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妖怪ババアと寝たホスト

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妖怪ババアと寝たホスト

第1話 - 妖怪ババアと寝たホスト第1話

1,392

2021年09月28日

#ホラー

#サイコパス

#ストーカー

テラーノベル

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妖怪ババアと寝たホスト
#1 妖怪ババアと寝たホスト第1話 / テラーノベル

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タクマ

う…うーん…

タクマ

頭…イテェ…

タクマ

うぷ…きもちわる…

タクマ

なんだ…これ…？

タクマ

…………

ぱちり

？？？

あ！

？？？

起きたのねぇ～ん！！

タクマ

──！？！？！？

タクマ

ぎゃあああああああッ！？

？？？

そんなに驚かなくったって

？？？

いいじゃなぁ～い♡

タクマ

だっ、だっ、だっ…

タクマ

誰だお前ェッ！？

タクマ

（妖怪顔の、ババア！？）

溶けたみたいにボロボロな

気味の悪い厚化粧

汚さが余計に目立つ

毛穴と小じわだらけの肌

なんてキモい顔なんだッ…！！

？？？

いやん、寝坊助さんなのねぇ

アイカ

アタシはア・イ・カ♡

アイカ

アナタのお・よ・め・さ・ん！

アイカ

でっしょぉ～う？

タクマ

──！

タクマ

（嫁でも彼女でもねえっての！）

タクマ

（でも、思い出した…！）

俺は売れっ子ホスト、タクマ

この妖怪ババアは俺の客だ

タクマ

（アフターに行こう行こうって）

タクマ

（あんまりうるせーから）

タクマ

（昨夜はしかたがなく）

タクマ

（付き合ってやったんだ…！）

アイカ

ンフッ♡思い出したかしらん？

タクマ

（にしてもどうして…）

タクマ

（ここ、ラブホだよな…！？）

タクマ

（俺は…こんなババアと…！？）

タクマ

（ダメだ、記憶がねえ…っ）

アイカ

たぁくぅまぁ～♡♡♡

タクマ

ひぃっ！！近寄るな！！

アイカ

んもぉう、ツレないんだからァ

アイカ

あんなに愛しあったのにぃ～！

たぷん

タクマ

うえっ！？

アイカ

これが証拠よぉん♡

タクマ

（たぷたぷしたコンドーム…）

タクマ

（ぶらさげてんじゃねぇ…！）

タクマ

（ていうか、マジで？）

タクマ

（こんな女とヤッちまった！？）

タクマ

おえっ、げぇぇッ…

アイカ

やだぁ、のーみーすーぎィ♡

アイカ

それとも酔っちゃったのは

アイカ

ア・タ・シ・に？キャー！！♡

ドンッ

アイカ

グギャッ！！

タクマ

息が臭いんだよッ！！

タクマ

俺に近寄んじゃねぇーッ！！

慌てて服を着た俺は

急いでラブホを飛び出した

タクマの家の最寄り駅

タクマ

くっそぉ…

タクマ

なんで家の鍵がねえんだよッ！

タクマ

慌てて出てきたから

タクマ

忘れちまったんだろうけど…！

タクマ

ついてねぇ…、散々だっ！

ガサゴソ

タクマ

スマホ忘れてなかっただけ

タクマ

マシかな…はぁ…

ぽちっ

タクマ

んなっ！？

タクマ

げえっ、なんだこれ！？

タクマ

スマホのロック画面が

タクマ

あのババアになってやがる…

タクマ

きっも…また吐き気が…

ぽちぽち

タクマ

はあ、これで元どおりだ

タクマ

ああァー…

タクマ

…起こしてワリいけど

タクマ

ミヤビに合鍵持ってくるよう

タクマ

頼むしかねえな…

タクマ

急に来てもらってごめんなー

ミヤビ

ホントだよぉ

ミヤビ

まだまだ寝てたかったのに！

タクマ

頼むから、許してくれって

ミヤビ

しかたないなぁ

ミヤビ

キスしてくれたら許したげる

タクマ

ん

ちゅっ

ミヤビ

へへ…あ、そうだ

ミヤビ

朝帰りでお腹空いてない？

ミヤビ

ご飯作ってあげるよ

