主人公
僕らは、太陽光が ほとんど届かない深さにいた。 牢獄に閉じ込められているようだった。 まるで、この海そのものが巨大な監獄だ。
海軍長さま
ネイ
深海は未知の領域だ。 水圧が人類の問題の壁として、 立ち塞がっている。 だから、人は深海に立ち入れないんだ。
海軍長さま
主人公
窓の向こうは、 水の色が見えなくなっていた。 潜水艦の先端についている明かりでさえも、色を判別出来ないくらいだ。
主人公
僕は、改めて尋ねてみた。
海軍長さま
海軍長さま
主人公
ネイ
ネイは、僕と同い年ではあるが、 船に乗ったのは僕よりも数年先だった。
主人公
主人公
主人公
ネイ
ネイは、眠気覚ましに伸びをしているようだった。
主人公
主人公
ネイ
目の前の青年が、 僕の疑問を一瞬にして打ち消した。
ネイ
主人公
ネイは、口をつぐんだ。 言葉を続けようとしたのに、 無理やり飲み込んだみたいだ。 なぜそんな辛い表情をしたのか、 僕には分からなかった。
??
??
彼の声色はあまりにも落ち着いていた。 そのせいか、今の彼は、 僕の知っているネイじゃなくなっていた。
あぁ、ネクトだ。
また、僕の中で思い浮かぶ名前。 ネイに対して、ネクトさんだって。 僕に流れる言葉は、 現実とは異なっているのに。
ネイ
ネイ
ネイの言葉は、まるで自分に言い聞かせるような言い方だった。
深さ400mに達する頃、 潜水艦の船内は沈黙した。
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