わぁ…綺麗……
…………うん。
(遥か遠くの時代の約束を)
(巡り守ってもう何年だ…?)
(綺麗だけどどこか汚い世界……)
(アタシ達が望んだ世界はこの世界……?)
なんか嬉しいな
こうしてあなたとこんな綺麗なもの見れるなんて……
何言ってるんだい?
アタシは、悪霊だよ?
もう…まだそんなこと言ってるの?
実態もあるし、人間としているんだから
あなたは人間なの!
それに、前世は人間だったんでしょ?
……名前のせいで10代で死んだけどね
変な名前つけられたんだっけ……
そうだよ
じゃあ名前なんて捨てて生きようよ!
ここはどうしようも無い失楽園だからさ
……!!
……そうだね
?年後
桜だ…!
…………………
春風、浴びて大空超えて
(目の前の現実受け入れて……)
私達が望んでた世界は
この世界なのかもね!
……でも、まだアタシが救いたい人が救われてない
………ちょっと、行ってくるよ
ちゃんと救ってあげてね!
……あぁ、わかってるさ
(記憶通りでは……ここら辺に……)
……うわぁぁんっ!
……!
(いた……)
…………………ねぇ、君。
お姉さん…っ…
だれ……っ?
君はなんでこんな所にいるんだい?
名前のせいで……名前のせいでっ…!
……君の名前は?
……───っ
(やっぱり、人間の時のアタシの名前と同じだ……)
………その名前なんて
…………?
……───名前なんて捨てて生きようぜ
どうしようもない失楽園だから
……捨てて……いいの……?
この何もかも不安定なこの世界にその名前はいらない
アタシがつけてあげよう
……!……うん…!
そうだな………
───魅魔、なんてどうだい?
……その名前がいい……!
じゃあ今日から君の名前は───。
………ただいま。
あ、おかえり!
ちゃんと救えた?
……あぁ、ちゃんと救えたさ
(これで…あの子は生きられるだろう……)
ん〜!お腹すいたぁ……
ね!ファミレス行こ?
はいはい、行こうか
やったぁ!
遥か遠くの時代の約束が
今とその未来を紡いでる
ここは
───色なき黄昏の失楽園だ。