その夜、俺は夢を見た。
夢の中
メア
よぉ、どうした?しけたツラして
祟
鬼怒川さんに...首を絞められたんだ...
メア
おっ?そりゃ、めでてーな‼︎
祟
ふざけんな‼︎危うく死にかけたんだぞ‼︎
祟
その時、不気味な鐘の音や警告アナウンスとか鳴ってさぁ‼︎
祟
もう訳分かんねーよ...
メア
へぇ...ってことはいよいよ行動を始めたか...
祟
...は?
メア
いや、こっちの話だ。ありがとな、鬼怒川 薊の近況報告してくれてよぉ
メア
じゃあ突然首を絞められて意気消沈してるお前に良いことを教えてやる
メア
メア
お前の学校内にお前のことを監視してるヤツがいる
祟
えっ...?それって...
メア
◼️◼️◼️◼️◼️だ
メア
あ、やっぱりノイズかかるわ
メア
もっと簡単に言えばお前を狙ってる敵とは別に、ただお前の行動を記録してるヤツがいるって話だ
祟
何でそんなこと知ってんだよ...‼︎
メア
だって“見た”し
祟
は...?見た...?
メア
あ、いや...えーっと、そうだ‼︎み、未来視ってヤツだよ‼︎
祟
未来視...?
メア
そうそう‼︎最近気付いたんだけどよ、俺には未来のことが見える特殊能力があるんだよ‼︎
祟
....
メア
そんな目で見んなよ‼︎夢の中だから何だって出来るんだよ‼︎
祟
まあ夢の中なら...
祟
じゃあその未来視に俺の行動を記録していた人物がいたのか?
メア
そうそうそう‼︎
祟
(怪しい...メアさんは何か隠してるな...)
祟
分かりました、取り敢えず信じるよ
メア
ふぅ...
メア
あ‼︎あと1個言わなきゃならねーことがあったわ
メア
今度、鬼怒川 薊に会ったら首を絞められたことを言わない方がいい
祟
何で?
メア
また豹変するかもしれないからな
祟
またって...今もなお豹変し続けてるんじゃないのか?
メア
いや、それはないぞ
祟
どうして言い切れるんだ?
メア
あー、そりゃ未来視のおかげだよ
祟
....
祟
分かったよ、未来視がそうならそうなんだな
メア
いやー、理解が早くて助かるわ‼︎
メア
おっ?そろそろ目覚める時間だな
メア
じゃあまた進展があったら話してくれよ
翌日 教室
祟
...本当に何なんだ
昨日の一件から翌日、 俺は昨日の行動を 振り返ってみた。
祟
(...いや、やっぱり俺が首を絞められる要素はないな)
そんなことを考えていると 教室の扉がガラッと開き 彼女が入ってきた。
祟
っ‼︎お前‼︎昨日はよくも...
と、言いかけた時 俺は夢の中の出来事を 思い出した。
そして、それと同時に ある違和感に気が付いた。
祟
時計の文字盤が文字化けしてる...?
祟
何でだ...?
ふと視界に入った時計のことを 考えていると彼女は俺を見て 話しかけてきた。
薊
おはようございます、鵠沼さん‼︎
祟
おはようって...
祟
(いや、でも今の様子は普通だな)
祟
(まさか、本当に豹変は昨日で終わったのか...?)
薊
どうしました?鵠沼さん
祟
い、いや...(一応、遠回しに聞いてみるか)
祟
鬼怒川さん...昨日って何してたか覚えてる?
薊
昨日...ですか?
薊
昨日は家族で隣の市にあるショッピングモールへ買い物に行きましたよ‼︎
薊
そしたらうさぎが描いてある可愛いワンピースがあって、思わず買っちゃいました
祟
(記憶が違ってる...?やっぱり昨日倒れた時に何かされたのか?)
薊
あの...何か変なところありましたか?
祟
えっ、い、いや‼︎ただ休みの日は何してるのかなーって‼︎
祟
あの、ほら‼︎休日の過ごし方の参考にね‼︎
薊
なるほど‼︎鵠沼さんは普段どんな過ごし方をしてるんですか?
祟
え?俺は...(いや、こんな呑気な会話してる場合じゃねぇ‼︎)
祟
あ、ちょっとトイレ行ってくる‼︎
俺は冷静に考える時間が 欲しかったため、何とか 教室を抜け出した。