目が覚めると そこは_
まるで楽園のような、美しい空間であった。
わたしはどうしてこんなところに…?
…そうだ
わたしは死んだのだ。
両親も家も、金も仕事も全て失ったわたしは
ただ、いっときの感情で
美しく光る夜の街に溶け込むようにして
落ちたのだ。
死んだ…はずなのに…
ここはどこなのだろう。
俗に言う走馬燈ってやつなのだろうか…?
…それにしても眩しい、
すると目の前に
顔立ちの整った
美しい少女が現れた。
???
あ な た は 、 だ ぁ れ ?
どうやら少女は
年端のいかない子供のようだ。
わたし
わ た し の 名 前 は …
…あれ
なぜだろう…
自分の名前が思い出せない。
???
?
???
名 前 わ か ら な い の ?
わたし
……
???
な ら 、 わ た し が つ け て あ げ る よ !
???
う ー ん 、…
???
ロ ー ズ … な ん て ど う か な ?
ローズ…??
ここは外国のどこかなのだろうか?
???
… い や か な ぁ ?
わたし
あ 、 う う ん !
わたし
と っ て も 素 敵 だ と 思 う !
わたし
あ り が と う !
???
そ れ な ら よ か っ た よ ~
わたし
で も 、 な ん で ロ ー ズ な の ?
???
だ っ て 、 お め め が す っ ご く 薔 薇 色 で
???
と っ て も 綺 麗 だ か ら だ よ !
おめめがすっごく薔薇色でとっても綺麗…?
何を言っているの…?
わたしは髪も目も純黒なはず…
???
ほ ら !
彼女は小さな金色の鏡を渡してきた。
わたし
……
鏡には目を疑うような
美形の顔があった。
ああ、そうか。
これは走馬燈なんかではない。
わたしは死んで
新しくこの世界に
転生したのだ_。