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ピピッピピッ
憂鬱な一日はこの音から始まる
...さて、今日も一日頑張りますか、
<ないこ~?遅刻するわよ~!
俺は急いで制服に着替えて家を出た
ガラララララ
<おはよ~
今の暮らしは不便でもない
虐められてる訳でもないし
虐待を受けてる訳でもない
ごく普通の生活を送ってる
そんな普通の俺だって人生で1番嫌な日はある
それが今日
先生
先生
そう、俺が嫌なのは合唱コンの伴奏決めだ
先生
本当ならやりたいです、と手を挙げたいところだ
でも...ッ、
いや、考えると辛くなるから今は無心になろう
先生
<先生!大神くんが良いと思います!
<賛成!それがいい!
大神くん、か...
一体どんな人なんだろうと視線を向ける
<でもこの前ピアノ弾いてた時超上手だったじゃん!
先生
今の俺には大神って奴を睨むことしか出来なかった
羨ましい
みんなから音楽のことで慕われて羨ましい
そんなことしか思えなかった
でもそう思う自分が悔しかった
先生
今日も憂鬱だった一日が終わった
特に今日は憂鬱中の憂鬱だった
早く帰って塾の時間まで寝よう
先生
先生に呼び止められてしまった
別に学級委員ってわけじゃない
多分目が合ったから....
気が乗らない雰囲気で返事をした
学校帰りなんか眠くて仕方がない
しかも先生からなんか頼まれたし...
他の奴に頼めよ~、
少し猫背気味で歩いていたら
何処からか綺麗な音色が聞こえてきた
いつもは耳障りに感じる音楽も
このピアノの音だけはそう感じなくて
俺は気が付けばその音が鳴る方に歩いて行っていた
ガラララララ
そんな綺麗な音色の招待は
そりゃいきなり勢いで入ってきたからびっくりするよな
そっか、伴奏大神くんか
俺は聞こえないようにそう呟いた
時計を見たら塾の時間の40分前だった
今から帰ったらギリギリだろう
ガラララララ
少し楽しみが増えた気がした
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