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まふくんが作ってる曲はもしかして 『桜花ニ月夜ト袖シグレ』❓ そして真夏ちゃんの夜食……食べたいw 続き楽しみにしてます!!!
あの後、また少し話をして、 僕らは家に帰ってきた
リビングの椅子に座って姉さんが アイスを食べてて、僕はその向かいに 座って、ぼーっとしている
「空を見上げることが好きだから」
どうしても、この言葉が 頭から離れなくて
真冬
真夏
そう言っていた横顔も、 忘れられなくて……
真冬
真夏
何故か突然、顔が熱くなってきた
真冬
真夏
真冬
裏返り気味の声で、 何かを言っていた姉さんに聞く
真夏
真冬
レジ袋の中から、カップアイスと スプーンを取り出して、はい、 と言って僕に渡してくれる
真冬
“グレープ味”と書かれた蓋を開けて、 一口、また一口、夢中になって食べる
それでも、あの人は頭から消えなくて
真夏
真夏
真冬
少し焦って答えて、一口
真夏
真冬
アイスをスプーンで掬って、また一口
その度に、ブドウの香りが口に広がる
真夏
何故かニヤニヤしながら、 姉さんが僕を見てくる
真夏
真冬
アイスを掬っていた手が止まる
僕が、一ノ瀬会長を……好き?
真冬
また顔が熱くなるのを感じる
そんなの、おかしい。ありえない
何で姉さんはそう思ったんだろう
またアイスをスプーンで掬って、 最後の一口を食べる
真冬
空になったカップとスプーンを 片付けて、自分の部屋に戻った
部屋のベッドに、仰向けに倒れる
真冬
「もしかして、一ノ瀬会長のこと 好きになっちゃった?」
さっきの姉さんの言葉を思い出して、 アイスで冷えなかった顔が、 さらに熱くなる
真冬
わざと、否定の言葉を口にした
それでも、顔の熱は引いてくれない
なんとかしてこの気を紛らわそうと、椅子に座ってヘッドホンをして、 作業机にあるパソコンを起動する
それから、いつもの癖で 作曲ソフトを開いた
真冬
何となく、鼻歌を歌ってみる
今思いついたばかりの、新しい曲
……曲?
真冬
忘れないように、同じメロディを 繰り返し歌いながら、パソコンに 打ち込んでいく
真冬
一通り完成して、 その部分を再生してみた
真冬
真冬
夢中になってパソコンに 向かっていて、気づいた時には 真夜中の1時になっていた
曲の方は、メロディが全部 完成していて、途中までアレンジが できたところ
真冬
一旦ヘッドホンを外して、 椅子の上で伸びをする
ずっとパソコンの画面を 見ていたせいで、首と肩が痛い
そのまま少しぼーっとしていると、 控えめなノックの音と、 姉さんの声が聞こえてきた
真夏
真冬
返事をすると、ガチャッとドアが 開いて、何かを載せているお盆を 持った姉さんが、部屋に入ってくる
真夏
真冬
曲はここまでできているのに、 歌詞は一言も思い浮かばない
そりゃ、テーマも何も決まって ないし、出てこなくても、 おかしくはないんだけど……
真夏
ここに置くね、と言って、部屋の 真ん中にある折りたたみ机の上に、 うどんが入った大きめのお椀を2つ 置いて、箸も2人分並べた
そういえば、夕飯から時間も経ってる し、お腹も空いてるからありがたい
……って、あれ、2人分?
真夏
おいでと手招きされて、 椅子から折りたたみ机の方に行く
姉さんの向かいに座ると、 手を合わせた
真夏
真冬
できたてて熱々の麺を、2人ですする
真夏
そう言って、美味しそうに うどんを食べる姉さん
料理は、圧倒的に姉さんの方が 上手いんだよね
真冬
心の中で苦笑しつつ、僕も箸を進める
さっぱりした味で、あっという間に 食べ終えてしまった
真夏
真冬
真冬
真夏
真夏
そう言って、僕の頭を わしゃわしゃ撫でられる
ちょっと強引なところはあるけど…… でも、こんなふうに優しいところも あるし、僕も姉さんは好きなんだ
真夏
真冬
真冬
真夏
作業机まで移動して、僕はマウスを 操作して、未完成の曲を最初から流す
♪〜
ピアノの音から静かに始まって、段々 ギターとか他の楽器も入ってきて、 サビで大きく盛り上がる
さっきは適当に春っぽい感じって 言ったけど、たしかに春かも
真冬
真冬
たしか桜って、桜花とも言うよね
真夏
真夏
空になったお椀と箸をお盆に乗せて、 それを持ってドアに向かった姉さん
その途中で、こちらを振り返った
真夏
真冬
笑ってそう返すと、あっちも笑って、 ドアを開けた
真夏
部屋から出る寸前に、またこちらを 振り返って言われる
真冬
真夏
真冬
今度はちゃんと部屋を 出ていった姉さん
よし、僕もキリのいいところで 終わらせて、早く寝ようっと