その後も、掌、腕と あらゆるところにキスしてくる。
俺はそれがたまらなくなって叫んだ。
レトルト
きよくん!!
驚いたように顔をこちらに向け 困ったように笑う。
キヨ
どうしたのよ
キヨ
これもだめ?
レトルト
そうじゃなくて…
レトルト
恥ずかしくないの?
キヨ
恥ずかしいっていうか…
キヨ
意外とこういうの平気だと思う
キヨ
それよりもさ…
口元をニヤつかせながら 俺の目をじっと見つめる。
キヨ
恥ずかしがってるレトさん見るの
キヨ
結構好きだったりするんだよね
そうだった。
こいつは人の困ってるところを 見るのが好きなやつだった。
レトルト
………
レトルト
何で手にキスばっかり…
キヨ
手の甲のキスは
キヨ
尊敬の意味が込められてるんだよ
レトルト
えっ…
キヨ
執事はこ主人様を敬うもの
キヨ
でしょ?
レトルト
それはそうだけど
キヨくんのそれは 尊敬とはまた違った雰囲気を感じる。
キヨ
何でもするって言ったでしょ?
キヨ
どうしてほしい?
これは俺の好きにしてもいいってこと?
レトルト
じゃあ…
レトルト
甘やかしてほしい…
キヨ
もっと具体的に
レトルト
え!?
レトルト
えっと…
レトルト
頭撫でたりとか…?
俺がそう言うとキヨくんは 躊躇いもなく俺の頭を撫でる。
優しいその手に ドキドキしてしまう。
レトルト
なんでそんなに優しいの?
レトルト
いつももっとワシワシするのに
キヨ
そんなことできるわけ無いでしょ?
キヨ
ご主人様♥
完全になりきってる…
俺のほうが分が悪いみたいじゃないか…
レトルト
キヨくん
キヨ
ん?
キヨ
なに?
レトルト
それ脱いで
キヨ
脱いじゃっていいの?
レトルト
いいの!
レトルト
それで…
俺は今はこいつの主人だ。
何を言っても逆らわないはず。
レトルト
俺と風呂はいろ
キヨ
えっ…?
キヨ
いつもはだめっていうのに…
レトルト
これは命令だからな!
レトルト
逆らったら…
するとキヨくんはフッと笑って 俺の頬を撫でる。
キヨ
逆らわないよ
キヨ
命令なんでしょ?
キヨ
一緒に風呂入るだけでいいの?
レトルト
えっと…
レトルト
じゃあ一緒に寝たり…
普段あまり言わないような ことを言ってみる。
キヨ
ふふっ…
キヨ
かしこまりました
キヨ
ご主人様
そう言ってまた俺の手にキスをする。
THE END.