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日曜日の朝

僕は一人病院へ訪れ

ホールの グランドピアノを拝見した。

鍵盤を叩くと

綺麗な音が響き渡る

久しぶりの感覚に ピアノを弾いていた頃を思い出す。

僕は試しに一曲弾いた。

初めて出た 発表会の時に引いた曲

演奏が終わると僕の背後から 一人の拍手が聞こえた。

振り返ると入院服を着た 女の子が立っていた。

雪菜

お兄さん

雪菜

すごく上手だね!

ニコニコ笑いながら僕の隣に座る

雪菜

ねぇ

雪菜

ーーー弾ける?

どうやら彼女も ピアノを弾けるらしい

真斗

もちろん!

真斗

一緒に弾こうか

雪菜

うん!

雪菜

ありがとう

彼女はすごく上手で…

一音ごとに感情がこもっていて、

僕は聞き惚れて 何度も指が止まりそうだった。

僕は今まで一緒にピアノを弾いて…

こんなに息があった人は いなかった。

一曲弾き終える頃には 何だか彼女に惹かれていて…

雪菜

今度はーー弾こうよ!

彼女のリクエストにそって 何曲も弾いた。

真斗

君はいくつ?

雪菜

17歳!

真斗

…体が悪いの?

雪菜

そう!
でももうすぐ治るから

真斗

そっか、

真斗

君もピアノを習ってたんだね、

雪菜

2歳からね!

雪菜

高校でも吹奏楽にも入ってたよ‼︎

意気揚々と話す彼女に いつのまにか笑顔になる

雪菜

今度はお兄さんのこと教えてっ!

真斗

僕?

雪菜

うん!

真斗

何が聞きたい?

雪菜

うーん、そうだなぁ、

すると

看護師

ちょっと!

看護師

雪菜ちゃん
ダメでしょう?

看護師

勝手に病室を出たら!

看護師さんの怒りの言葉が聞こえ 話もピアノも中断した。

どれくらい経っていたのだろうか、

時間を忘れ僕らは ピアノを弾き続けていた。

それから彼女は 看護師さんに回収されていった。

雪菜

…また来るね(ボソッ)

僕にしか聞こえない声で そう彼女は言った。

僕に、病院でピアノを弾く理由が 増えてしまった。

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