テラーノベル
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コンッ、コンッ、コンッ、...と、 無機質な金属製の金槌の音だけがその部屋に響く。
適当に要らない物資をかき集めて、 全てを釘で繋げて、壁を築く。
築ければなんでもいい。 君を独りにさえできれば、なんでもいい。
君は密閉されつつある部屋の中で、 こちらを見つめてただ黙りこくっていた。
少しずつ感情が宿りかけているようにも見えた。 ナチは、...不安げな目をしていた。 だけど、яは、そんなことにも気づくことが出来なかった。
誰も、居ない場所で、 四肢がないのに、яも何の手も借りれない。 ただただ時が過ぎていくのを待つのみ。
...いくら感情が壊れていようと、 センノウするにはいい環境だろう。
少なくとも、...記憶も何も完璧に壊すには、 適した環境であろう。
君とずっと一緒に暮らすためには、 「яが君に酷いことをした」 という事実を消さなければならない。
そうすれば、...яは”正当に”君とずっと二人で居ることが出来るし、 君はきっと、яを疑ったりもしないだろう。
ソビエト
ソビエト
誰も彼も、忘れているのか単に知らないのか。 ソビエトが、社会に、ヒトにやったことを知っていて?
確かにナチスも酷い独裁国家だった。 一方、ソ連は?
ソビエト
ソビエト
きっと、яたちは、 今なら、何にでもなれる。
壁が築かれた、暗い暗い部屋の中。 硬い布に身体を預けてただただ解放を待つ。 朝起きて話しかけてくれた君も、 朝ごはんを作ってくれた君も、 もう、誰も居なくなってしまった。
時間も判らないけど、 毎朝、隙間からヴルストが投げ込まれるので、それで朝が来たのだけはわかる。 かじりつきたいが、何しろ俺には四肢がない。 積もって腐ってゆくヴルストを見ると切なくて苦しい気持ちになる。
流石の俺でも、水無し食料無しでこれ以上生きられるとは思わない。
誰かが、いつか、助けてくれますように。
助けて、....たすけ。
なんでおれはこうなってるんだっけ
もうだれも、おもいだせないや。
コメント
5件
最後ナチ君視点だったよね!?やっぱり表に出さなかっただけで動きたい意思も感情もちゃんと残ってたのに…!!ソビさんんんん!!!ナチ君感情も意識もちゃんとしっかりあるから!!!そんな変なところにナチ君閉じ込めてないでもっと話しかけなさいよ!!朝ご飯ちゃんと作って食べさせてあげなさい!!前の話とかで最初よりかは話しかけたら反応返してくれるようになってたのになんでそんなことしちゃうのよ!!!クソぉぉぉぉ!!(苦しみ
んぇ、え?ナチ様、、、最後なっち様視点、、、?なのかな、、、意識あり、、?
どちらにも感情移入してしまいました、この話がだいすきになってしまいました、、、、!