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キーンコーンカーンコーン……
どこからかチャイムの音が聞こえ、ざわざわと人の声が聞こえてきた。
学校の廊下にいる。
ユトリ
ユトリ
ユウゴ
正直、飛び降りなくてほっとしている。
ユトリ
ユトリ
ユウゴ
いままでは『学校から出る』ために『出口を探す』ことにかたむきすぎていた気がする。
まずは立ち止まって、今の状況を見直してみよう。
そもそも、ぼく達が学校の廊下にいる理由。
その建物に入る時、人は目を閉じている。 その建物から出る時、人の目は開いている。
この世界最古のクイズの問題の答えが『学校』だったからだ。
ユウゴ
ユトリ
ユトリ
ユウゴ
ユトリ
ユトリ
ユウゴ
勉強しろって言葉は、前の学校や親からも何度も言われていたけど、3000年以上も前から言われていたのか。
知識をつけると世界がよく見える。
窓の外を見ると、分厚い霧のせいで1メートル先すら見えない。
廊下もどっちに進んでも幻に道をふさがれて、この場所に戻されてしまう。
今のぼく達は、世界どころか、進むべき道すら見えない状況だ。
あと行けるところなんて、ドアを開けて教室に入るくらいしか……
ユウゴ
ユトリ
急に声を上げたせいで、ユトリを驚かせてしまった。
ユウゴ
ユウゴ
ユトリ
ユウゴ
教室のドアを開けた。
ユトリ
ユウゴ
ユウゴ
その建物に入る時、人は目を閉じている。 その建物から出る時、人の目は開いている。
この問題の答えは学校。
ここにばかり気を取られて、学校から出るのがクリア条件だと思い込んでいた。
実際には、出るために、この問題の前提条件を成立させなければいけなかったんだ。
知識をつけると世界がよく見える。
ユウゴ
アルク
教室に入ると、中でアルクが待っていた。
彼女も幻だろうけど。
アルク
アルク
やっぱり本物かもしれない。
アルク
アルク
アルク(の幻だと思う)が、ぼくとユトリの顔を交互に見てから言う。
アルク
アルク
アルク
ユウゴ
ガイド妖精
ぼくの疑問の声は、ガイド妖精の音声にさえぎられた。
気がつくと周りの景色は学校の教室から、コンクリートの壁に囲まれた空間に変わっていた。
ホマレ
ユトリ
迎えてくれたホマレに対し、ユトリが露骨におびえて身を引っ込める。
ホマレ
ホマレ
ユトリ
ユトリ
体が触れるたびにループしていたせいで、少しトラウマになっている。
ぼくもなんとなく、ショウリやメイカから距離を取ってしまう。
ショウリ
さっきのガイド妖精の音声は、ショウリ達にも聞こえていたみたいだ。
ユウゴ
学校の中を動き回っていたから、1時間以上は経っていると思う。
ショウリ
メイカ
ショウリとメイカが涼しい顔でこたえる。
あの学校とこことで時間の流れが違っていたのか、それとも幻を見ていたからぼく達の時間の感覚が狂っていたのか。
そんな真相への好奇心よりも、出てこれた安堵感のほうが大きかった。
万一答えがわからなかったら、永久にあの学校に閉じ込められていたかもしれない。
第4ブロック。
4ポイントも貰えるだけに、急に難易度が大きく上がった。
次は最後の第5ブロック。
間違いなく、今以上の難問が待ち受けているはずだ。