祟
...は?

祟
何だよ...これ...

桃音
“ペナルティー”だよ

桃音
このプログラムにはいくつか規則があるんだけど、その中にね...

桃音

桃音
“被害者は犯罪者へ危害を加えることは禁止とする”って項目があるんだよ

桃音
この空間は犯罪者が罪を償う場所なのに、被害者が感情的になって殺しちゃったりしたらややこしいでしょ?

祟
だからって...殺したのか...?

桃音
そんな言い方しないでよ

桃音
アザミンが死んだのは3回も警告を無視したからじゃん

桃音
“被害者はペナルティー以外で殺されてはならない”って項目だよ

桃音
良く言えば守られてるし、悪く言えば監視されてるんだけど...

桃音
まあ、言われたこともできないような人間は所詮その辺止まりだよね

祟
っ‼︎お前...ッ‼︎

俺はその言葉を聞いた途端、
彼女をぶん殴ろうと
走り出そうとした。
涙
待て、鵠沼

祟
離せッ‼︎こんな奴ここで

涙
今は“時間がない”

祟
...あ?何言ってんだ?

桃音
ほら、“アレ”を見てごらん

彼女はニタッと笑いながら
階段側を指さすと
瀕死状態のメアさんがいた。
桃音
“アレ”を見てタタリンはどう思う?

桃音
醜い?早く死ねばいい?それとも...

桃音
“助けたい”?

祟
っ⁉︎

桃音
どっちにしろ、このまま放っておいたら死ぬのは確定だよ

桃音
でも君には“アレ”を助ける方法が1つだけある、それは

桃音

桃音
君が“死ぬこと”だ

祟
なっ...

桃音
冒頭のプログラムに関する説明をした時も言ったように、現実世界に戻れるのはどちらか1人だけ...

桃音
どちらかが消えればどちらかが帰還できる

涙
何を言っt

桃音
あ?

涙
....

桃音
さあ、タタリン。“命の選択”をしようじゃないか

桃音
君は“アレ”を見捨てて自分だけが助かる偽善者なのか...

桃音
もしくは、“アレ”を助けて自分が死ぬことを選ぶ善人なのか...

桃音
タイムリミットは...あ、もう決めなきゃマズそうだね

桃音
さあ、時間がないよ‼︎タタリンはどういう選択をするの⁉︎

桃音
偽善者?善人?早く早く‼︎死んじゃうよー⁉︎

彼女のふざけたような声が
この空間をこだましている。
祟
....

善人?偽善者?
くだらない、そんなの
どうでもいい。
そんなもの、俺には
なれやしない。
だって俺は...
桃音
もっしもーし‼︎無視しないd

祟
黙れ

俺は彼女の言葉を塞ぐように
言い放つと床に落ちていた
包丁を拾い上げた。
祟
俺が選ぶのは...

そして俺は包丁を
高く持ち上げると勢いよく
彼に向かって振り下ろした。
桃音
へぇ...それがタタリンの選んだ選択なんだね...

振り下ろした包丁は
延髄に刺さり
彼は悲鳴すら上げず
やがて体の力が抜けたように
動かなくなった。
祟
あ...れ...?何だ...ねむ...

桃音
...アザミンの死がきっかけで“悪の具現化”を殺そうとしたのかな?

桃音
普通の人間だったら、底知れぬ恐怖からなにもできず見捨てる偽善者になるんだけど...

桃音
“今回は”怒りが原動力だったかぁ...

桃音
あとで情報更新しなきゃ‼︎
