちゃんの僕が
守ってあげなきゃ
捨てられた、置いてかれた怒りなんて
とうに忘れた
この時僕はまだ中学1年生
赤も小学3年生だった
2人では生きてけない
隣の優しいおばさんが面倒を見てくれる事になって
施設行きとヒヤヒヤしていた僕は心底安心したのを覚えている
元々持病持ちだった赤は
悪性になり、入院しなければならなくなった
良くなっても、また悪くなって
赤はついに病院から出られなくなった
青
赤
僕は毎日赤のお見舞いに行った
病室を開けると、赤がパッと抱きついてくる
1回抱きつくと、なかなか離れようとしない
目元にはいつも泣いた後
僕の前では泣かないのに....
検査とか治療とかで泣いてるのかな....?
赤
青
赤
頑張ったら頭を撫でて必ず褒める
赤はいつも嬉しそうに目を細めた
そんなある日
いつも通り面会時間ギリギリまで病院にいて
バイトに行くため帰ろうと廊下を歩いていると
赤の担当の看護婦さんに呼び止められた
看護婦
青
赤母
話の内容は、赤は僕が帰ると
いつも兄ちゃん兄ちゃんと泣いてしまっているとの事
夜泣きも多く、魘されていると
看護婦
この看護婦は唯一、僕達の家の事情を知っている
看護婦
青
あの涙の跡は僕のせい....?
看護婦
青
僕が赤を置いていくはずないのに
だって
僕には赤しかいないんだから
青
赤
病室でトランプをしていて
僕はポツリと呟いた
青
赤
青
青
青
赤の瞳からポロポロ涙が零れた
赤
青
赤
青
赤
僕も泣きながら赤を抱きしめた
僕が
この子を幸せにするんだ
いやぁw めっちゃ重い感じになったw 今回青赤要素しかなかったねw タップお疲れ様です