アーク
いない…
アーク
どこにもいない…!
アーク
はぁっ、はぁっ…
アーク
わッ!
ガッ…バタンッ! (何もないところで つまずいてこける。)
アーク
ッ、うぅ…。
アーク
(お嬢様…。)
アーク
(早く、早く見つけないと!)
アーク達がシゼと初めて出会ったのは今から12年前。
シゼが0歳、 アークとアレンが12歳の時だった。
おぎゃあ、おぎゃあっ!!
カタリナ
…ふふ、
カタリナ
今日も可愛いわね、私の子…。
カタリナ
見てアレン。この子指を吸ってるわ。
アレン
はわわっ、ほんとですね。
アレン
なんて小さくて可愛いらしいのでしょう…!
アーク
…。
カタリナ
!
カタリナ
あら、アークはこっちに来ないの?
アレン
!
アーク
…いえ、
アーク
えっと…その。
アレン
?…
アレン
アーク、どうしたの?
アレン
はやく来なよ〜!
アーク
……。
カタリナ
!…。
カタリナ
カタリナ
アレン、少しの間この部屋を出てもらえないかしら?
カタリナ
アークと2人で話がしたいわ。
アレン
!…。
アレン
アレン
は、はい。
アレン
かしこまりました。
バタン… (アレンが部屋を出ていく)
カタリナ
アーク。
カタリナ
何を悩んでいるの?
アーク
……カタリナ様…。
アーク
アーク
やっぱり、
アーク
お嬢様のお世話係なんて重要な仕事、僕には出来ません。
カタリナ
あら、そうなの?
アーク
僕は元々、奴隷の人間です。
アーク
それもアレンとは違って、僕はずっと…人道を反するような酷いことをしてきました。
アーク
そんな僕に、
アーク
貴方様のような高潔な方の
アーク
まっさらで美しいお嬢様のお世話など務まるはずがありません。
アーク
お嬢様が僕のような人間を知って
アーク
綺麗な心が汚く染まってしまったらと思うと…。
アーク
何人もの人を殺したこの手で、尊い存在を守ることなんて僕にはできません。
アーク
僕はお嬢様から1番遠ざけなければならない人間です。
アーク
どうか、
アーク
お世話係はアレンのみにしてください。
カタリナ
…。
カタリナ
…ふーん……。
カタリナ
なるほど、理解したわ。
アーク
…分かってくださいましたか。
カタリナ
えぇ。
カタリナ
だったら尚更この子のお世話をお願いするわ。
アーク
!?
アーク
はぁッ!?!?
うぎゃっ!!
カタリナ
!
カタリナ
あらシゼ、びっくりしちゃったの?
カタリナ
大丈夫よ〜、よしよし。
アーク
カタリナ様…。
アーク
僕の話、お聞きになられてましたよね?
カタリナ
えぇ。
アーク
それならなぜ、僕のお願いを聞いてくださらないのですか。
カタリナ
…。
カタリナ
だって、
カタリナ
私は今の貴方を評価しているからよ。
アーク
!…
カタリナ
アーク、よく聞きなさい。
カタリナ
貴方は確かに、奴隷だったとはいえ良くないことをしてきたわ。
カタリナ
貴方のせいで苦しめた人も1人や2人じゃないと思う。
カタリナ
カタリナ
でも、
カタリナ
それは過去の貴方よ。
カタリナ
今の貴方は、反省して、更生して
カタリナ
毎朝教会に行って祈りを捧げ、
カタリナ
給料だってほとんど福祉施設の募金に回している。
カタリナ
カタリナ
そして、今もずっと自分の罪に対して後悔している。
カタリナ
これはとてもすごいことなのよ。
カタリナ
人って、なかなか自分の悪さを認めることができないの。
カタリナ
どうしても自分を庇ってしまうし、知らないフリして楽しようとする。
カタリナ
誰だって自分自身が1番大切なのよ。
カタリナ
卑怯で、下劣で、
カタリナ
自分のせいで起こった相手の不幸なんてどうでもよくて、
カタリナ
自分の利益にしか頭がない人だって沢山いるわ。
カタリナ
カタリナ
自分の愚かさを認めて、償おうするのってすっごく勇気がいるのよ。
カタリナ
ましてや貴方みたいにずっと誡めにしてる人なんて…。
アーク
それはカタリナ様が…
カタリナ
私は「償わなければならない。」と言っただけよ。
カタリナ
どんな行動をすればいいかなんて一言も言ってないわ。
カタリナ
いい?
カタリナ
貴方は“自分だけで考えて”行動に移したのよ。
カタリナ
その行為で罪が許されるとはいえないけれど、貴方は自分の力で変わったの。
カタリナ
カタリナ
私は、その強い信念がこれからの子供達に必要だと思うの。
カタリナ
何か大きな間違いをした時、“どこまで自分自身で変えられるか”
カタリナ
貴方なら、私以上にこの子を上手く導くことができるはずよ。
アーク
…カタリナ様。
カタリナ
…長く話しちゃったけど。
カタリナ
主に面倒を見るのは私だし、貴方1人で背負うことではないわ。
カタリナ
貴方はこの子に自分の大切だと思うことを伝えられればそれでいいのよ。
カタリナ
何かあったらアレンか私に相談しなさい。
アーク
!…
アーク
グスッ…。
アーク
っ…こんな僕でも…よろしいのですか?
カタリナ
もちろんよ。
カタリナ
ふふ、鼻水出てるじゃない。拭いてあげるからこっち来なさい。
きゃっきゃっ!
アーク
…。
アーク
(カタリナ様…。)
アーク
(貴方から託された大切なお嬢様、必ず見つけ出して見せます。)
アーク
(絶対に、お嬢様を1人にさせません)
アーク
(この私の命に変えても…絶対に)
アーク
…にしても、倉庫はハズレか。
アーク
もう一回屋根裏部屋を探した方がよさそうだな…。
アレン
アーーーークッ!!
アーク
!
アレン
見て!キッチンにこんなものが!!
アーク
!…







