俺は、生まれつき髪が茶色だった
地毛だと言うのに先生たちは 「染めろ」の一点張り
周りからは 「黒に染めればいいのに」という目で見られ
学校という場所が嫌いだった
かと言って、学校をサボると父親がうるさかった
シャオロン
高1の頃は学校内では荒れに荒れていたと自分でも思う
学校の外に出たら普通になるけど…
先生
シャオロン
先生
先生
シャオロン
シャオロン
先生
シャオロン
シャオロン
先生
入学してすぐに地震が起こり、本校舎を1部修理するため
別棟の教室で授業を受けていた時期もあった
俺は先生の声にうんざりしながら、立て付けの悪いドアを開けた
ガラガラーーーッ
陽菜乃
ドアを開けた瞬間、1人の女子が飛び出してきた
シャオロン
とっさに動くことが出来ずに、そのままその子は俺とぶつかった
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
シャオロン
こいつは、確か…前川?
入学した直後、周りが人で囲まれるような人気者だ
陽菜乃
陽菜乃
シャオロン
うっとうしい…
そう思って彼女を見た瞬間
彼女の笑顔に、惹きつけられた
息を忘れるくらい彼女に惹かれた
それから、彼女と関わる場面が多くあった
体育祭の管理委員会
集団宿泊のまとめ役
生徒会の手伝いなど…
2人きりになる時もたくさんあったし、昔の話とか相談とか結構話した
それなりに
仲良くなってた…と思う
陽菜乃
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
先生
シャオロン
先生
先生
とつぜん現れた先生は、俺を睨みつけながらそう言った
だが親に言えない
父親はこんな書類に目を通してもくれないだろう
…興味がないから
シャオロン
先生
先生
シャオロン
先生
先生
先生
先生
その時の教師の言葉が頭にきた
家族…茜や母さん、父さんを侮辱された
てめえみたいな一般公務員が、人の命を救う側の人間に口答えしやがって
シャオロン
陽菜乃
先生
シャオロン
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
シャオロン
先生
また教師が声を荒らげた時 彼女は俺の手を引っ張った
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
陽菜乃
シャオロン
シャオロン
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
陽菜乃
彼女は夕陽を背に、こう言った
陽菜乃
シャオロン
俺の手を引っ張りながら
だけど笑っているわけではなくて
彼女の目は、澄んでいて真っ直ぐだった
俺はそんな彼女が好きだ
シャオロン
陽菜乃
そういうことじゃ…ないんだけど
でもそんな所も大好きだ
次の日
陽菜乃
彼女は髪を茶色に染めて学校に来た
シャオロン
陽菜乃
陽菜乃
彼女は俺の目の前でくるっと回って、髪を見せた
俺とほぼ同じ、髪の色
シャオロン
昨日のあの先生はいつの間にか学校を辞めてて
先生たちの標的は彼女になった
彼女は俺のために髪を染めたのだと気づいた
その優しさに、俺はまた好きになる
シャオロン
陽菜乃
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
シャオロン
シャオロン
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
ズキン…
…バカか、俺は
彼女がちゃんと言ってるんだ
自分が傷つくのは…お門違いやろ
シャオロン
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
トントン
トントン
陽菜乃
トントン
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
トントン
陽菜乃
トントン
トントン
陽菜乃
トントン
陽菜乃
トントン
陽菜乃
陽菜乃
あ、えっと陽菜乃、さんの友達…
え、あ、友達…っつーか
君の姉ちゃんが聞いたら悲しむで?
いつもいる人がおらんくなるって、ホンマ寂しいんよ
つらいんよ
おま…!
どこにいたんだよ今まで!
俺だって、できることなら前川の願い叶えてあげてえよ…
好きにならないで欲しいなんて…二度と言うんじゃねえよ
俺はお前が好きだよ
この気持ちは…お前にだけは否定されたくなかった
それはなにに対してのごめん?
…俺の告白に対するごめん?
「なんで信じられへんの?前川はあんた達を信じてるのに!!」
そんなの叶えちまったら…お前消えるじゃんか
…待ってるから
陽菜乃
トントン
トントン
陽菜乃
トントン
陽菜乃
トントン
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
シャオロン
待てよ、今の話が本当だとしたら
前川は…
シャオロン
陽菜乃
シャオロン
シャオロン
陽菜乃
陽菜乃
そう言いながら椅子から思いっきり立って、俺から顔を背けた
シャオロン
陽菜乃
俺に顔を見せようとしない
少しずつ彼女に近づいて
シャオロン
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
覗き見ようとしたけど、そっぽを向く
だから俺は彼女のほっぺをつねった
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
思ったより、彼女の顔はぐちゃぐちゃだった
顔は赤くなって、涙を流して
恥ずかしいのか泣いてるのか分からないくらいに
そして…
彼女の姿はどんどん薄く消えていく
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
シャオロン
シャオロン
陽菜乃
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
陽菜乃
シャオロン
シャオロン
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃は涙で潤う目で俺を見た
これで本当に最後…
シャオロン
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
陽菜乃は俺の目を見て
へら〜と笑いながら
陽菜乃
そう言った
彼女は最後まで嘘つきだった
最後くらいは正直になればいいのに…
嘘をつく時はへらっと笑い 嘘じゃない時は真剣に人の目をまっすぐと見る
それが嘘つきな彼女の嘘の見分け方だ
……なぜ、彼女と呼ぶかって?
彼女は「前川 陽菜乃」であり 「前川 陽菜乃」は俺の彼女である
だから俺は「彼女」と呼ぶことにしよう
彼女の生きた証を残すため
彼女と俺が想い合えた証は、ここにある
だから大丈夫
安心して天国に行ってこい
俺はいつまでもここで彼女に愛をささげよう
それが彼女のいない世界で見つけた生きる意味だ
コメント
21件
二週目でぇーす☆((
最高でした
まさか「きらい」と言うとは…もう何から何まで最高でした!!!!泣きました!!!!(´;ω;`)