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アミキティア魔法学校の闇

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アミキティア魔法学校の闇

46 - 第46話 第4ブロック - アンノウン・ビルディング(3/3)

♥

5

2024年09月23日

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キーンコーンカーンコーン……

どこからかチャイムの音が聞こえ、ざわざわと人の声が聞こえてきた。

学校の廊下にいる。

ユトリ

今回はこれで良かったと思います。

ユトリ

失敗してたら目も当てられませんから

ユウゴ

うん。
ぼくもちょっとあせりすぎていたと思う

正直、飛び降りなくてほっとしている。

ユトリ

考え方を変えるというのはあっていると思うんです。

ユトリ

あとは方向性の問題じゃないでしょうか

ユウゴ

方向性か

いままでは『学校から出る』ために『出口を探す』ことにかたむきすぎていた気がする。

まずは立ち止まって、今の状況を見直してみよう。

そもそも、ぼく達が学校の廊下にいる理由。

その建物に入る時、人は目を閉じている。 その建物から出る時、人の目は開いている。

この世界最古のクイズの問題の答えが『学校』だったからだ。

ユウゴ

あの『その建物に入る時~』の問題だけど、なんで答えが学校になるのかな?

ユトリ

入学した時は何も知らず世界が見えない。
学問を学び知識をつけると世界がよく見えるようになる。

ユトリ

という意味が込められているそうです

ユウゴ

なんだかクイズって言うより、哲学みたいだね

ユトリ

そうですね。

ユトリ

学ぶことの大切さを説いた言葉だという説もあるそうです

ユウゴ

学びの大切さか

勉強しろって言葉は、前の学校や親からも何度も言われていたけど、3000年以上も前から言われていたのか。

知識をつけると世界がよく見える。

窓の外を見ると、分厚い霧のせいで1メートル先すら見えない。

廊下もどっちに進んでも幻に道をふさがれて、この場所に戻されてしまう。

今のぼく達は、世界どころか、進むべき道すら見えない状況だ。

あと行けるところなんて、ドアを開けて教室に入るくらいしか……

ユウゴ

ああ!

ユトリ

わっ! なんですか、急に

急に声を上げたせいで、ユトリを驚かせてしまった。

ユウゴ

あ、ごめん。

ユウゴ

でも気づいたんだよ

ユトリ

気づいた?

ユウゴ

出口

教室のドアを開けた。

ユトリ

そっちは外じゃありませんけど

ユウゴ

うん。
それで良かったんだよ。

ユウゴ

ぼく達は学校から『出』るために、まずは『入』らなきゃいけなかったんだ

その建物に入る時、人は目を閉じている。 その建物から出る時、人の目は開いている。

この問題の答えは学校。

ここにばかり気を取られて、学校から出るのがクリア条件だと思い込んでいた。

実際には、出るために、この問題の前提条件を成立させなければいけなかったんだ。

知識をつけると世界がよく見える。

ユウゴ

目を開けて外に出られるようになるには、授業を受けて知識をつける

アルク

せーいかーい、よく出来ましたー

教室に入ると、中でアルクが待っていた。

彼女も幻だろうけど。

アルク

いやー、なかなか来ないから冷や冷やしたよ。

アルク

しばらく出番もなかったから、忘れられてるんじゃないかと思った

やっぱり本物かもしれない。

アルク

ユウゴ、

アルク

ユトリ

アルク(の幻だと思う)が、ぼくとユトリの顔を交互に見てから言う。

アルク

多分、近いうちに、クリアしなきゃよかったって思う時が来るよ。

アルク

でも、もう手遅れ。

アルク

残念でしたー

ユウゴ

それって、どういう意味……?

ガイド妖精

出口発見確認。
ユウゴ、ユトリのクリアを認めて、4ポイント

ぼくの疑問の声は、ガイド妖精の音声にさえぎられた。

気がつくと周りの景色は学校の教室から、コンクリートの壁に囲まれた空間に変わっていた。

ホマレ

おかえりなさいまし

ユトリ

ひっ

迎えてくれたホマレに対し、ユトリが露骨におびえて身を引っ込める。

ホマレ

心外ですわね。

ホマレ

私、ユトリさまに何かしましたか?

ユトリ

ごめんなさい。

ユトリ

中でちょっと……

体が触れるたびにループしていたせいで、少しトラウマになっている。

ぼくもなんとなく、ショウリやメイカから距離を取ってしまう。

ショウリ

何があったか知らないけど、クリアできてよかったじゃないか

さっきのガイド妖精の音声は、ショウリ達にも聞こえていたみたいだ。

ユウゴ

クリアは出来たけど、結構時間をかけちゃったね。ごめん

学校の中を動き回っていたから、1時間以上は経っていると思う。

ショウリ

いや、そんなに待っていないよ

メイカ

うん。
5分くらいしか経っていないんじゃない?

ショウリとメイカが涼しい顔でこたえる。

あの学校とこことで時間の流れが違っていたのか、それとも幻を見ていたからぼく達の時間の感覚が狂っていたのか。

そんな真相への好奇心よりも、出てこれた安堵感のほうが大きかった。

万一答えがわからなかったら、永久にあの学校に閉じ込められていたかもしれない。

第4ブロック。

4ポイントも貰えるだけに、急に難易度が大きく上がった。

次は最後の第5ブロック。

間違いなく、今以上の難問が待ち受けているはずだ。

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