アンチに負けないで

エゴサ中

　ふと、近くにあったカッターを手に取った

　段ボールを開ける為に出しっぱなしにしていた、カッター。

ｼｭｰｯ…ﾎﾟﾀｯ

ぽたぽたと、僕の腕から血が流れ落ちる

…自傷行為

完全に、無意識だった。

でも…

　自分の腕から流れ落ちる血が，異常に綺麗に見えたのは

何かが、おかしかったのだろうか

ずっと、リスカはしてこなかった。

　やってしまったら、なんだか全てが台無しになってしまう気がしたから

でも…

数日後

ｽｰｯ…ﾎﾟﾀｯ

血に塗れた腕を、カーテンの隙間から漏れ出る太陽の光に翳した

電気はつけていなかった

　と、いうより、つけたくなかったの方が正しい…かな

こんな事、メンバーには絶対に言えない

　隠し通さないと…

　包帯を巻こうと手を伸ばしたが，いつも置いている位置に包帯は見当たらない

仕方がない

リスカの後を隠す為、厚手のコートを雑に羽織って僕は包帯を買いに出かけた