タクマ

帰って寝なくていいのか？

ミヤビ

だいじょぶだいじょぶ！

タクマ

助かるわ、ミヤビ

タクマ

俺ホント、お前が彼女でよかった

ミヤビ

どしたの急にー？

ミヤビ

タクマはシャワー浴びておいで！

タクマ

リョーカイっす！

俺の彼女ミヤビはキャバ嬢だ

忙しいのに世話を焼いてくれる

ホントにいい女

あんなババアに襲われたなんて

口が裂けても言えねえけど…

タクマ

いただきまーす

タクマ

んー、うめぇ！

ミヤビ

それ食べたら一緒に寝よーよ

タクマ

そうだな…あと…

タクマ

出勤前には一緒に出かけねぇ？

ミヤビ

あーいいね！

ミヤビ

イルミネーション見に行こうよ！

タクマ

また俺に撮影させんの？

ミヤビ

お店のブログ用にね…

ミヤビ

タクマも撮ってあげるからさ？

タクマ

彼女の頼みじゃしゃーないな

ミヤビ

やったぁ！

ひどい目に遭って荒んでたけど

俺はミヤビのおかげで

平常心を取り戻していった…

──が

タクマの店

タクマ

はよーございまーっす

アイカ

タクマぁっ！！

タクマ

ッ！？

タクマ

（なんであの妖怪ババアが！？）

アイカ

会いたかったわぁ～んっ♡

タクマ

うえっ！近寄んなァーッ！！

店長

タクマッ！！

タクマ

（しまった！客に聞こえる…！）

ひしっ！！

タクマ

（抱き付くなァァッ！！）

アイカ

せっかく一緒になれたのにぃ

アイカ

逃げ出すなんてひどいオ・ト・コ

店長

タクマ、どういうことなんだコレ

タクマ

俺だってわかんねぇッスよ！

店長

開店前から店の表で

店長

お前を出せって大騒ぎして…

店長

客の迷惑になるから

店長

しかたなく裏に入れたんだぞ

店長

きちんと説明しろっ！

タクマ

俺が知りたいッスよぉー！

アイカ

はっきり言ってあげなさいよっ

アイカ

アタシたち、あんなに激しく

アイカ

愛し合った仲じゃなぁい♡

店長

…って、さっきから言ってるぞ

タクマ

うう…記憶がない、っつーか…

店長

おまっ…！？

タクマ

バーで一杯飲んだのは

タクマ

覚えてるッスけど…！！

店長

さてはアイカさん…

店長

あんた、薬でも盛りましたね？

アイカ

…ンフフフッ

タクマ

この女ッ…！

店長

タクマはちょっと黙ってろ

店長

どうなんですか、アイカさん

アイカ

愛のためならなにしたって

アイカ

しかたがないでしょぉ～ん？

タクマ

（クッソ…！マジかよ！？）

店長

常連の方にそんなことされて

店長

とても残念です

タクマ

（ハウスボトルしか飲まねぇ）

タクマ

（ケチな細客だっての）

アイカ

もう店なんて用なしよー♡

アイカ

アタシとタクマの問題だもの♡

店長

わかりました

店長

あなたを出禁とします

タクマ

出禁だ出禁！

タクマ

さっさと出てけよクソが！

店長

タクマは黙ってろ

アイカ

ナニヨーーーーーッ！！！！

タクマ

うッ！？

店長

なっ！？

アイカ

アタシとタクマの仲をォォォ

アイカ

引き裂こうってのねぇぇぇッ！！

タクマ

ちょっ！？

タクマ

なんで脱ぎはじめんだよッ！？

アイカ

アタシたちがどれだけェェェ

アイカ

愛し合っているのかァァァ

アイカ

見せてあげるワァァァァッ！！

タクマ

ぎゃあああああッ！！

店長

おい！誰か手を貸せェッ！！

アイカ

タクマァァァァァアアアアッ！！

薬を盛られるなんて

売れっ子のクセに不注意だと

店長に叱られ

今後も注意して生活するよう

キツく言われてしまった…

上客

タクマくんどうしたの？

タクマ

ちょっといろいろあって…

上客

カワイソー！

タクマ

慰めてほしいってゆーか…

上客

元気の出るピンクのシュワシュワ

上客

頼んであげよっか？

タクマ

まじッスか！？

上客

効果てきめんねー、あははは！

タクマ

（ま、出禁になったんだし）

タクマ

（あのババアと会うことも）

タクマ

（もうないよな）

タクマ

（やっと一安心だぜ…）