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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

涙が止まらなかった

そのウザ男二人はあたしに突っかから無くなった

三黒はというと、 実はこの幼稚園には

監視カメラが一室ずつ無数に付いていて、それを見た専門の方々は三黒の言動に感動し、テレビで話題になった

ナナレ

そして今日は特別編

ナナレ

あたしの過去の話しをするね

あたしは宮城県北部に生まれた

パパとママと、2つ年上の姉貴と まだ小さい1歳の妹がいた

パパはあたしら三姉妹にとても甘々で頭が上がらない ママはあたしら三姉妹を大事に育てて立派に育てようと勉強なども色々教えてくれた

姉貴もパパみたいにあたしや妹に甘々で家に帰ると毎回ハグしてくれる

とても温かくてこの幸せが壊れないように3歳ながらもあたしはこの家族を大切にして何があっても 守ろうと思った

現実はそういかなかった

2011年3月11日 午後14時46分 東日本大震災最大震度7 が起きた

あたしはその時、幼稚園にいた

川が氾濫したため、屋上に避難した

もちろん、姉貴も一緒に

ナナレ(3歳)

ねちゃん…

アンナ(5歳)

大丈夫、大丈夫。きっとパパとママがお迎えに来るよ

アンナはナナレを抱きしめた

ナナレ(3歳)

うん…

アンナ(5歳)

そしたらナナレが行きたがってた東京とか観光できるし、有名人に会えるかもね〜!

ナナレ(3歳)

うん…!

アンナ(5歳)

何があってもナナレはお姉ちゃんが守るから

アンナ(5歳)

ずっとそばにいるし、寂しい思いは絶対にさせない

姉貴の手は震えていた

ナナレ(3歳)

ねちゃん…

姉貴はあたしを安心させるために笑顔で楽しい話しとかしてくれた

姉貴もきっと、怖かったんだよな 分かってるんだ

現実を

ナナレはアンナの手を握った

アンナ(5歳)

幼稚園の先生

大変だ!大きな津波が来たぞ!!

ナナレ(3歳)

!!

そして急に地面が揺れて

ナナレ(3歳)

わぁっ!!

アンナ(5歳)

ナナレっ!!

ナナレは屋上から落ちそう になっている

アンナ(5歳)

落ち着いてナナレ!お姉ちゃんの手を掴んで!

ナナレ(3歳)

ねちゃんっ!(驚泣)

なんとかナナレは屋上に戻れた

だけどまた地面が揺れて

アンナが屋上から落ちて津波に飲み込まれて 行ってしまった

ナナレ(3歳)

ねーちゃんっ!!!

幼稚園の先生

ナナレちゃん!危ない!

ナナレ(3歳)

ねーちゃんがおちたのーっ!!

ナナレ(3歳)

たすけないとっ!!

幼稚園の先生

アンナちゃんが…!?

自分の無力さに怒りと情けなさを 抱いた

なんてあたしは遅いのだろう

もっと早く姉貴の手を掴んでいれば こんなことにはならなかった

あたしが殺したほうなもんだ

しばらくすると救助隊が駆けつけてヘリに乗って東京の学校の体育館に 避難した

ひとりぼっちで隅っこに体を傾かせた自分は感情を殺したかのように 心を閉ざした

不思議ながらも涙を流さなかった そこで涙を流したらなんか、周りに笑われそうだったから

弱いんだ、弱過ぎる、 強くならないと…って心から 念じていた

そしてあたしはこの日、初めて 〝死〟ということを理解した

ナナレ(3歳)

(あれから何日が経ったのだろう)

ナナレ(3歳)

(パパとママ、そしてレナ(妹)は…
どうしているんだろう…)

警察1

ナナレちゃん?だよね?

ナナレ(3歳)

はい。

警察1

実はキミの家族…についてなんだけど

パパは会社の建物と一緒に潰されて亡くなった

ママとレナは津波の影響で溺れて亡くなった

そして姉貴は

行方不明らしい

2022年になった今でも 行方不明状態である

ナナレ(3歳)

そうですか、ごほーこく、
ごくろーさまです

警察1

あ、いや、えっと…💦

そして警察の人が養女として里親になってくれる人が見つかったと言って あたしをこの家に連れてきた

瑞希(ミズキ)姉ちゃん(6歳)

わぁ〜!可愛い!この子が新しい妹!?

香澄(カスミ) (2歳)

おねたんっ!おねたんっ!

お義母さん

そうよ、仲良くしてやって

お義父さん

はぁ〜なんで赤の他人の
ガキなんか…

あたしは義父母には歓迎されていないのだと確信した

しばらくここに住んで、数ヶ月

瑞希(ミズキ)姉ちゃん(6歳)

パパとママがナナレちゃんを歓迎しない理由は一つ知ってるの

ナナレ(3歳)

!!

瑞希(ミズキ)姉ちゃん(6歳)

その顔は知りたいって顔だね

瑞希(ミズキ)姉ちゃん(6歳)

実は今も生きていたらナナレちゃんと同い年の弟がいたの

ナナレ(3歳)

!!

瑞希(ミズキ)姉ちゃん(6歳)

東日本大震災で、東京も震度が高かったから結構揺れたよ

瑞希(ミズキ)姉ちゃん(6歳)

弟の優希(ユウキ)はヤンチャのイタズラっ子で不器用だけど、家事をたくさん手伝う良い子だったの

瑞希(ミズキ)姉ちゃん(6歳)

それで、幼稚園で本棚の下敷きになって亡くなった、っていう報告を受けたわ

ナナレ(3歳)

それは…悲しい報告ですね…

瑞希(ミズキ)姉ちゃん(6歳)

(ナナレちゃんなんて、家族全員お亡くなりになったのに…ここに来てから泣いてる姿なんて見たことない……)

瑞希(ミズキ)姉ちゃん(6歳)

ナナレちゃんは無理してない…?

ナナレ(3歳)

無理…とは?

瑞希(ミズキ)姉ちゃん(6歳)

あ、ううん、やっぱり
なんでもない…

そして9歳の頃に 家事を押し付けられ、11歳の頃に バイトさせられた

あの異なる両親に

それも夜勤バイトだ

クロ

にゃ〜

そして捨て猫だった黒猫、 友人である夏妃(ナツヒ)と奏太(カナタ)、 3人でこの黒猫を助けて

隣町の森林の川の近くで育てている

バイト先への通り道とかよく、 ここに来てクロにエサをあげている

息抜きに遊んだりしたりね

人は命を失ったら生まれ変わる

パパとママは何に 生まれ変わったんだろう

そして妹のレナも何に 生まれ変わるんだろう

姉貴は…一体どこにいるんだろう

あたしは家族の命日で毎年 家族写真を持ち歩く

‎〚家出少年少女が見た世界〛🌏💐🌠

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